つわりとケトン体の関係性とは?妊娠悪阻と診断される数値や治療法など解説

【医師監修】苦しいつわりで困っている妊婦さんに向けてつわりとケトン体の関係性をはじめ、ケトン体が与える母体・胎児への影響などを紹介します。ケトン体の検査方法・検査結果の見方、妊娠悪阻と診断されるケトン体の数値の目安、ケトン体の数値が高い場合の治療法もくわしく紹介します。

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Contents
目次
  1. ケトン体とは?
  2. つわりとケトン体の関係性は?
  3. ケトン体は母体や胎児に悪影響?
  4. ケトン体の検査方法と検査結果の見方は?
  5. 妊娠悪阻と診断されるケトン体の数値の目安は?
  6. ケトン体の数値が高い場合の治療法
  7. つわりがひどい時はケトン体の検査をしてみよう!

妊娠悪阻と診断されるケトン体の数値はおよそ「2+」からです。後ほどくわしく紹介しますが、通院治療または入院治療が必要とされます。つわりは多くの妊婦さんが経験する症状ですが、妊娠悪阻はつわりを経験する妊婦さんのうち1,000人に1人から5人程度の「病気」です。自己判断はせず、病院で診てもらうようにしましょう。

男の子ママ

30代前半

つわりが始まってから何ヶ月も吐き続けた私。ついに血を吐くようになってしまったので病院で検査を受けたら、ケトン体「2+」で妊娠悪阻と診断されました。その日から1週間入院して治療を受けました。

「長い期間吐き続けて栄養が摂れていない」「体重が減った」などの症状があったら、検査を受けてみることをおすすめします。

(妊娠悪阻については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠悪阻とは?つわりとは違う?原因や症状、治療法は?実体験あり

ケトン体の数値が高い場合の治療法

ここでは、ケトン体の数値が高く妊娠悪阻と診断された場合の主な治療法を3つ紹介します。

治療法①吐きつわりで不足している栄養を点滴で補給

治療法1つ目は点滴です。食事や水分が十分に摂れず飢餓状態になってしまった身体に、水分やブドウ糖、ビタミンや電解質(カリウムなど)を投与します(※2)。「電解質」とは、筋肉や神経の細胞の働きに関わる重要な物質です。複数回通院したり、症状によっては入院したりして1回2時間ほどの点滴を行います。

つわりの場合、点滴は全額自己負担となるのですが、妊娠悪阻と診断されると保険が適用されます。

(つわりの治療については以下の記事も参考にしてみてください)

つわりに点滴の効果はある?費用は?赤ちゃんに影響は?体験談あり

治療法②ひどいつわりでも食べられるものから食べる食事療法

治療法2つ目は食事療法です。消化によい食べ物や水分を少しずつ、何回かに分けて摂ってみる方法です。吐き気を感じない、無理なく食べられるものから始めてみましょう。温かい食べ物は香りがたちやすく、においつわりの人には苦しいです。香りの少ない冷たいもの、例えば果物や冷製のスープなどから食べてみるのをおすすめします。

治療法③漢方薬などの薬を服用

治療法3つ目は薬の服用です。妊娠悪阻が起こりやすい妊娠5~16週目あたりは、お腹の赤ちゃんの内臓が作られる大切な時期なので本来できるだけ薬は使わずに治療します。けれども点滴をしても吐き気などの改善が見られない場合、吐き気止めや漢方薬などを処方されることがあります。

事務職

30代半ば

重度の妊娠悪阻と診断された私。わらにもすがる思いで飲んだ漢方薬が効いてくれて、効果の持続する間は普通の生活ができるようになりました!うまく3回飲み続けないと…。

漢方薬は確かに副作用が少ないとされています。けれども、ドラッグストアや薬局で買ったものを自分の判断で試すことは、妊娠中には止めておきましょう。

(つわりの治療については以下の記事も参考にしてみてください)

つわりで入院…目安は?期間や費用は?保険は適用される?体験談あり