早期破水・前期破水とは?原因や症状、見分け方は?治療の流れや予防法も

【医師監修】妊娠してお腹が大きくなってくると、破水のことが気になります。破水には早期破水と前期破水があります。この二つはどう違うのでしょうか。早期破水と前期破水の原因、見分け方、治療の流れ、予防法について、先輩ママの体験談や産婦人科医の指摘を基に説明します。

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専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
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Contents
目次
  1. 早期破水、前期破水とは
  2. 早期破水、前期破水の原因
  3. 早期破水、前期破水の症状
  4. 早期破水と前期破水の見分け方
  5. 早期破水、前期破水の治療の流れ
  6. 早期破水、前期破水の予防法
  7. 早期破水は心配しないで!前期破水はなるべく予防

早期破水の後、なかなか陣痛の間隔が短くならず分娩が進行しなかったため、陣痛促進剤を使用して出産になったケースです。陣痛が起きていてもなかなか分娩が進まない場合は、出産時のママの体力を考えて陣痛促進剤を使うことがあります。

前期破水の治療の流れ

前期破水の治療の流れは、前期破水がどの時期に起こったかによって変わります。

陣痛が起きていない状態ということは、そのまま放っておくと陣痛が開始せず、羊水だけが流れ出ていくことになります。 この場合は子宮内の羊水の減少や胎児への感染という面で、大きなリスクがあります。このため、胎児が十分に育っていると判断される正産期の前期破水であれば、陣痛促進剤を使用して出産を促します。

女性

30代前半

朝トイレに起きたら「バシャッ!」と大量の水が。まさか尿漏れ?一瞬混乱したけど、すぐに破水だと気づいて病院に直行。そして病院では陣痛がぜんぜん始まらない。破水翌日の朝から陣痛促進剤を飲むことに。

少しずつ投与したから「分娩になるまで時間がかかるかも」といわれたけど、わりと効きがいいタイプ?だったようで翌日には陣痛が始まって、無事産まれたよ。

一方、正産期より早い時期での前期破水では安静状態で入院します。できるだけ赤ちゃんが育つのを待ち、分娩が開始しないようするためです。

YOTSUBA読者

30代後半

子宮頚部の手術経験がある私は「ハイリスク妊婦」。先生からも「安静にしていても突然の破水があるかもしれないよ」と注意はされてたけど、張り止めも点滴したばかりだったのに25週でまさかの破水。病院にいたとはいえパニックに。あとは「分娩が始まらないように」ひたすら祈るだけ。

張り止めと抗生剤の点滴をしてたけど、羊水が減ってしまったから「あまり長くはお腹にいられないだろう」だって。結局、陣痛がいきなり短い間隔で始まって緊急帝王切開で何とか出産になりました。

子宮頸管が弱い妊婦さんは、前期破水や早産のリスクも高くなります。できるかぎり赤ちゃんが育った状態で出産できるのが望ましいです。それでも破水してしまったり、分娩が開始してしまうことはあります。分娩、出産が早まった場合の対応について、病院の説明をよく聞いておきましょう。NICU(新生児集中治療室)のある病院への搬送なども考えられます。


リエ先生

産婦人科医

破水してしまうと、卵膜にあいた穴が塞がることは基本的にはないといわれています。破水によって早産となる可能性の他にも、週数によっては、赤ちゃんの肺が育たず呼吸できなかったり、関節が固くなってしまったり、赤ちゃん自身も感染症になってしまう危険性があります。

(早産については以下の記事も参考にしてください)

妊娠31週の妊婦・胎児の状態は?症状と注意点!早産の可能性は?

早期破水、前期破水の予防法

前期破水はリスクも大きいため、できることなら予防したいものです。早期破水についても、できるだけ陣痛から分娩、出産を迎えたいと考えている方は多いでしょう。ここでは破水の予防法について説明します。

早期破水、前期破水の予防法【性感染症に注意】

前期破水の原因でもっとも多いのが性感染症で注意しましょう。性感染症から子宮頸管が炎症を起こすと、子宮で赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れやすくなり破水のリスクが高まります。パートナーにも協力してもらい、感染を防ぎましょう。

早期破水、前期破水の予防法【子宮への刺激を控える】

子宮への刺激を控えましょう。お腹の張りが強い時期や医師から注意を受けている時期の性行為は子宮に急激な刺激を与えてしまい、破水につながるリスクがあります。こちらもパートナーの理解が不可欠です。くれぐれも無理をしないようにしましょう。

(妊娠中の性行為については以下の記事も参考にしてください)

妊娠中の性行為はいいの?胎児への影響は?初期〜後期、時期別の注意点!

早期破水、前期破水の予防法【自分の状態を把握】

自分の状態を把握しましょう。早産の傾向がある人や子宮頸部を手術した経験のある人は前期破水になりやすいといわれています。また多胎妊娠や羊水が多い場合も子宮内に圧力がかかりやすいために前期破水になる可能性が高いです。担当医に指摘された場合は、前期破水になりやすいということを自分で把握し、指示に従って生活するようにしましょう。