妊婦の岩盤浴やサウナは大丈夫?妊娠初期は要注意?実体験多数!

【医師監修】妊婦さんは体調の変化が激しかったり体が重くなったりすることから、気分転換したいと感じることが多いものです。そんな時、岩盤浴に行きたい妊婦さんも少なくはないのではないでしょうか。この記事では、妊娠中の岩盤浴は安全なのか解説し、あわせて体験談もご紹介します!

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 妊婦さんにとって岩盤浴やサウナは大丈夫なの!?
  2. 妊婦さんにとって岩盤浴やサウナが大丈夫じゃない理由は?
  3. 岩盤浴やサウナによる胎児への影響は?
  4. 妊娠初期ほど岩盤浴やサウナは要注意?
  5. 岩盤浴やサウナに行った妊婦さんの実体験は?
  6. 妊婦さんは岩盤浴やサウナを控えましょう

妊娠中は代謝が良くなっているため汗をかきやすくなっています。そのため岩盤浴やサウナなどの大量の汗をかく場所に行くと、脱水状態を引き起こすおそれがあることに注意が必要です。妊娠中に脱水症状になってしまうと、体内の水分量が減ることで血液が濃縮し、胎児に酸素や栄養を送る際に支障でる場合も。そのため妊娠中は汗を大量にかく行為は控えたほうが良いでしょう。

女性

30代後半

サウナが好きで、妊娠前は週に1~2回、妊娠してからもちょこちょこ行ってました。そうしたら、妊娠3ヶ月のときにサウナ中フラフラに。次の健診で産婦人科の先生に「汗のかきすぎはダメ」と注意されちゃいました。無事に赤ちゃん生まれるまで、サウナは我慢だ!

大丈夫じゃない理由【腹部の過度な温度上昇】

妊娠中に過度に腹部の温度が上昇することはよくありません。お腹やお尻を極端に温めると、これからどんどん育っていこうとしている胎児の神経発達を阻害してしまう可能性があるといわれているためです。岩盤浴でうつ伏せになったり、サウナで熱い椅子に腰をかけてしまう行為は胎児への悪影響にもつながることがあるといえますね。

大丈夫じゃない理由【感染症にかかるリスク】

妊娠中は通常時よりも免疫力が落ちていることから感染症のリスクが高くなっています。岩盤浴やサウナのような場所は、不特定多数の人が集まる場所や菌やウイルスなど、病原体が好む温かく水分が停滞している場所は要注意です。どうしても行く必要がある場合、タオルやクシ、カミソリなどの衛生用品のレンタルは避けましょう。

YOTSUBA専属ライター

20代後半

温泉好きの義母とよく温泉に行くんだけど、たっぷり一時間以上温泉につかって、脱衣所でもお茶を飲みながらおしゃべりしたりして完全に温泉仲間。でも、温泉ではあまり長居しないほうがいいんだって!妊娠中だし、今回はすぐ着替えて出ます!

大丈夫じゃない理由【転倒の危険】

妊娠中の転倒は流産の原因になりやすいものです。また、妊娠超初期でもお腹や体に強い衝撃を与えることは決して良い影響とはなりません。妊婦さんの転倒事故が起きるのはお風呂場が多いのですが、岩盤浴やサウナでも足元が滑りやすいため、注意して歩く必要があります。

まだお腹が大きくなる前の妊娠超初期や妊娠初期の妊婦さんにとっても転倒は危険なものです。この時期は胎児を衝撃から守る胎盤も胎児の体もがじゅうぶんに形成されていません。また妊娠後期や臨月の妊婦さんはお腹が大きくなっていて足元が見えにくくなるので、それが原因で転倒しやすくなってしまいます。

カズヤ先生

産婦人科医

特に妊娠後期に子宮のサイズが増大してくると、重みで転倒するリスクは高くなります。 特に妊娠後期に転倒し、腹部を打撲すると、切迫早産、不正出血、最悪の場合、胎盤早期剥離などの危険な合併症も起こり得ます。 転倒しないように気をつけることと、万一、転倒してしまった場合は、一度かかりつけ産婦人科医に相談してみるのが良いでしょう?

大丈夫じゃない理由【ラジウム(ラドン)】

岩盤浴ではラジウム鉱石というものを使用しているのを聞いたことがあるでしょうか。これはラドンという微量の自然放射線を発するものです。放射線ではありますが自然界に存在するもののため無害であるとされ、温泉地などでもラジウム温泉やラドン温泉などとして古くから親しまれています。(※1)

基本的にはラジウム(ラドン)を岩盤浴や温泉で使用していても無害とされていますが、医師によってはそれらを避けるようにと指示することもあるのです。その場合には医師の指示に従うほうがよいでしょう。

大丈夫じゃない理由【体温の上げすぎ、下げすぎに注意】

子宮は熱の影響を受けやすい臓器のため、体温が上がりすぎは子宮の血流が良くなりすぎて収縮をおこしてしまう可能性があります。出産の準備が整っていない状態での子宮の収縮は良いものではなく、子宮内の赤ちゃんを収縮により傷つけてしまうおそれも否定できません。妊娠初期、後期などの時期は問わず、体温を上げすぎることは避けたいですね。