HELLP(ヘルプ)症候群とは?症状・原因は?診断基準や胎児への影響など解説

【医師監修】妊娠後期にみられるHELLP(ヘルプ)症候群とはどんな病気でしょうか。あまり知られていないだけに心配です。症状、原因、診断基準、母体や胎児への影響などHELLP症候群について、先輩ママの体験談やドクターの助言を交えて解説します。参考にしてください。

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Contents
目次
  1. HELLP症候群とは?
  2. HELLP症候群の症状・原因は?
  3. HELLP症候群の診断基準
  4. HELLP症候群の治療法
  5. HELLP症候群を発症した場合の産後の母体、胎児への影響は?
  6. HELLP症候群に似た病気は?
  7. HELLP症候群を発症した人たちの体験談!
  8. 妊娠中のHELLP症候群の兆候に気付こう!

カズヤ先生

産婦人科医

HELLP症候群の多くは、妊娠高血圧に伴う弛緩発作に連動して発症します。 合併症としては、子宮内胎児発育遅延、常位胎盤早期剥離、血液凝固異常、肺水腫、網膜剥離などで、どれも非常に危険な合併症です。

(妊娠中毒症については以下の記事も参考にして下さい)

妊娠中毒症とは?原因・症状は?食事などでむくみを予防する方法や胎児への影響など解説

HELLP症候群の治療法

HELLP症候群と診断された場合、基本的には妊娠を中断(ターミネーション)させる方法がとられます。妊娠34週以降で胎児の成長が順調な場合は、帝王切開で分娩します。母体と胎児の状態を慎重に観察しながら、分娩のタイミングを計る必要があります。

HELLP症候群の直接的な治療法ではありませんが、母体の状態を安定させるためにステロイドを投与することがあります。未熟な胎児の肺機能の成熟をたすける役割もあり、HELLP症候群には有効な手段です。

HELLP症候群を発症した場合の産後の母体、胎児への影響は?

HELLP症候群で出産した場合、産後すぐに数値が基準値に落ち着くわけではありません。母体も赤ちゃんも慎重に経過を見守る必要があります。母子ともに合併症を引き起こす可能性もあるからです。

HELLP症候群・産後の母体の状態は?

HELLP症候群で産後の母体の状態は合併症の危険に直面します。血圧の管理や水分バランス、子癇への注意をしなければなりません。例えば急性腎不全や肺水腫、播種(はしゅ)性血管内凝固症候群(DIC)などのリスクが考えられます。しっかりとした管理のもとで適切な治療法を行いながら経過を見守る必要があります。(※1)

HELLP症候群・産後の胎児への影響は?

HELLP症候群で産後の胎児への影響は、死産になったり産後1週間以内の新生児の死亡したりします。その確率は7~20%にもなります。HELLP症候群の胎児への直接的な影響は不明ですが、早産になる可能性が高いほか、発育不全や呼吸器の障害など様々な合併症になる恐れがあります。(※1)

産後は新生児集中治療室(NICU)で経過を観察することになります。分娩の時期によってはとても小さく生まれることもあります。しっかりとした管理のもとで成長を促します。

(早産については以下の記事も参考にして下さい)

【医師監修】妊娠35週の妊婦・胎児の状態は?症状や注意点!早産の体験談も!

HELLP症候群に似た病気は?

HELLP症候群と同じような症状が現れたからと言って、必ずしもHELLP症候群だとは限りません。同じような症状がでる病気はたくさんあります。まずは、医師に相談してきちんとした検査を受けることが大事です。

HELLP症候群に似た病気【炎症性疾患、消化器疾患】

HELLP症候群と似た病気に炎症性疾患や消化器疾患があります。突然の上腹部の痛みなどが特徴で虫垂炎や急性胆のう炎などの場合です。またウィルスによる感染症などでも同じような症状が見られます。

HELLP症候群に似た病気【血小板減少が見られる病気】