中絶薬とは?日本では違法!購入もダメ?費用や副作用・リスクは?

【医師監修】欧米では医師により妊娠中絶薬が処方され流産を促す場合がありますが、日本では妊娠中絶薬の個人輸入や使用は違法となることがあります。中絶手術を行うよりも安価で経口摂取という手軽さもありますが、副作用や死亡リスクもあることをぜひ知っておきましょう。

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専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
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目次
  1. 妊娠中絶薬ってどんな薬?
  2. 妊娠中絶薬の使用は日本では違法
  3. 費用も安く経口摂取と手軽な妊娠中絶薬
  4. 重い副作用など妊娠中絶薬に潜む危険
  5. 妊娠中絶薬は購入もダメ?
  6. 妊娠中絶薬を服用できないケース
  7. 妊娠中絶薬による健康上のリスク
  8. 妊娠の継続を望まない場合は必ず産婦人科へ

妊娠中絶薬ってどんな薬?

妊娠中絶薬は妊娠7週(49日間)までに経口摂取することで中絶を促す薬のことで、中絶ピルと呼ばれることもあります。1980年代にフランスで作られたミフェプリストンという薬が代表的な妊娠中絶薬です。ミソプロストールという収縮剤と併せて服用することで効果があると言われています。

ミフェプリストンは妊娠を継続するために必要な女性ホルモンの一種「黄体ホルモン」を阻害することで月経を起こし、人工的に流産に至らせます。90%を超える確率で堕胎に効果があると言われている薬で、アメリカやフランスなどでは認可されており医師による処方もされている薬です。

(流産については以下の記事も参考にしてみてください)

流産の種類は?確率は?週数、年齢との関係性について!

妊娠中絶薬と中絶ピルは違うの?

経口摂取によって堕胎を促す薬について「妊娠中絶薬」「中絶ピル」とふた通りの名前で呼ばれているのですが、どちらもプリフェミストンという薬を意味している場合がほとんどなので同じものと考えて問題ありません。

ただし「中絶ピル」と「アフターピル(緊急避妊薬)」は役割も服用の仕方も異なるので注意が必要です。中絶ピルは着床後に堕胎を目的として服用する薬ですが、アフターピルは避妊を目的として着床前に服用する薬。中絶ピルとアフターピルは名前が似ているので勘違いしないよう気をつけましょう。

リエ先生

産婦人科医

ミフェプレックス(一般名:ミフェプリストン)は外国では認可されている薬ですが、日本では未承認薬です。使用することで多量の性器出血を起こすことがあり、出血が止まらない場合には子宮摘出を行うしかないケースも存在します。子宮摘出となれば今後妊娠することはできません。中絶薬の副作用の恐ろしさを認識し、そのような薬を使用することがないよう、日頃から避妊をしっかり行い自分の体を守ることが大切です。

妊娠中絶薬の使用は日本では違法

妊娠中絶薬は現在日本では認可されておらず、中絶薬の使用による堕胎は禁止されています。倫理的な点から問題となっており、それだけではなく服用により重い副作用があることも認可されない理由のひとつです。日本での中絶におけるルールと堕胎が罪となったケースについてもご紹介します。

日本では中絶を望む場合どのようなルールがあるか

日本では母体保護法に従って人口妊娠中絶手術が指定医によってのみ行われており、産婦人科でも中絶薬が処方されることはありません。中絶手術を産婦人科で行うには同意書が必要となり、基本的にパートナーからの同意も必要とされています。また、妊娠しているのが未成年である場合にはパートナーだけでなく保護者の同意も必要です。

「近しい家族にさえ知らせたくない」という女性もいるので、産婦人科での中絶手術は体だけでなく精神的にも負担の大きいものと言えます。

(中絶手術については以下の記事も参考にしてみてください)

【妊娠初期の中絶】手術の流れ・費用や注意点は?痛みは?実体験も!
中絶の期間はいつからいつまで?時期別の手術内容や費用、リスクは?

妊娠中絶薬の使用は法に触れる場合も

日本には「堕胎罪」と言って母体保護法に定められた指定医以外の人が中絶の施術などを行うことは認められていません。

過去に妊娠中絶薬を服用した女性本人が堕胎の疑いにより書類送検となっている事案があります。中絶薬の服用は妊娠7週までとされているのですが、その女性は大きく時期を過ぎた妊娠20週で服用し大量出血を起こして病院に緊急搬送されました。その際に中絶薬の服用を申告。産婦人科医によって通報され書類送検される事態となりました。

確かに堕胎は望まない妊娠から身を守るひとつの手段ではあるのですが、妊娠中絶薬を使用する堕胎は法に触れる場合があるのです。