シャフリングベビーとは?ハイハイしない原因は?発達障害などその後の成長についても解説

【医師監修】シャフリングベビーという言葉を聞いたことがありますか?この記事ではシャフリングベビーの意味や特徴を解説します。また、シャフリングベビーになる原因や、発達障害などその後の成長についてもお話します。ハイハイ・つかまり立ちさせる方法、実際にシャフリングベビーを育てたママの体験談もあわせてご紹介するので、参考にしてみてくださいね。

専門家監修 | 小児科医 富田規彦
富田こどもクリニック院長。父がこの地に開業して以来、地域の子どもたちの健康を守り、すこやかな成長発達のお手伝いが出来るよう、診療全般にわたって、予防接種、育児指導などに取り組んできました。...
富田こどもクリニック院長。父がこの地に開業して以来、地域の子どもたちの健康を守り、すこやかな成長発達のお手伝いが出来るよう、診療全般にわたって、予防接種、育児指導などに取り組んできました。 少しでも多くの方達に正しい情報をお届けしたいと考えております。 富田こどもクリニックHP

目次

  1. シャフリングベビーとは?
  2. シャフリングベビーの特徴は?
  3. シャフリングベビーになる原因は?
  4. シャフリングベビーはリハビリが必要なの?
  5. シャフリングベビーのその後の成長は?発達障害の可能性も?
  6. シャフリングベビーにハイハイ・つかまり立ちさせる方法は?
  7. シャフリングベビーを育てたママの体験談
  8. シャフリングベビーかも…?慌てないで!

シャフリングベビーとは?

シャフリングベビーという言葉、聞いたことありますか?シャフリングベビーとは、上の動画のようにハイハイの代わりに座ったままの姿勢で移動する赤ちゃんのことです。「足をひきずって歩く」という意味の「shuffle」という英語に由来して、シャフリングベビーと呼ばれています。

赤ちゃんは、産まれてから5~6ヶ月頃でお座りをするようになり、そこからずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、1人歩きという順番で成長していくのが一般的です。シャフリングベビーは、基本的なハイハイという成長過程を経ずに、お座り姿勢の移動をするようになってから、つかまり立ちに移行して、歩くようになります。

医学的に見て特に珍しいことではなく、異常な行動ではありません。シャフリングをする赤ちゃんの多くが2歳頃までには1人歩きをし、正常な発達をしています(※1)。また、最近ではハイハイの一種としても認められています。

シャフリングベビーの特徴は?

シャフリングベビーにはいくつか特徴があります。ここではシャフリングベビーの特徴をあげていきますので、もし自分の子供に気になる点があればチェックしてみましょう。

うつぶせ寝を嫌がる

シャフリングベビーには、寝返りをしてもうつぶせの姿勢を嫌がるという特徴があります。うつぶせを嫌がるので、なかなかずりばいをしない赤ちゃんも多くいます。

寝返りをしない

寝返りをする時期が遅い、寝返りを嫌がってしようとしないというのもシャフリングベビーの特徴です。生後5ヶ月頃になるとほとんどの赤ちゃんが寝返りしますが、シャフリングベビーはこの時期が極端に遅く、また出来たとしても嫌がることが多くなります。

身内にシャフリングベビーだった人がいる

シャフリングをする赤ちゃんには、親や兄弟姉妹が同じくシャフリングベビーだったという特徴があります。シャフリングをするのは遺伝の影響もあると考えられています。

シャフリング以外は正常に発達している

お座りの姿勢で歩く、ハイハイをしない以外の体の発達や知能の発達には全く問題がないというのもシャフリングベビーの特徴の1つです。

足の裏を床につけようとしない

シャフリングベビーは、足の裏を床につけることを嫌がる傾向にあります。そのため、つかまり立ちをするのが遅い赤ちゃんも多くいます。

お座りの姿勢を崩さない

赤ちゃんの脇を持ち上げても、足を伸ばさず、お座りの姿勢を崩さないことが多くなります。また、お座りの姿勢から別の態勢になることも苦手な赤ちゃんが多いでしょう。

普通のハイハイをしない

一般的な四つん這いのハイハイをしません。シャフリングからハイハイに移行する赤ちゃんもいれば、シャフリングからつかまり立ち、1人歩きをするようになって、結局ハイハイをしないまま成長する赤ちゃんもいます。

歩き始めるのが遅い

歩き始める時期が、通常よりも少し遅いという特徴もあります。ただし、2歳までにはシャフリングベビーのほとんどが1人歩きをし、その後の成長には遅れがないという研究結果も出ていますのでそれほど心配する必要はないでしょう。(※1)

(1歳6ヶ月の発達については以下の記事も参考にしてみてください)

1歳6ヶ月の発育目安や育児の注意点!言葉が遅いと発達障害?体験談も

シャフリングベビーになる原因は?

シャフリングベビーになる原因については、さまざまな説があります。脚を動かすのが嫌い、脚の筋肉量が少ない、脚の裏を地面につけるのが嫌など、医学的にもはっきりとした原因はまだ解明されていません。

ただ、遺伝による影響も少なくないと考えられています。シャフリングベビーのうち40%に、親や兄弟姉妹もシャフリングベビーだったという事実が認められています(※1)。

(赤ちゃんの奇声については以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんが奇声をあげる…原因は?月齢別の大声で叫ぶ意味、対処法を紹介

シャフリングベビーはリハビリが必要なの?

多くの場合、シャフリングベビーは特に成長の発達に問題もないのでリハビリなどの対策をする必要はないと考えられています。ただ、通常の四つん這いのハイハイをしないことで、本来鍛えられるはずの筋肉を鍛えることができないのは事実です。簡単なベビーマッサージで脚の筋肉を刺激してあげでもいいでしょう。

身体能力の発達があまりにも遅かったり、検診で医師にリハビリをすることを勧められた場合は、リハビリをすることも検討した方がいいでしょう。

(赤ちゃんのハイハイについては以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんがハイハイを始めるのはいつ?練習はさせるべき?安全対策も!

シャフリングベビーのその後の成長は?発達障害の可能性も?

前述のとおり、シャフリングベビーは特に異常なものではなく、ほとんどは正常の発達の範囲内です。その後の成長も特に問題ありません。ただ、シャフリングベビーの中には、まれに自閉症や発達障害の病気の可能性がある子もいます(※2)。

シャフリング以外に、ミルクや母乳の飲みが悪い、あまり笑わない、首の座りが悪くて抱くとぐらぐらする、手や指の発達が遅い、言葉をなかなか理解しない、目線がなかなか合わないなどの症状がある場合は、早めに小児科を受診するようにしましょう。自閉症や脳性麻痺、その他の発達障害など病気の原因が潜んでいるかもしれません。

富田規彦

小児科医

シャフリングベビーの中には、座位の保持が出来てから寝返りをするようになるなど、不規則な発達をするケースがあります。多くは予後良好ですが、発達障害を伴うこともあるので、気になる点がありましたら、小児科にご相談下さい。

(子どもの自閉症については以下の記事も参考にしてみてください)

2歳4ヶ月の成長や発育目安は?子育てのコツは?自閉症の示唆などは?

シャフリングベビーにハイハイ・つかまり立ちさせる方法は?

とくにリハビリをする必要はないと言われても、やはり我が子の成長が気になってしまうのが親心というものですよね。ここでは、シャフリングベビーにハイハイやつかまり立ちさせる方法をご紹介します。気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

ハイハイ①【うつぶせの姿勢に慣れさせる】

シャフリングベビーの特徴でうつぶせを嫌がる赤ちゃんが多いですが、まずはうつぶせに慣れることが大切です。床でうつぶせするのを嫌がるのであれば、ママが仰向けになり、ママのお腹の上でうつぶせにさせてあげましょう。体が密着している状態であれば、安心する赤ちゃんも多いはずです。

赤ちゃんが落ちないようにしっかりと支え、バランスボールのような物の上にうつぶせさせてみるのもいいでしょう。この姿勢をキープさせてあげることで、ハイハイをするのに必要な背筋や肩の筋肉を鍛えることができます。

ハイハイ②【赤ちゃんの前でハイハイをしてみせる】

赤ちゃんは、成長するにつれてママの真似っこをするのがとても上手になってきます。なかなかハイハイをしてくれないなら、赤ちゃんの前でママがまずハイハイをしてみせてあげましょう。ハイハイで追いかけっこしてみたり、遊びの中に取り入れてみるのがおすすめです。赤ちゃんの好奇心を掻き立て、自分からハイハイをするようになってくれるかもしれません。

また、絵本や図鑑などで四つん這いの動物の絵や写真を見せてみるのもいいでしょう。視覚的な刺激にもなります。

ハイハイ③【色々な方向から呼びかけてみる】

シャフリングをする赤ちゃんは、座っている姿勢を崩して別の姿勢になることが苦手な傾向にあります。そこで、あえて赤ちゃんが別の姿勢になるのを促してあげましょう。正面から呼びかけるのではなく、赤ちゃんの背後や左右から呼びかけてみてくださいね。

呼びかけに早く反応するために、赤ちゃんは手を使うようになり、左右に体の重心を傾けることが上手になってきます。これを繰り返すことで、お座りの姿勢から四つん這いになることがスムーズにできるようになるでしょう。

つかまり立ち①【段差を乗り越える練習をする】

つかまり立ちをさせるには、赤ちゃんが自ら立つ意欲、歩く意欲を自然に掻き立ててあげるようにしましょう。まずは、布団などで低い段差を作り、それをよじ登る練習をさせてみましょう。少し高さのあるものを乗り越えることで、手と足の裏で体を支えることができるようになってきます。

この練習をすることで、視野が広がり赤ちゃんの立つ意欲も引き出せるはずです。ただ、赤ちゃんの転倒には十分に気をつけ、低いものを乗り越えることから始めるようにしましょう。

つかまり立ち②【赤ちゃんの足の裏を押す】

これもシャフリングベビーの特徴ですが、足の裏を床につけることを嫌がる赤ちゃんが多くいます。そこで、足の裏を床につけるのではなく、まずはママが赤ちゃんの足の裏を手のひらで軽く押してみてください。これを繰り返し、足の裏で体を支えるという感覚を覚えさせてあげましょう。

ママが床に座った状態で、ママの太ももに赤ちゃんを腰掛けさせ、赤ちゃんの足の裏をぴったり床につけさせて動いてみるのもおすすめです。練習をするうちに、足の筋肉の発達も促すことができます。

つかまり立ち③【赤ちゃんの関心を高い位置に】

赤ちゃんの興味の対象を、赤ちゃんの座高よりも高い位置にもってきてみましょう。例えば、ソファ越しにママが赤ちゃんに呼びかけてみるのもおすすめです。自分よりも高い位置に興味の対象があると、赤ちゃんはそれをのぞくために、手を床につき、お尻をあげるという動きをするようになります。

この動きを繰り返すことで、赤ちゃんは体の重心を上手に移動させ、バランスをとるという感覚を身に着けることができるようになります。

(赤ちゃんのつかまり立ちについては以下の記事も参考にしてみてください)

赤ちゃんのつかまり立ち、時期はいつから?練習法とママ達の体験談も!

シャフリングベビーを育てたママの体験談

あまり心配する必要はないと言われても、実際に我が子がシャフリングをしていると「うちの子だけ発達に問題があるのでは?自閉症なのでは?」と気になってしまいますよね。

そこで、ここではシャフリングベビーを実際に育てたママたちの体験談をご紹介します。

シャフリングベビーを育てたママの体験談①

先輩ママ(妊活経験有)

(30代前半)

娘は生後5ヶ月になっても寝返りせず、とにかくうつぶせを嫌がる子でした。生後8ヶ月になっても寝返りもハイハイもせず、他の子との成長の差が気になるように。検診に行くのも億劫になりました。他の子がハイハイで動き回る中、うちの娘はお座りの姿勢のまま。

そして、生後11ヶ月を過ぎる頃、お座りの姿勢でそのまま移動しだしたのです。この頃にようやくシャフリングベビーという言葉を知り、特に異常ではないと知り少し安心したのを覚えています。

10ヶ月頃の検診で発達に遅れがあるため「経過観察」となっていましたが、1歳3ヶ月には一人歩きもできるようになり、小児科でも問題ないと診断されました。

自分の子どもと他の子の成長の速度があまりにも違うと、どうしても気になってしまいますよね。検診で「経過観察」と言われたらなおのことです。

シャフリングベビーを育てたママの体験談②

YOTSUBA専属ライター

(30代後半)

娘は生後10ヶ月の時にシャフリングベビーと診断されました。最初のうちは、成長がとてもゆっくりで「自閉症とか何かの発達障害?」と気になっていたのですが、寝返りやハイハイをしないだけで知能的な発達については何も問題はありませんでした。

1歳を過ぎる頃にはずりばい、ハイハイ、つかまり立ちをして一人歩きもできるようになり、その後の成長は他の子にも追いつき同じペースに。今は何の問題もなく、元気に成長してくれています。

いきなりシャフリングベビーなんて言われると「病気?自閉症?」と心配になってしまいますね。シャフリングベビーと診断されても、その後の成長には全く問題がなかったというママは多くいますよ。

シャフリングベビーを育てたママの体験談③

先輩ママ(体外受精経験有)

(30代後半)

我が子がシャフリングベビーだと知り、ネット検索してみると「その後の成長が遅れたり、自閉症や発達障害も関係している」という情報が見つかり、しばらくは気が気ではありませんでした。検診の時に、医師に相談してみましたが、ハイハイ以外は特に問題もなかったので様子をみることに。

結局、1歳を少し過ぎたころに普通に歩きだし、今では当時あんなに色々と心配していたのも嘘のようです。

インターネットには有益な情報もありますが、心配を助長するような情報もたくさんあります。その成長に遅れがある、自閉症の可能性という情報が出てきても鵜呑みにせず、我が子の様子をしっかりと見守ってあげましょう。

シャフリングベビーを育てたママの体験談④

先輩ママ(人工受精経験有)

(30代後半)

娘の発達に悩み出したのは生後3ヶ月頃です。目線が合わない、笑わない、首がいつまでたってもしっかり座らない。生後8ヶ月になってもずりばいやハイハイをする気配もまったくありませんでした。お座りが安定してきた1歳2ヶ月頃にお尻で移動するように。シャフリングベビーでした。

ただうちの場合はシャフリングの他にも気になる症状があり、1歳11ヶ月の時に発達診断を受けると自閉症だと診断されました。娘の発達が遅いことや異常に手がかかる原因がはっきりと分かり、ようやく心がすっきりしました。

シャフリングをする子が必ずしも自閉症や発達障害の疑いがあるわけではありません。むしろ、この方のお子さんのように自閉症を伴うことの方がまれです。しかし、シャフリング以外に気になる症状がある場合には、この方のように原因をはっきりさせるためにも小児科医に相談するようにしましょう。

シャフリングベビーかも…?慌てないで!

周りの子と比べるのは良くないと分かってはいても、つい我が子との成長の差を比較してしまうのが親というものです。「自閉症かもしれない、発達障害かもしれない」と心配になってしまうママも多いでしょう。しかし、シャフリングベビーだからといって、慌てなくても大丈夫ですよ。

シャフリングベビーが自閉症などの病気に直結するわけではありませんし、その後の成長も問題ないとされているケースがほとんどです。赤ちゃんの成長過程は1人ひとり違います。シャフリングもその赤ちゃんの個性と言ってもいいでしょう。最近ではシャフリングもハイハイの一種だと認められています。我が子の成長を穏やかに見守ってあげるようにしましょう。

どうしても、その後の成長や他の症状が気になる場合は、小児科医に相談してみてくださいね。

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