出産手当金は退職後にもらえる?手続き・計算・申請条件まとめ
出産手当金は産休中の給与分を補える便利な手当てですが、退職後にはもらえるのでしょうか?自身で申請しないといけないだけに、申請期間や、取得条件などしっかりと把握しておかないともらい損ねてしまう可能性があります。予備知識があれば、受給額の計算や退職後の計算についても円滑に進めることができます。今回は、出産手当金についての計算方法や、退職したらもらえるのかなどを紹介していきます。
そもそも出産手当金とは
出産手当金という制度は子供を授かった方であれば聞いたことがある言葉ではないでしょうか。女性は出産の際にどうしても仕事を休まざるを得ない場合がほとんどです。産休中に関しては、企業に給与の支払いの義務がないので、給与をもらえないのが一般的です。そうなると、生活費などに困ってしまいますよね。そんな女性のために、生活を支える目的で、健康保険より支給されるものが出産手当金です。
今回は、「退職後」の出産手当金の受給方法などがテーマですが、出産手当金に関しては「難しい」「わかりづらい」といった声もよく聞きますので、まずは、出産手当金が何かということをしっかりと理解することが大切です。1日にどれくらいもらえるのかの日計算から、退職後手続き、有給をうまく使っても出産手当金がもらえるのか気になるところです。
出産手当金は、仕事を"休んでいる"間が対象、つまり「産休から復帰する前提」というイメージの方も多いと思います。では、例えば、出産を期にそのまま「退職」してしまった場合などは、出産手当金はもらえるのでしょうか?
今回は出産手当金について、退職後に受給できる条件や手続きや申請の方法などを細かく紹介していきます。これから出産を控える方や予定のある方は必見です。
退職後も出産手当金はもらえるのか
気になる点として、妊娠や出産を機に退職してしまった後でも、出産手当金がもらえるのかということです。結論から言うと、退職後でも出産手当金をもらうことができます。
ただし、退職後に出産手当金を受け取る場合には、3つの要件を「全て」満たさなければなりません。ここでは、退職後でも出産手当金をもらえる要件を一つずつ見ていきましょう。
要件1.退職日が出産手当金の支給期間の範囲内かどうか
退職後でも、出産手当金をもらえる条件として、退職日が出産手当金の支給期間の範囲内であることが必要となります。この出産手当金の支給期間とは、出産日、または出産予定日の前後一定期間であり、具体的には、「出産日より前42日(多胎妊娠の場合98日)から、出産日の翌日より後56日まで」が支給期間となります。(※1)
出産にあたって退職が決まっていたり、体調の面などの理由から、出産日より前42日(42日(多胎妊娠の場合98日)よりもさらに前に退職している場合には出産手当金の受け取り対象外となりますので、ご注意ください。
早めの産休取得や有給の取得をして退職してしまう場合には、会社と相談して、退職日を出産予定日より前の42日(98日)を過ぎた日程で調整してもらうようにしましょう。
要件2.退職日にちまでに被保険者期間が1年以上あるか
退職してから出産手当金をもらうには、被保険者期間が継続して1年以上あることも条件になります。当然、この1年以上の期間は保険料を支払っていなければなりません。アルバイトでもパートでも健康保険の加入が継続して1年以上あれば、退職後でも手続きは可能ということになります。(※1)
つまり、1年以上、その職場で働いていれば、おおむねこの条件はクリアできるでしょう。
要件3.退職日に出勤していない
退職日の設定も出産手当金をもらうには重要な条件でした。さらに、注意が必要なのは退職日に出勤してはならないということです。引き継ぎ等の理由で短時間の出勤であっても、出産手当金の受け取り対象外となってしまいます。(※1)
出産手当金をもらうための退職方法
これらの要件を踏まえて、出産手当金をもらうための退職方法として、具体的な例をご紹介します。
まず、その職場で1年以上働いているか、そしてその期間しっかり健康保険の被保険者であったかを確認します。次に、退職日を決めたら自分の有給がどれほどあるかもチェックしましょう。例えば、7月31日が出産予定日で42日前である6月19日を退職日とします。自分の有給が10日残っているのであれば有給休暇として6月10日から6月19日を休みにしましょう。有給を使う時に会社側へ提出する書類には「出産に伴う休暇」と書けば大丈夫でしょう。
これで、被保険者期間が1年以上あり(要件2)、退職日に出勤することも無くなり(要件3)、退職日が対象期間内である(要件1)ので、出産手当金が受給できます。
出産手当金の受給条件には出産日から42日以内であることや被保険者期間が1年以上、退職日は出勤しないことがあります。条件を満たしていれば退職後手続きは可能です。ここで、一番気になるのは出産手当金がどれだけもらえるかではないでしょうか。計算方法を見ていきます。
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