羊水過少症とは?原因や症状は?羊水が少ないと障害が残る?体験談あり
【医師監修】羊水はお腹の赤ちゃんを守ってくれる大切なものです。羊水の量が少ない状態になることを羊水過少症といいます。羊水が少ないと胎児の発育に影響が出るかもしれません。羊水過少症の原因や症状とはどんなものでしょうか。予防法や治療法についても、体験談を交えながら紹介します。
羊水はどんな働きをする?

妊娠初期の羊水は胎盤や卵膜の分泌です。妊娠中期以降になると、そのほとんどは赤ちゃんのおしっこだといわれています(※1)。胎児を守る羊水には、どのような役割があるのか説明していきましょう。
リエ先生
産婦人科医
羊水は赤ちゃんにとって非常な大切な役割を持っています。喫煙は羊水過少になるだけではなく、赤ちゃんの発育遅延や、早産の原因にもなるため、妊娠されている人はこれを機に禁煙にトライしてみましょう。
羊水の働き【胎児の成長を助ける】
赤ちゃんは胎内で臓器を形成していきます。羊水には、その成長を助ける物資が含まれているのです。お腹の中で胎児は羊水を肺に出し入れする呼吸のような運動をします。それを繰り返すことで肺が成熟していく仕組みです。
羊水は保水成分に大変すぐれており、胎児の皮膚を守ってくれます。胎児手術を受けた赤ちゃんの傷が治って生まれることから、創傷治癒の効果もあるそうです。
羊水の働き【胎児の体温を保つ】
羊水には胎児の体温を安定させる役割もあります。羊水があることで、外気や母体の体温からの影響を直接受けません。羊水の温度が変わることで胎児の血流に影響し、胎児が体温を保てるようにします。
羊水の働き【衝撃から胎児を守る】
羊水は体内で成長する赤ちゃんの運動スペースを確保しています。体を自由に動かすことで、胎児の筋肉や骨の成長につながるのです。妊婦にとって、お腹をぶつけるのは怖いですよね。外からの圧力に対しても、羊水によって衝撃を和らげることができます。
羊水過少症とは

胎児を成長させ、衝撃から守るために羊水はとても大きな役割を果たしています。胎児の生命維持には欠かせないといえるでしょう。羊水の量は妊娠週数を重ねるごとに増えていき、30週ころにはピークを迎えます。その量は約800mlです。それからは出産に向けて少しずつ量が減ります。
赤ちゃんの成長のために、羊水は必要な量が決まっています。羊水の量が100mlを下回ってしまうのが「羊水過少症」です。超音波の検査で羊水量が少なめと判断されたり、週数よりもお腹が小さい時に羊水過少症と診断されます。双子など多胎妊娠の場合でも、どちらかが羊水過少症となってしまうかもしれません。(※2)
リエ先生
産婦人科医
羊水過少はお母さんに原因がなく起こることもあります。思い込み過ぎず、ゆったりとした気持ちで過ごすことも大切です。
羊水過少症になる原因は?

羊水過少症になると、 適正な羊水の量が保てなくなります。これでは、胎児の発育に大きな影響を与える原因にもなりかねません。どのような原因で羊水過少症になってしまうのでしょうか。
母体が原因で羊水過少症になる場合
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