妊婦は目薬を使っていい?胎児への影響は?アレルギー用のものは危険?

【医師監修】妊娠中でも疲れ目やコンタクトレンズ着用によるドライアイ、花粉症やアレルギー性のかゆみなど、トラブルは多いですよね。妊婦は目薬を使っていいのでしょうか。妊娠中の妊婦にとって注意が必要な市販の目薬や、お腹の赤ちゃんに及ぼす影響の可能性についてご紹介します。

( 2ページ目 )
Commentator
|
専門家監修
増田陽子
平成22年「St. Methew School of Medicine」大学医学部を卒業し、日本・米国・カリブ海の医師資格を持っています。・・・
> プロフィール詳細
Contents
目次
  1. 妊婦さんは目薬を使って大丈夫?
  2. 妊娠中の目薬による胎児への影響は?
  3. 妊婦さんに起こりやすい目のトラブル
  4. 妊娠中はアレルギー用目薬が使えない?
  5. 妊婦さんが使える目薬はあるの?
  6. 妊娠中に気を付けたい症状
  7. 妊婦さんの目のケア方法
  8. 妊婦さんも正しく目薬を使えば安心

妊娠中は目のトラブルも、まずかかりつけの産婦人科へ相談しましょう。産婦人科の医師であれば、妊婦さんが使用しても大丈夫な目薬を適切に処方してくれます。必要があれば眼科の医師を紹介してもらいましょう。

どのような薬でも赤ちゃんへの影響が絶対にないとは言い切れないため、医師が大丈夫だと判断した目薬を使用することが大切です。妊娠前から使用している目薬がある場合にも、一度医師へ相談してから使った方が安心ですね。

(妊娠中の花粉症については下記の記事も参考にしてみてください)

妊婦の花粉症はいつもより酷い?対策は?薬服用や目薬はいい?予防法も! |

妊婦さんが使える目薬はあるの?

コンタクトで目がゴロゴロしたり、花粉症で目がかゆくなったり、目薬で解消できるような目のトラブルは日常的に起こります。妊娠中はまずかかりつけ医に相談して目薬を処方してもらうのが一番ですが、薬局やドラッグストアに並ぶ市販の目薬が全く使えないというわけではありません。

妊娠中に市販の目薬を選ぶときにはどんな注意が必要なのか、見ていきましょう。

妊婦さんも使える市販の目薬とは

市販の目薬にもいろいろな種類がありますよね。コンタクト用目薬などの目の潤いを保つために作られている多くの市販の目薬は、妊娠中に使っても大丈夫とされています。市販の目薬を購入するときは商品の注意書きを必ず確認しましょう。薬剤師に相談できればなお安心できますね。

妊娠中に市販の目薬を使うときの注意点

先に記したように、妊婦さんが使用してはいけない成分を含んでいる市販の目薬もあります。また「妊娠中の使用は医師と相談の上使用してください」と書いてあるものも。そうした目薬については自己判断での使用は控えた方が良いでしょう。

微量とはいえ薬の成分が気になる妊婦さんもいますよね。目薬をさしたあとに目頭を1分程度軽く抑えることで目薬が喉の方へ流れるのを食い止めます。それによって薬液が涙道を通って喉元で吸収されるのを防ぐことができるでしょう。気になる方は実践してみてくださいね。

増田陽子

内科医/救急医

また妊娠初期の内に、担当の産婦人科医師に普段から使用している目薬を見せて、相談しておくのもいいでしょう。

妊娠中に気を付けたい症状

目の症状の中には、疲れ目や花粉症によるかゆみなどのわかりやすい症状以外に、注意してほしい症状があります。「閃光感(せんこうかん)」という目がチカチカする症状です。これは目の前に火花が散ってチカチカとすることをいいます。妊娠中にこの症状を感じたら要注意。

単なる疲れ目でチカチカするのであれば目をしっかり休めるよう努めることですが、妊娠中はほかの疾病を原因としている可能性もあるのです。

妊娠中の目がチカチカする症状

目がチカチカしやすい疾病に貧血があります。妊娠中は鉄分が不足しがちになり、妊婦検診で貧血を指摘された妊婦さんも多いのではないでしょうか。妊娠中はできるだけ食生活の中で鉄分を多く摂取し、場合によっては鉄剤の処方を受けるなどして貧血防止を心掛けてください。

また、妊娠高血圧症候群の妊婦さんに目がチカチカする症状が出たときには注意が必要です(※2)。目のチカチカする症状と頭痛やむくみの症状が併発している場合には、子癇(しかん)発作の可能性も。けいれんや意識障害を及ぼす可能性がある危険な状態ですので、健診を待たずにかかりつけ医へ受診しましょう。

妊婦さんは早めの受診を