産休中に有給は使えるの?健康保険からの出産手当金で十分?体験談も

ここでは、意外と知らない産休中に有給は使えるの?という疑問をはじめ、産前休暇・産後休暇の詳細や、産休と健康保険の出産手当金の関係について説明していきます。実際のリアルな体験談も紹介するので、有給や産休への不安を解消しましょう。

目次

  1. 産休中に有給消化できる?
  2. 産休の基本
  3. 健康保険の出産手当金について
  4. 産休中の有給に関する体験談
  5. 産休中の有給について会社の制度を理解しておこう

産休中に有給消化できる?

仕事をしながら出産を迎える女性は、産休制度を使うことになります。しかし、初めての出産ではわからないことも多く、知らないと損してしまうことも多いでしょう。ここでは、産休中に有給を使えるかどうかなど、意外と知られていない情報をまとめていきます。これから産休に入る人は、ぜひ確認しておきましょう。

産後休暇の期間には有給を使えない

産休の期間中に使っていない有給休暇を使って、その分の給与がもらえれば嬉しいという人も多いのではないでしょうか?有給休暇が数ヶ月分溜まっているような人であれば、まとめて使いたくなるものです。

しかし、基本的に「産後休暇」の期間に有給休暇を消化することはできません。産後休暇の期間は法律で「出産の翌日から8週間は就業できない」と定められており、そもそも働けないため有給休暇も使えません。(※1)

逆に言えば「産前休暇」の期間であれば有給を使えます。有給は日当の100%が受け取れるため、後ほど説明する「出産手当金」よりも手取り金額が多くなります。そのため、期限が迫っていて消滅しそうな有給が余っている人であれば、産休に入る前に有給を消化するのもおすすめです。

産休以外の期間で有給を消化するケースは多い

産後休暇の期間中には有給休暇は使えませんが、それ以外の期間で有給を使ったという人は多いです。妊娠期間中に入院が必要なほど体調を崩してしまうケースの場合、仕事も休まざるを得ないからです。

妊娠中は何が起こるかわからないもので、安定期に入ってからも切迫早産などの危機的な状況が考えられます。そういった場合は医師の判断で入院や自宅療養になり、仕事も欠勤となります。産前休暇は出産予定日の6週間前からなので、それ以外の期間に休む可能性があれば、産休ですべて消化せずにある程度の有給休暇日数を残しておくのが無難でしょう。

(産休中の税金については以下の記事も参考にしてみてください)

産休・育休中の住民税の納税義務は?減免措置・猶予や、負担を減らす工夫も紹介

産休の基本

ここでは、産休とはどういった制度なのか改めて説明していきます。産休に入る前に、ぜひ確認しておきましょう。

産前休暇

産前休暇は、出産するまでの期間に取得できる休暇制度のことです。期間は「出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)」からとなっており、本人が希望すれば取得できます。(※1)取得は義務ではなく、体調がよい人の場合は出産の直前まで勤務しているといったケースも見られます。

ちなみに、出産当日はこちらの「産前休暇」に分類されます。出産予定日が伸びた場合は、産前休暇の方が延長される仕組みの制度となっています。

産後休暇

一方で産後休暇は、出産後の期間に取得する休暇制度のことです(※1)。期間は「出産の翌日から8週間は就業できない」と法律で定められています(※1)。ただし、「産後6週間をすぎた時点で本人が希望し、医師が認めた場合のみ就業できる」とされています。産後の母体は想像以上に身体にダメージを受けているので、場合によっては有給も消化してしっかりと休みましょう。

(産休中のボーナスについては以下の記事も参考にしてみてください)

産休・育休中にボーナスはもらえるの?手当金・保険料への影響なども解説

健康保険の出産手当金について

ここでは、健康保険に加入していると受け取れる「出産手当金」について紹介していきます。産休中の家計の助けになる制度なので、ぜひチェックしておきましょう。

出産手当金とは

産前・産後休暇を取得している期間は働いていないので、基本的に会社から給与はもらえません。そういった期間中の生活を保障するため、加入している健康保険からもらえるお金が「出産手当金」となっています。

手当金がもらえる期間は「出産日以前の42日から出産後56日までの間」となっています。産休の約3ヶ月の間収入の補助が受けられる制度なので、ぜひ利用しましょう。

出産手当金を受け取れる条件

産休中に出産手当金を受け取るには、これから挙げる3つの条件を満たしている必要があります。継続して勤務している人なら当てはまるケースが多い制度なので、ぜひチェックしてみましょう。

1つ目は「勤務先の健康保険に加入していること」です。勤務先が設けている健康保険組合、共済組合などに加入していることが条件となります。自営業や専業主婦など、国民健康保険にしか加入していない人は対象外となってしまうので、注意しましょう。

逆に言えば、長期の派遣社員やパートなど、勤務先の健康保険に加入している人であれば出産手当金の受け取り対象になります。非正規雇用だから受け取れないだろうというイメージで申請しないと損する結果になるので、ぜひ自分の加入している健康保険組合に確認してみましょう。(※2)

2つ目は「妊娠4ヶ月以降の出産であること」です。流産・死産・人工中絶などの場合は、出産手当金の受け取り対象外となります。


3つ目は「出産前後に出産手当金を超える給与を受け取っていないこと」です。産休の期間は無休とする会社が多いですが、中には独自の手当金を出している会社もあります。その金額が出産手当金を超えると受け取り対象外となってしまうので、注意しましょう。

出産手当金でもらえる金額

気になる出産手当金の金額は、産休に入る前の収入に比例する仕組みとなっています。基本的には「支給開始日の以前12カ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)」の金額を受け取れます。(※2)

たとえば月収の平均が30万円だった場合、1日当たり「30万円÷30日×2/3=6666円」を受け取れます。受け取れる期間は98日間なので、総額は「6666×98=653268円」となります。妊娠・出産で働けなくなる期間は生活費が心配になってしまいますが、意外と多く受け取れることに安心する人も多いのではないでしょうか?


また、残業が可能な人の場合、産休前に期間にあえて長めに働いて出産手当金を多く受け取るケースも多いです。特に法律で禁止されている行為ではありませんが、不要な残業で手当てを多く受け取るのはモラルに反するため、残業は必要最小限にとどめましょう。

出産手当金を受け取るための手続き

出産手当金は、出産すれば自動的にもらえる制度ではありません。受け取りには以下の3ステップの手続きが必要となるので、ぜひ出産前の余裕がある時期に確認しておきましょう。

まず、妊娠が判明したら会社に出産手当金を利用することを伝えます。会社の総務部や人事部に連絡すると、健康保険組合にも連絡してくれるケースが多いです。派遣社員などで勤務先と健康保険組合が異なる場合、それぞれに連絡するのを忘れないようにしましょう。

次に、健康保険出産手当金支給申請書に記入、申請しましょう。健康保険組合に連絡すると「健康保険出産手当金支給申請書」が送られてきます。案内通りに記入・申請すれば大丈夫です。会社によっては総務部や人事部でまとめて申請してくれるケースもあるので、確認しておきましょう。

最後に、書類を準備して提出しましょう。手続きには下記の書類が必要となります。取り寄せに時間がかかるものもあるため、早めに動くのがおすすめです。健康保険出産手当金支給申請書には医師の記入欄もあるので、健診時や入院中にもらっておくとスムーズです。

「健康保険出産手当金支給申請書」「健康保険証(コピー)」「母子手帳(コピー)」「印鑑」「事業主の証明書類」の書類を提出しましょう。

出産手当金が受け取れる時期

出産手当金の振込には、申請の受理後1~2ヶ月の期間が必要です。申請は出産が終わってから行うので、その間の期間は無給となってしまいます。出産手当金をあてにしていると生活に影響が出かねないので、その間の貯金はしっかりとしておきましょう。

なお、出産手当金の申請期限は「産休開始の翌日から2年以内」と定められています。産後の期間は忙しくてつい申請を忘れがちですが、損しないためにもぜひ早めに申請するのをおすすめします。

(産休手当の金額については以下の記事も参考にしてみてください)

産休手当で貰える金額はいくら?支給条件や計算方法、いつから申請できるかなども

産休中の有給に関する体験談

女性

(30代前半)

私は、有給休暇をつなげることで早めに産休に入りました。早めに産休に入ると決めた時は「休み過ぎかな…?」と思いましたが、いざお腹が大きくなってみると日常の動作ですらしんどくなっていたので、早めに取得してよかったと思っています。

女性

(20代後半)

明日から産前休暇に入ります。お給料的には有給休暇は全額もらえるのでありがたいのですが、産前休暇になると3分の2に減ってしまうのが難点です。上手に組み合わせて取得したいと思います。

女性

(30代前半)

育休が明ける来年度までに、消えてしまう有給休暇を使い切ろうという後輩。もちろん有給取得はとっていいのですが、忙しい時期なのでできれば「もっと早く、周りにも言って欲しかった」と周囲は思っています。

産休中に有給を取得する場合には、職場の仲間からの理解も必要なようです。体調不良で仕方なく欠勤する場合もあるので、上手に取得しましょう。

(産休手当については以下の記事も参考にしてみてください)

産休・育休手当の支給日はいつ?条件や申請手続き、金額計算や退職・税金についてなど

産休中の有給について会社の制度を理解しておこう

有給は日当の100%が受け取れるので、場合によっては出産手当金よりも手取りが多くなるでしょう。産前休暇に当たる期間であれば使用可能なので、余っている日数に応じて消化してみるのもおすすめです。

産前・産後は収入が減ってしまうのが不安という人は多いですが、意外とたくさんの出産手当金がもらえることがわかりますね。しかし、実際に振り込まれるのは出産してから1~2ヶ月後となるケースが多いので、手当金をあてにせず、出産前からしっかり貯金しておくのがおすすめです。

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