妊婦必読!風邪薬で飲んでもいいものとダメなもの!赤ちゃんに影響は?

【医師監修】妊娠中に風邪をひいたとき「妊婦は風邪薬を飲んでも大丈夫?」「妊婦でも飲める風邪薬がある?」「風邪薬を飲むと赤ちゃんに影響するの?」など、いろいろな疑問が浮かぶのではないでしょうか。気になる妊娠中の薬の使用と、胎児への影響についてくわしくご紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 妊婦は風邪薬を飲んでも大丈夫?
  2. 妊娠時期で風邪薬の影響は違う
  3. 妊婦も飲める市販の風邪薬はある?
  4. 妊婦は漢方薬を飲んでも大丈夫?
  5. 妊婦が風邪薬を処方してもらうときの注意点
  6. 風邪薬を使わず風邪をなおすには?
  7. 妊娠中はまずは風邪の予防を

妊娠16週以降は薬の影響は受けにくいとされています。赤ちゃんの体の器官はほどんど完成しているので、風邪薬の影響はほとんど受けません。しかし、胎盤を通じて薬の成分は赤ちゃんに少なからず作用するので、種類によっては注意が必要です。

せきが長く続くと、腹圧で赤ちゃんやお腹に負担がかかります。薬の胎児への影響よりも、せきを抑える方が優先されることもあるでしょう。ママの体調を考えながら、お医者さんや薬剤師さんと相談して薬を服用してください。

(妊娠中の薬の使用については以下の記事も参考にしてみて下さい)


妊婦の便秘薬!市販品、漢方どれがOK・NG?病院処方のマグミットは?

妊婦も飲める市販の風邪薬はある?

風邪をひいてしまい、薬に頼らなくてはいけないときもあるでしょう。そんなときは、なるべく赤ちゃんに影響しない薬を選びたいですよね。絶対安心といえるものはありませんが、市販の風邪薬でも成分によってはほとんど胎児に影響の出ないものもあります。ドラッグストアなどで購入する場合でも、薬剤師さんに相談してみましょう。


妊婦にも比較的安心な市販の風邪薬

妊娠中に使用しても大丈夫と言われている風邪薬の成分は解熱鎮痛作用のアセトアミノフェンです。具体的な市販薬は「タイレノール」や「パブロン50」などです。しかし、妊娠初期の絶対過敏期に使用するのは控えましょう。

妊娠中期以降になると、市販の風邪薬はほとんど問題ないとされていますが、絶対に大丈夫と保証するものではありません。使用する際は医師や薬剤師に相談しましょう。

妊婦は飲んではいけない市販の風邪薬

妊娠中に服用を避けた方がよい風邪薬の成分は、解熱鎮痛作用のイブプロフェンやロキソプロフェンなどの成分です。これらは妊娠中期でも血管や心臓への悪影響があると言われています。またせき止めのリン酸コデインなどの成分も胎児がモルヒネ中毒になる危険性があります。

カフェインも多くの市販薬に使用されていますが、胎児はカフェインを分解できません。赤ちゃんの発育に影響があるとされるので使用は控えた方がよいでしょう。市販の風邪薬を服用するときは、必ず表示成分を確認するようにしてください。


妊婦は漢方薬を飲んでも大丈夫?

市販薬には抵抗がある妊婦さんは、漢方薬を使用してみてはいかがでしょうか。漢方薬は効き目も穏やかで、副作用もあまりないと言われています。病院でも風邪をひいた妊婦さんには、漢方薬が処方されることが多いです。(※1)

妊娠中におすすめの漢方薬は、体を温める「桂枝湯(けいしとう)」です。「香蘇散(こうそさん)」も初期の風邪によいと言われています。ただし、漢方薬は種類も多いので、自己判断はせずに必ず病院で処方してもらうようにしましょう。また、漢方薬でも妊娠初期の使用は控えたほうが安全です。

妊婦の風邪には葛根湯がいい?

風邪をひいたときの漢方薬と言えば「葛根湯」が有名ですね。葛根湯は妊娠中に風邪をひいた場合でも、病院で処方してもらえる漢方薬の一つです。葛根湯は体を温めてくれるので、風邪の初期症状に効果があります(※2)。市販薬でもいろいろな種類の葛根湯がありますが、妊娠中はなるべく病院で処方された薬を使用するようにしましょう。

葛根湯は比較的体力がある人向けに処方され、胃の弱い人は避けたほうがよいとされます。葛根湯は妊婦には慎重に使用すべきだという意見もあります。自己判断での葛根湯の使用はなるべく避け、病院の医師や漢方の専門医と相談して使用しましょう。

カズヤ先生

産婦人科医

漢方系のお薬は妊娠中にも比較的内服しやすいものが多いです。 一般的には葛根湯や麦門冬湯、桔梗湯などが処方されます。 原則、風邪(感冒)はウイルス性疾患ですので、抗生剤はあまり意味はなく(細菌性副鼻腔炎などを合併すれば別です) しっかりと栄養、水分、睡眠をとって休むことが必要です。

妊婦が漢方薬を使用するときの注意点