搾乳間隔は何時間が適切?正しい搾乳方法や母乳の保存方法のコツ・注意点も
【医師監修】搾乳の必要性やメリットをはじめ、搾乳間隔など搾乳する際のポイントや、正しいやり方を〈手〉〈手動搾乳器〉〈電動搾乳器〉など方法別に紹介します。搾乳した母乳の保存方法・期間や、量が少ない原因・対処法も解説しますので、参考にしてみてくださいね。
搾乳のタイミングは?間隔は何時間が適切?
搾乳の適切なタイミングは、搾乳の目的や、ママによっても個人差が大きいので厳密な決まりはありません。例えば、小さく生まれたなどの事情により入院している赤ちゃんに母乳を届ける場合の搾乳は、産後2週間頃までは1日8~10回が目安です。初めは母乳が出にくいため頻回ですが、スムーズに出るようになれば7回前後といわれています。(※4)
母乳の分泌量を減らさないためには、6時間以上の搾乳の間隔を空けないようにすると良いでしょう。外で仕事をしながら母乳育児も続けたいママや、半日以上授乳をできない場合の搾乳は、3~4時間おきを目安とすると良いとされています。頻繁に授乳や搾乳をしているママほど時間が空くと母乳が詰まりやすく、分泌量が減りやすい傾向があります。
母乳が詰まっている場合は頻繁に授乳や搾乳をし、乳腺の滞りを解消しましょう。母乳が必要以上に出過ぎる場合は、搾乳時に搾りきるとさらに多くの母乳が作られるようになります。搾りきらないよう注意してくださいね。
(母乳の授乳時間については以下の記事も参考にしてみてください)
正しい搾乳のやり方
正しく搾乳ができると、効率よく目的に合った母乳を保存しておくことができて便利です。搾乳は、力加減の調整がしやすい手での搾乳、手動・電動搾乳器を使用する方法があります。ここでは正しい搾乳のやり方を紹介します。それぞれ特徴がありますので、自分に合った搾乳方法を見つけてみてみてくださいね。
手で搾乳する方法
手での搾乳は、きれいに手指を洗ってから始めましょう。まず、親指、人差し指、中指で乳頭を垂直に挟んでゆっくりほぐします。柔らかくなったら、乳輪の外側あたりを親指と人差し指の腹で挟み、乳輪から乳頭に向かって圧を加えます。位置を変えながらまんべんなく搾り、しこりがあればそこを重点的に搾乳し、ほぐれたらほかの場所も搾りましょう。
強く押し過ぎると乳腺が傷つくこともあるので力の入れ過ぎに注意してださいね。搾乳にかける時間は片方10分程度にし、左右とも行いましょう。正しいやり方で搾乳すれば、搾乳器よりも胸への負担は少ないですよ。ただし、手での搾乳は肩が凝ったり、腱鞘炎になったりすることもあります。
手動搾乳器の使用方法
手動搾乳器での搾乳方法は、専用のカップを胸にあて、ハンドルやバーを握ったり離したりして母乳を搾り出すというやり方です。搾乳器の音も静かで、仕様もシンプルなため洗浄しやすく、手搾りと同じように圧力や角度を調整できます。電動タイプと比較すると安いので購入しやすいですが、手への負荷と時間がかかります。
手動搾乳器は、頻繁に搾乳しないママ向けといえます。乳頭を柔らかくほぐしてから搾乳をすると母乳が出やすいですよ。
電動搾乳器の使用方法
電動搾乳器での搾乳のやり方は、専用カップを胸にあててスイッチを押すだけです。モーターの力で母乳を搾り出す方法で、短い時間で全方位からたくさん搾乳することができます。性能が上がるにつれて価格も上がり、数千円から数万円程です。力加減の調整はもちろん、赤ちゃんが吸うのと同じリズムで搾乳できるものもあります。
母乳が出過ぎるママや、母乳を増やすためにたくさん搾乳が必要なママ、時間と労力を省きたいママにおすすめです。手への負担もほとんどないので、ほかの搾乳の方法とも比較して自分に合った搾乳のやり方を見つけてみてくださいね。
搾乳した母乳の保存方法・期間
搾乳した母乳は、常温、冷蔵、冷凍保存が可能です(※2)。衛生面に気をつけて保存し、期間を守りましょう。また、新生児集中治療室(NICU)や特別ケア病棟などに入院している赤ちゃんの場合は、母乳の保存についてより厳しい管理が必要とされることもあります。施設によっても基準が異なるので、指示に従いましょう。
ここからは保存方法の紹介とあわせて、それぞれどれくらいの期間保存ができるかについて紹介していきます。
常温保存の場合
搾乳してそのまま常温(16~25度)で保存する場合は、なるべく早く飲ませてあげるのが理想的です。どんなに長くても6時間以内には飲ませてあげるようにしましょう。保存する時は清潔な容器や哺乳瓶に入れてフタをし、ホコリなどが入らないようにしてくださいね。保存場所の温度が25度以上にならないようにすることにも気をつけましょう。
保存していると母乳の成分が分離してくるので、優しく左右に振ってから飲ませてあげてくださいね。
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