【医師監修】妊娠34週の妊婦・胎児の状態は？症状や注意点！逆子対策も

破水が起きると、ドバっと液体が排出される場合もありますが、体の外に出てくるのはごく少量である場合もあります。そのため、尿やおりものと勘違いして、なかなか破水に気がつかないこともあります。違和感を感じたら、自分がどのような状態か注意深く見極めてください。

破水の場合は、病院に行くまでに入浴やシャワーなどをしてはいけません。感染の恐れがあるため赤ちゃんにとっても妊婦さんにとっても危険だからです。産院へは歩いていくのは難しいので、車で向かうことになります。ナプキンやバスタオルで吸収しながら横になるようにしましょう。

まず産院で破水かどうかを検査します。破水であれば、細菌による感染を防ぐため抗菌薬を投与して、その後のどうするかは妊娠週数によって異なります。妊娠37週以降であれば、大半のケースでそのまま陣痛が起きて、正常分娩となります。陣痛が来なければ陣痛促進薬を使うこともあります。破水からお産が始まったことによる赤ちゃんへの影響はないといわれています。妊娠36週以前の早産の時期であれば、入院して妊娠期間を延長する治療が行われる場合もあります。

妊娠34週目の普段の生活において、気をつけたいことを紹介します。赤ちゃんが生まれる前にあれもこれもしておきたいと活動的になる人もいるかもしれませんが、赤ちゃんと自身の安全のために注意してほしいことがあります。また、腰の痛みや前駆陣痛などがある人は、痛みがあるときやお腹の張りがあるときに無理して動かないことも大切です。

これからの時期は、強いお腹の張りなど早産や切迫早産の兆候が突然現れたり、陣痛が来て出産につながることが起きるかもしれないことを意識しておく必要があります。遠出してそのような事態になったとき、通っている産院をすぐに受診できないかもしれません。産院まで30～1時間で行ける場所より遠くには行かないようにするなど、もしものときを考えて外出先を選びたいですね。また、近くへの外出でも、母子手帳や保険証など病院を受診するのに必要なものをいつもカバンに入れていると安心です。

そろそろ出産のための入院準備について、産院から説明を受ける時期です。まだ「出産予定日までは時間がある」と先延ばしにせずに、すぐに準備をすることをおすすめします。早産や切迫早産の兆候などがあれば、病院を受診してそのまま入院、出産となる可能性もあります。早く準備しておけば安心です。

赤ちゃんとの生活が始まってから必要なものの準備についても、同様です。入院中にパートナーや家族に頼もうにも、家のどこに何があるかよくわからなかったり、授乳ブラなど出産や育児に必要なものになじみがなかったりして、妊婦本人以外の人が準備が難しいかもしれないことも考慮しておきたいですね。

妊娠後期になると、胎児は子宮の中で頭を下にした向きになっていきます。その向きが逆で赤ちゃんの頭が上にある状態が「逆子（さかご）」です。エコーでわかりますが、胎動の位置で自覚できる人もいます。妊娠30週までに逆子でなくなる場合が多いとされており、妊娠34週目で逆子だと焦ってしまうかもしれません。

しかし、この時期でも出産までに逆子から向きが変わったというケースもあります。産院から、眠る向きや「逆子体操」などを指導される人が多いです。産院によって逆子についての方針が違いますし、お腹の張りやすさなど妊婦さんの状況によっても、逆子対策は変わりますので、産院の指示に従うことが大切です。

逆子であることで妊婦さんと赤ちゃんの両方にリスクがあるかといわれます。逆子の場合は胎動などで子宮口に胎児の足による刺激があるので、妊婦さんのお腹が張りやすくなったり破水が起こるリスクが高まるとされています。また、逆子の場合は通常分娩では時間がかかって胎児が危険にさらされるおそれがあります。そのため、逆子が出産予定日近くまでそのままであれば、帝王切開での出産になることがあります。