虹彩異色症(オッドアイ)とは？人間でなる確率・瞳の実例【画像】も！

オッドアイをご存じでしょうか？特に白猫によくみられる、左右で目の色が違う現象のことをいいます。上の写真では、右目が青、左目は金色になっていますね。個性的で神秘的なオッドアイですが、人間でも起こる現象です。あまり見かけませんが、日本人でもオッドアイの人がいるんですよ。この記事では、そんなオッドアイについて解説します。

「オッドアイ」の「オッド」とは、英語のoddを指します。これは風変わりな、奇妙な、という意味のほかに片方の、または不ぞろいな、という意味をもつ単語です。医学的な正式名称は「虹彩異色症（heterochromia、ヘテロクロミア）」といいます。「症」とついているので病気のように聞こえる名前ですが、ほとんどの場合視力には異常がありません。

前述の通り、オッドアイは猫によくみられる現象ですが、どんな動物でも起こる可能性があります。もちろん、人間でも日本人でも例外ではありません。とても神秘的で綺麗なオッドアイの人間は、モデルや俳優などになったら人気が出そうですが、あまり見かけることはありませんよね。人間では、虹彩異色症は非常に少ないのです。

珍しいオッドアイですが、どういった原因で起こるのでしょうか。生まれつきの場合（先天性虹彩異色症）と、事故や病気による場合（後天性虹彩異色症）が考えられます。まずは目の色が決まる仕組みから順番に解説していきます。

目の色を出しているのは、肌や髪の色にかかわってくるのと同じメラニン色素です。メラニン色素が多いと目の色は黒や茶色になり、逆に少ないと青や緑になります。日本人は黄色人種なので、メラニン色素は比較的多めです。目の色も茶色や黒の人が多いでしょう。一方、肌の白い白人は青い目の人が数多くいます。

先天性虹彩異色症の原因の一つは、胎児の頃に起きる色素トラブルです。これは、母親のお腹の中にいるとき、本当であれば均一に配分されるはずの色素が、目の部分でたまたま均一にならなかった、という偶然によります。生まれつきほくろ（黒あざ）や白斑がある人に近いですね。この場合、色素が偶然出なかっただけなので、見た目以外の異常はありません。

もう一つの先天的な原因として、ワールデンブルグ症候群などといった遺伝子疾患が挙げられます。ワールデンブルグ症候群は親から遺伝するほか、遺伝子の突然変異によって起こることがあり、視力ではなく聴覚に障害を起こすことの多い病気です。この疾患の方は虹彩異色症だけでなく、髪も一部だけ白いなどの特徴がある場合があります。

後天性の虹彩異色症についてはどうでしょうか。こちらには、有名なもので緑内障や、事故や腫瘍などで目の神経が圧迫されてしまうホルネル症候群、感染症やリウマチなどが原因となる虹彩毛様体炎などがあります。ほかにも放射線など様々な理由で片方の虹彩が傷つけられると、オッドアイになる可能性があります。

白猫では25%が生まれつきオッドアイであると言われています。人間の虹彩異色症はどうなのでしょうか。特に日本人ではあまり見かけませんが、どのくらいの確率なのか気になりますよね。

人間の虹彩異色症の確率は非常に低く、日本人では1万人に1人程度と言われています。日本人を含む有色人種よりも白色人種の方が確率は高く、1万人に6人ほど。しかし、病気ではない場合もあり、すべてが報告されているわけではないため、正確な統計はされていません。この確率もだいたいの数字と思った方がよいでしょう。どちらにせよ、非常に低確率です。

また、虹彩異色症は一部の例外を除き遺伝はしません。遺伝するのは、上で紹介したワールデンブルグ症候群のような遺伝子疾患が原因の場合です。たまたま色素が均一にならなかったタイプの虹彩異色症は、子供には受け継がれません。親子でほくろが同じ場所にないのと同じですね。