陣痛の始まりには下痢も起こる？痛みの間隔の変化や前兆について解説

黄体ホルモン（プロゲステロン）は、安定して妊娠を継続させるために妊娠初期段階から多く分泌される女性ホルモンです。妊娠していない状態では通常生理の周期に合わせて増減を繰り返しますが、分泌量が多すぎると月経前症候群や吹き出物、水分をため込もうとする性質から「便秘」などの原因となります。

それまで抑えられていた子宮の筋肉の収縮が、黄体ホルモンが減少することにより、少しずつ痛みが現れてきます。これが陣痛の前兆である前駆陣痛です。後程詳しくご説明しますが、まだ本当の陣痛ではありません。出産に備えての準備のための陣痛で、通常はすぐに出産へ移行する痛みではありません。

お産は十人十色といわれます。「下痢から始まる陣痛」を体験された妊婦さんも、皆さんまったく同じような経過で出産に至ったわけではないようですが、下痢と陣痛の痛みは似ていて、最初に判別が難しかったという場合も多いようです。

●下痢になってから陣痛に気が付いた
●下痢の痛みでトイレに行ったけれど何も出ず最初は陣痛だと気が付かなかった
●陣痛中に下痢になった

陣痛の始まる場所が下腹部に近いため、下痢の痛みとの違いが分かりづらいためです。また、陣痛の始まりは、不規則で耐えられないような痛みではないのも、判断を難しくしがちです。

（臨月の下痢については以下の記事も参考にしてみてください）

下痢は、臨月に入り出産が近づくとよく起こる症状ですが、5日以上続く場合や、毎週半分くらいが下痢の場合は病気になっている可能性もあります。陣痛の前兆としてだけで考えず、下痢以外でも体調の異常を感じるようでしたら、特に注意すべき「便の色」と合わせて、以下の症状がないかチェックしてみましょう。

●赤、黒、白といった普段と色が違う
●熱、吐き気、嘔吐
●臭いが酸っぱい

色が赤、黒といった場合は、消化器系のどこかで出血している可能性があります。貧血の薬を飲んでいる妊婦さんは、吸収されなかった成分がそのまま出て便が黒い場合があるので医師に確認するとよいでしょう。

便の色が白い場合は、ウイルス感染が疑われます。他の症状があった場合は、脱水状態にならないように水分補給をしっかりとして受診しましょう。また、下痢が治まっていても、便の色が改善されない場合も病院で診てもらいましょう。

陣痛の間隔は、出産までの時間を計る手がかりになります。陣痛の痛みを感じ始めたら、必ず時間を記録しましょう。

痛みの回数、間隔、長さを計ることで、痛みに規則性があるかが見極められ、病院へ行くタイミングが分かります。とはいっても、なかなか痛みを感じる中、冷静に時間や間隔を記録するのは大変です。事前に陣痛チェッカーのような便利なアプリを準備しておくのもよいでしょう。

陣痛の始まりは、規則正しくくるとは限らないので、初めは1時間に何回きたか「回数」を計りましょう。

陣痛が1時間に6回以上であれば10分間隔ということです。定期的に陣痛を感じるようになったら、間隔を記録しましょう。陣痛の始まりから次の陣痛の始まりの時間を計ります。陣痛が10分間隔になったら病院へ来るように指導される場合が多くありますが、指導どおりに対応するようにしましょう。