胎盤とは?どんな役割?成長の目安は?完成したら安定期?

【医師監修】胎盤とは何なのか詳しく知らない妊婦さんも多いのではないでしょうか?赤ちゃんの成長のために胎盤についてきちんと知っておきたいですよね。今回は「胎盤とは何なのか」「どんな役割をもっているのか」「重さや大きさなどの成長の目安」はもちろん「完成したら安定期って本当?」など、胎盤についていろいろな事をご紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 胎盤とは?
  2. 胎盤ってどんな役割?
  3. 胎盤の成長の目安とは?
  4. 胎盤のトラブルや異常とは?赤ちゃんへの影響は?
  5. 健康な胎盤を作るために気をつけたいことは?
  6. 胎盤が完成するといよいよ安定期に

胎盤は子宮の上部に形成される器官です。受精して子宮の中で胎芽と胎嚢が形成される頃から胎盤の形成も始まり、完成するのは妊娠14~16週頃です。胎芽、胎嚢、胎盤の成長や重さは妊婦さんそれぞれで異なるので、妊婦健診で赤ちゃんの心拍がしっかりと確認できていれば胎盤の大きさや重さをそれほど心配する必要はありません。

胎盤の重さってどのくらい?

胎盤が完成したときには重さは約100グラムほどで、その後妊娠後期もぐんぐん重さは増えて出産時には重さは約500~600グラムにもなります。また、子宮の中の羊水の重さも出産時には胎盤と同じく500~600グラムほどになります。

胎盤の大きさはどう変化する?

胎盤が完成する妊娠16週頃には胎盤の大きさは約20センチほどになります。厚さは平均2~3センチですが、個人差があるので胎盤の大きさが平均と異なるからと言って神経質になりすぎないようにしましょう。

胎芽の大きさはどう変化する?


赤ちゃんの素である胎芽の大きさは1週ごとにおよそ5ミリずつ大きくなります。妊娠週ごとの大きさの平均は以下を参考にしてみてください。

●妊娠6週・・・約2ミリ~5ミリ
●妊娠7週・・・約6ミリ~11ミリ
●妊娠8週・・・約11ミリ~19ミリ
●妊娠9週・・・約18ミリ~27ミリ
●妊娠10週・・・約24ミリ~35ミリ

胎嚢の大きさはどう変化する?

胎芽を包む胎嚢の大きさは1日に約1ミリずつ成長します。妊娠週ごとの大きさの平均は以下を参考にしてみてください。

●妊娠6週・・・約9ミリ~21ミリ
●妊娠7週・・・約14ミリ~28ミリ
●妊娠8週・・・約20ミリ~36ミリ
●妊娠9週・・・約27ミリ~45ミリ
●妊娠10週・・・約32ミリ~52ミリ

胎盤のトラブルや異常とは?赤ちゃんへの影響は?

妊娠中は妊婦さんの体にさまざまなトラブルがおこることがありますよね。同じように、妊娠中に胎盤にもトラブルや異常がおこる可能性があります。胎盤トラブルがおこる確率は妊婦さん全体の1%程度と高くはないですが、きちんと症状を把握して何か異変を感じた時には素早い対処ができるようにしておきましょう。

前置胎盤とは?

前置胎盤とは、産道や子宮口付近に胎盤ができたり子宮口が胎盤で塞がれてしまうトラブルです(※1)。前置胎盤は痛みはありませんが、出血してしまうとすぐに入院措置となり安静にしなくてはいけません。子宮が大きくなるにつれて胎盤がずれ前置胎盤が改善するケースもありますが、母子の安全のために帝王切開手術での出産となることがほとんどです。

前置胎盤になってしまうメカニズムは完全には分かっていませんが、「高齢での妊娠」「喫煙習慣」「2人以上の多胎の妊娠」「帝王切開手術の経験」「子宮の構造的異常(子宮筋腫など)」「流産や人工中絶手術の経験」、これらにあたる人は通常の妊婦さんよりも前置胎盤になる確率が比較的高いと言われます。(※1)

常位胎盤早期剥離とは?