産休・育休中の住民税の納税義務は?減免措置・猶予や、負担を減らす工夫も紹介

皆さんは産休・育休中の税金の支払いや手続きに関してくわしく知っていますか?この記事では、産休・育休中の住民税の納税義務はある?という疑問をはじめ、納税方法や、減免措置・猶予について解説します。また、産休・育休中の住民税による負担を減らす工夫もご紹介しますよ。

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Contents
目次
  1. 産休・育休中の住民税の納税義務は?
  2. 産休・育休中の住民税の納税方法は?
  3. 産休・育休中の住民税の減免措置・猶予はある?
  4. 産休・育休中の住民税の負担を減らす工夫
  5. 産休・育休中の税金について理解しよう
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産休・育休中の住民税の徴収猶予

産休・育休中に税金を納めることが難しいと自治体が判断した場合は、産休・育休中の住民税の徴収猶予が認められます(※2)。猶予が認められる期間は1年以内で、こちらから自治体の役所へ申請・手続きをしに行かなければなりません。また、先ほどご説明した減免措置が受けられなかった場合にも、徴収猶予を申請することになるでしょう。

猶予してもらった住民税は、職場に復帰した後に年率14.6%の延滞金と合わせて納めます。延滞金については自治体が認めれば半額、もしくは全額免除してもらえることもあるので、自治体の市役所などで相談してみましょう。

産休・育休中の住民税の負担を減らす工夫

「産休・育休中は収入がなくなるし、住民税の支払いが負担になるかもしれない」と不安に感じている方もいるでしょう。そこで、最後に産休・育休中の住民税の負担を減らす工夫についてご説明します。

住民税は前年度の所得によって変動します。つまり、今年度の所得を減らしておけば産休・育休中の次年度の住民税の負担を軽くすることが可能です。そして、所得を減らす方法としては、所得控除を利用することが挙げられます。控除額が大きければ大きいほど所得は少なくなるので、ぜひ利用してみましょう。

また、この後ご説明する所得控除を受けるためには確定申告をする必要があります。カレンダーにメモをするなどして、確定申告を忘れないよう注意しておいてくださいね。

ふるさと納税による控除

産休・育休中の住民税の負担を減らす工夫には、ふるさと納税による控除があります。ふるさと納税とは自由に自治体を選び、その自治体に寄付というかたちで納税をすることです。もちろん自分の出身都道府県以外の自治体も選択できます。そして、寄付した金額から2,000円を差し引いた額が所得から控除される仕組みです。(※3)

また、ふるさと納税には各自治体の特産品など、寄付に対する返礼品をもらうことができるという特典も付いています。産休・育休中の住民税の負担が減ることに加えて、プレゼントがもらえるのは嬉しいものですよね。

医療費控除

医療費控除を利用することも、産休・育休中の住民税の負担を減らす工夫のひとつです。医療費控除は出産費用なども含め、年間の医療費が10万円を超えた場合に申請が可能になります。医療費控除を受けることができた場合には翌年度の住民税が減額されるだけでなく、所得税の還付金も返ってくるでしょう。(※4)

医療費控除の申請には医療機関が発行した領収書が必要になります。医療費控除の申請をしようと考えている方は、領収書を捨てずに保管しておいてくださいね。

(医療費控除については以下の記事も参考にしてみてください)

出産費用を医療費控除(確定申告)で節約!対象者や注意点など!

配偶者控除・配偶者特別控除

産休・育休中の税金による負担を減らす工夫としては、配偶者控除や配偶者特別控除を受けることも挙げられます。つまり、産休・育休中の間は夫の扶養に入るということです。配偶者控除・配偶者特別控除によって自分自身の住民税の金額が安くなるわけではありませんが、夫の税金による家計の負担を減らすことはできます。(※5)

ただ、配偶者控除は産休・育休前の年間所得が103万円以下、配偶者特別控除は201万円以下の場合にのみ受けられるものです。さらに、副業などによる収入がないことも配偶者控除・配偶者特別控除を受ける前提条件になります。これらの条件を満たしていることを確認したうえで、産休・育休に入ったら夫の会社の年末調整の際に控除の申請を行いましょう。

夫の会社の年末調整において配偶者控除・配偶者特別控除の申請が完了した場合には、個別で確定申告を行う必要はありません。

産休・育休中の税金について理解しよう

この記事では産休・育休中の住民税の納税義務や支払い手続き、減免措置・猶予などについてご説明しました。産休・育休中に収入が入らない場合でも、前年度に所得があれば住民税の納税義務があります。産休・育休中の税金について正しく理解し、負担を軽くする工夫も取り入れながらしっかりと住民税を納めておきましょう。