妊婦は葛根湯を飲める?授乳中の影響!安全な物は?効かない時の対策!

【医師監修】「風邪のひき初めには葛根湯」よく耳にする言葉ですが妊婦さんや授乳中のお母さんは「葛根湯」を服用しても良いのでしょうか。デリケートな妊娠中や母乳を飲む赤ちゃんに影響しない安全な物があるのか、薬が効かない場合に妊婦さんや授乳中でもできる対処法もご説明します。

Commentator
|
専門家監修
増田陽子
平成22年「St. Methew School of Medicine」大学医学部を卒業し、日本・米国・カリブ海の医師資格を持っています。・・・
> プロフィール詳細
Contents
目次
  1. 葛根湯ってどんな生薬?
  2. 妊婦さんや授乳中に葛根湯は飲めるの?影響は?
  3. 効果的な葛根湯の飲み方とは
  4. 葛根湯を自己判断で飲むのは危険?安全な物は?
  5. 妊婦さんや授乳中に風邪をひいたらどうすればいい?
  6. 妊婦さんや授乳中でも安全に飲める薬がある?
  7. 処方薬が効かない時の対処法
  8. 正しい知識を持って薬を服用しよう

葛根湯ってどんな生薬?

出典:https://www.pinterest.jp/pin/63402307240920554/

「風邪のひき初めには葛根湯」テレビCMやインターネット上でこの言葉をよく耳にします。実際に、病院で処方されたり服用したことがある人も多いのではないですか?そんな身近な風邪薬、「葛根湯」とはいったいどのような漢方薬なのでしょうか。

葛根湯の主な成分とは

葛根湯とは葛根(かっこん)、麻黄(まおう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)の7つの生薬の組み合わせで出来た漢方薬で発汗や体を温めることで風邪の初期症状や頭痛、鼻炎、肩こり等に効くとされています。

葛根湯などの漢方薬にも副作用がある

漢方薬とは、草や木などから抽出された成分である「生薬」と呼ばれるものを組み合わせて作られたものです。自然由来の成分であるため、効き目が穏やかだったり副作用がないと考える人も多いようですが漢方薬に含まれる成分によっては副作用が出る場合もあります。

風邪の初期症状に効くといわれている「葛根湯」も例外ではなく、胃の不快感・吐き気・発汗過多・皮膚のかゆみなどの副作用が出る場合もあります。また稀に重篤な副作用を起こす場合も。(※1※2)

妊婦さんや授乳中に葛根湯は飲めるの?影響は?

妊娠中や休息を十分に取れない授乳中の風邪はとても辛いですよね。出来るだけ早く治したいけれど、「妊娠中の胎児や母乳を飲む赤ちゃんに影響があるのでは」と薬は避けてしまいがちです。風邪をひいた時に比較的穏やかに効く「葛根湯」は妊娠中や授乳中でも飲めて、妊婦さんが飲むことで妊娠中の胎児や母乳を飲む赤ちゃんに影響を及ぼさないのでしょうか。

妊婦さんや授乳中に避けたほうがいい成分は?

漢方の考え方に「三禁」があります。妊娠中は、この三禁「発汗」「下痢」「多尿」は避けたほうが良いというものです。実は葛根湯には、妊娠中や授乳中は避けたほうが良いとされている成分が含まれています。それが「麻黄」や「桂皮」です。これらの生薬は発汗を促す作用があり妊娠中は避けたほうが良い成分になります。

もう一つ気を付けたほうが良い成分が、「エフェドリン」です。エフェドリンは、葛根湯に含まれている「麻黄」由来の成分で交感神経興奮剤です。妊娠中の三禁の一つである「発汗」を促す成分であり、カフェインも含まれています。この成分は妊娠中や授乳中に投与する際の安全性が現段階では確立されていないとされており注意が必要です。

増田陽子

内科医

エフェドリンは血圧上昇や心拍数上昇の副作用が有りますので、妊婦さんは特に注意して飲みましょう。

効果的な葛根湯の飲み方とは

一般的な薬は食前や食間、食後に水で服用する場合が多いですが漢方薬である「葛根湯」は服用する際の効果的な飲み方はあるのでしょうか。

葛根湯は、発熱などの発汗症状が出る前の「風邪をひいたかな?」という初期症状の時に飲むことが効果的とされています。飲む際には、食前や食間の空腹時に水またはぬるま湯で飲むのが効果的です。ドリンクタイプの葛根湯も冷やさずに常温または少し温めて飲むとよいでしょう。

葛根湯を自己判断で飲むのは危険?安全な物は?