妊娠中は膀胱炎になりやすい!無症状の場合も?治し方は?放置は厳禁!

【医師監修】膀胱炎(ぼうこうえん)は女性がかかりやすい病気です。特に妊娠中は膀胱炎になりやすいといわれていますが、無症状の場合もあるのでしょうか。胎児に影響する恐れもあるため放置は厳禁です、治し方や予防について先輩ママの声やドクターの指摘を交えて説明します。

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専門家監修
渡邉恵里
平成19年卒、小児科医。現在は、精神科クリニックで子どもの発達や心の問題に取り組んでいます。
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Contents
目次
  1. 膀胱炎って?
  2. 膀胱炎にはどんな症状があるの?
  3. 妊娠超初期にこそ膀胱炎になりやすい
  4. 血尿の症状が出たら膀胱炎?
  5. 妊娠中に膀胱炎になってしまったときの治し方
  6. 膀胱炎になったまま放置するとどうなるの?
  7. 妊娠中膀胱炎を予防するためにはどうすればいい?
  8. 妊娠中は少しでも違和感を感じたら医療機関を受診しよう

膀胱炎って?

膀胱炎とは、膀胱内に細菌が入り、その細菌が付着し感染することによって起こる病気です。その8割は大腸菌が原因とされています。膀胱炎は大きく分けて急性膀胱炎と慢性膀胱炎の2つに分けられます。女性がかかりやすいのは急性膀胱炎です。

男性よりも女性の方が膀胱炎にかりやすいとされています。女性の方が男性より尿道が短いため、細菌が膀胱に入りやすく繁殖しやすいのが原因です。特に妊娠超初期は妊娠したことによる身体の変化に対応するために免疫力が下がっていることもあり、感染しやすくなります。(※1)

膀胱炎にはどんな症状があるの?

膀胱炎には排尿時に軽い痛みなどの違和感や、排尿中から排尿後にかけてヒリヒリとしみる感覚があります。その他に頻尿や残尿感、尿が白っぽく濁るなど尿の色の変化、血尿、下腹部の痛みなどの症状もあります。尿にドロッとした濁りがあったり、いつもよりも臭いがきつかったりすることも膀胱炎の症状のひとつです。

膀胱炎が原因で発熱することは珍しいですが、我慢しすぎてしまうと他の病気を併発して熱が出ることもあります。膀胱炎を治療せずに発熱や腰痛の症状が出た場合、細菌が腎臓の腎盂という部分にまで広がり、腎盂腎炎を発症している可能性があるのです。正しい治し方の知識を身につけ、そのような症状がある場合はすぐに病院を受診しましょう。

妊娠超初期にこそ膀胱炎になりやすい

妊娠すると膀胱炎にかかる妊婦さんが多いのはなぜなのでしょうか、どうして妊娠超初期にかかりやすいのかをみていきましょう。

女性がかかりやすい膀胱炎は、妊娠するとさらにかかりやすくなる

女性がかかりやすい膀胱炎は、妊娠するとさらにかかりやすくなるといわれています。原因は免疫力の低下です。妊娠すると、おりものの量が増えて外陰部を清潔に保ちにくくなりがちです。このため細菌が繁殖しやすくなるのです。

妊娠すると子宮も次第に大きくなってくるため、膀胱が圧迫されて膀胱炎になりやすいともいわれています。子宮が大きくなる妊娠中期から後期をイメージしがちですが、妊娠超初期の頃は子宮で大きな変化が起きているので、妊娠超初期だからこそかかりやすい病気といえるでしょう(※1)。

妊娠すると便秘で悩む妊婦さんは多いですが、膀胱炎で悩む妊婦さんも少なくありません。


(妊娠初期の体調の変化については以下の記事も参考にしてください)

妊娠超初期のおりものの特徴は?色やにおいは生理前とどう違う?危険な状態もある?
妊娠超初期症状の17の特徴!妊娠の兆候はいつから現れる?

無症状で膀胱炎になっていることも

膀胱炎の症状はさまざまです。痛みを伴った排尿や血尿などわかりやすい症状が出れば自覚しやすいでしょう。しかし、妊婦さんによって個人差があるため無自覚のうちに膀胱炎になっていることもあります。症状が軽いと、排尿時と排尿後に痛みを感じなかったり、膀胱炎特有の残尿感などがなかったりする妊婦さんもいるようです。

血尿の症状が出たら膀胱炎?

妊婦さんに限らず血尿が出たら、誰でも怖いですよね。血尿は膀胱炎の症状のひとつ。しかし、血尿が出たからといって膀胱炎だとは決められません。妊娠がすすみ胎児が大きくなるにつれ、子宮が大きくなり、腎臓が圧迫されます。それが原因で血尿が出ることもあるようです。血尿が出たから膀胱炎だと自己判断で決めつけないようにしましょう。(※2)