つわりとケトン体の関係性とは?妊娠悪阻と診断される数値や治療法など解説

【医師監修】苦しいつわりで困っている妊婦さんに向けてつわりとケトン体の関係性をはじめ、ケトン体が与える母体・胎児への影響などを紹介します。ケトン体の検査方法・検査結果の見方、妊娠悪阻と診断されるケトン体の数値の目安、ケトン体の数値が高い場合の治療法もくわしく紹介します。

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Contents
目次
  1. ケトン体とは?
  2. つわりとケトン体の関係性は?
  3. ケトン体は母体や胎児に悪影響?
  4. ケトン体の検査方法と検査結果の見方は?
  5. 妊娠悪阻と診断されるケトン体の数値の目安は?
  6. ケトン体の数値が高い場合の治療法
  7. つわりがひどい時はケトン体の検査をしてみよう!

ケトン体がお母さんの身体やお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼすということは確認されていません。最近では、赤ちゃんはケトン体もエネルギーにして育つことができるという研究結果も出ています。重いつわりはつらいですが、赤ちゃんに影響がないと分かると安心ですね。

ケトン体の検査方法と検査結果の見方は?

ここまではケトン体が妊婦さんとお腹の赤ちゃんにどう影響するかを紹介してきました。それでは、ケトン体が出ているかどうかは実際にはどのように調べたらいいのでしょうか?検査方法と結果の見方について紹介します。

ケトン体検査はつらいつわりでも簡単!

ケトン体の検査は試験紙に尿をかけて行います。このとき、もし何か服用している薬があったら問診表などできちんと申告しましょう。服用した薬の成分が尿に含まれていると、試験紙が反応して本当は陰性なのに陽性の結果が出ることがあります。

ケトン体の検査キットは市販されているものもありますが、多くはダイエットのために作られたものです。つわりで困っている人は、すぐに必要に応じて処置してもらえるように、苦しいでしょうができるだけ病院で検査を受けましょう。

検査結果の見方

ケトン体試験紙は、尿にケトン体が含まれていない陰性だと何も変わらず白色です。「1+」「2++」「3+++」など、陽性の度合いは大きくなるにつれて色が濃く変化していきます。試験紙によって、薄い紫色から濃い紫色へと変わるものや薄いオレンジ色から濃いピンク色に変わるものがあります。

ケトン体は健康な人の尿にも多少含まれているものなのですが、試験紙が陽性になるほどではありません。陽性の結果が出るということは、普通よりも多くケトン体が含まれているということなのです。また、陽性反応が出るときは胃腸の消化吸収のトラブルや発熱があったり、糖尿病や甲状腺の病気の可能性も考えられます。

病院で検査するのが理想的ですが、市販の試験紙で検査した場合も陽性反応が出たら健診時にそれについても伝えてみましょう。

増田陽子

内科医

ケトン体の値がハッキリ出た場合には、体の異常を表しています。ですので、直ぐに病院へ行き適切な治療を受けましょう。

妊娠悪阻と診断されるケトン体の数値の目安は?

尿にケトン体が出ていると、数値によっては妊娠悪阻(にんしんおそ)と診断されます。ここでは妊娠悪阻と、そのように診断されるケトン体の数値の目安について紹介します。

ひどく重いつわり「妊娠悪阻」

毎日のようにつわりの症状があり、これが重篤な状態を「妊娠悪阻」といいます(※2)。全身のだるさや頭痛、食欲がなく食べても吐いてしまうなどつらい状態が毎日続くと、食事や水分が摂れずに脱水症状や栄養失調状態に陥ってしまいます。このようなつわりの症状がある場合は、早めに病院で相談するようにしましょう。

妊娠悪阻と診断されるケトン体の数値の目安