陣痛の始まりには下痢も起こる?痛みの間隔の変化や前兆について解説

【医師監修】臨月を迎えるといよいよとなる赤ちゃんとの対面。そして、この時期最も気になるのが「陣痛の始まり」です。いつ、どのように訪れるのでしょう?下痢かと思ったら陣痛だったという経験をされた方も多くいます。今回は「陣痛の始まり」についてご紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 陣痛の始まりには様々な体の「変化」が!下痢になるのはなぜ?
  2. 陣痛の間隔
  3. 陣痛の始まりからの痛み方の変化
  4. 陣痛とは?
  5. 陣痛の始まりに見られる代表的な「前兆」
  6. 陣痛の始まりから出産まで
  7. 3種類の陣痛
  8. 心の準備をして落ち着いて待ちましょう

前駆陣痛と本陣痛とでは痛みを感じる場所が違います。お腹の前部や下腹部のあたりに下痢や重い生理のような痛みがあるのが前駆陣痛です。また、痛みを感じる際に、規則性があるかどうかも重要なポイントです。

前駆陣痛の場合は不規則で、姿勢を変えることで痛みが遠のいたり、また、痛みが長く続いたりしません。前駆陣痛の状態で病院に行くと帰される場合も多いので、陣痛の間隔を正確に測るようにしましょう。

「本陣痛」本格的な出産の始まり

本陣痛とは、赤ちゃんがこれから産まれでてくるために子宮が強く収縮することで母体が感じる痛みのことです。痛みは周期的で初めは耐えられる範囲の痛みが、徐々にコントロールできない強い痛みに変わってきます。本陣痛の経過は3段階(4項目)に分かれ、陣痛の間隔や継続時間も変わっていきます。

●「開口期」(潜伏期)子宮口が4㎝位に開くまで:5~10分間隔30~40秒
●「開口期」(活動期)子宮口が全開大10㎝になるまで:3~5分間隔1分位
●「娩出期」赤ちゃんを産み出すまで:1~2分間隔60~90秒
●「後産期」胎盤や臍帯が排出されるまで:所要時間15~30分

潜伏期は個人差もありますが、平均8~10時間程度陣痛が続き、活動期に入ると多くの妊婦さんが破水します。娩出期の平均時間は1~2時間ほどです。後産期では娩出後も本陣痛は続きますが、赤ちゃんを産む痛みのほうが強いので耐えがたい痛みではなく、胎盤や臍帯が排出する違和感として感じることも多いようです。

カズヤ先生

産婦人科医

潜伏期はゆっくりと進みますが、活動期になれば急激に分娩が進行していきます。 特に経産婦さんは、あまり自覚がないうちに潜伏期をすぎてしまっていて、産科に着くまえに自宅分娩や車中分娩になるケースも稀にあり非常に危険です。 自宅で待機していて、陣痛かなと思ったらすぐに産婦人科に連絡しましょう。

「後陣痛」出産後の痛み

後陣痛とは出産後におとずれる痛みのことで、子宮が妊娠前のもとの大きさに戻るために収縮しようとするはたらきをさします。痛みの期間は平均2~3日程度ですが長引く場合には一週間ほどかかります。

経産婦の方が初産時に比べて子宮の収縮が大きく、より痛むと言われています。無痛分娩、帝王切開で出産した場合でも、子宮が元に戻ろうとするのは同じため、後陣痛の痛みを感じます。

カズヤ先生

産婦人科医

後陣痛は分娩の一連の流れの中でも非常に重要な要素です。 胎盤が娩出したのちに、後陣痛により子宮が収縮し、出血が止まります。 この後陣痛がなければ、弛緩出血といって分娩後の子宮からの出血が止まらなくなり、母体は非常に危険な状態になります。

(陣痛の痛みについては以下の記事も参考にしてみてください)

陣痛はどんな痛み?陣痛の始まり方や長さは?和らげる方法はある?

心の準備をして落ち着いて待ちましょう

出産という大イベントを前に、いつ、どのように陣痛が始まるか分からないのは不安になってしまいますよね。お産は十人十色といいますが、いきなり強い痛みから始まって、すぐ出産とは通常なりません。実際には身体に様々な前兆が現れ、陣痛も段階を経て、お産へと進んでいきます。

病院へ向かう準備は事前に整えておきましょう。あとは、赤ちゃんと会える瞬間を心に描いて落ち着いて前兆を待ちましょう。