【医師監修】妊娠34週の妊婦・胎児の状態は?症状や注意点!逆子対策も

妊娠34週は、大きくなった子宮による圧迫で、むくみや胃痛、さまざまな部分の痛みなどに悩まされたり、そろそろ遠出を控え入院準備をしたい時期です。逆子の場合は対策も気になります。妊娠34週の妊婦・胎児の状態や症状・注意点、体験談を紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 妊娠34週に知っておきたいこと
  2. 妊娠34週の妊婦の状態
  3. 妊娠34週の胎児の状態
  4. 妊娠34週に起こりやすい症状
  5. 妊娠34週はまだ早産に注意!
  6. 妊娠34週から知っておきたい前期破水
  7. 妊娠34週は無理をしない生活を
  8. 妊娠34週の逆子対策
  9. 妊娠34週の体験談
  10. 妊娠34週の大きなお腹とうまく付き合いましょう

妊娠34週はまだ早産に注意!

赤ちゃんのからだが完成に近づき、体重増加も進みで2kgを超えて見た目がほとんど新生児同様になってきていたり、妊婦さんも前駆陣痛があったりして出産の準備が整ってきたように感じられる時期ですね。

しかし、今この34週で生まれた場合は「早産」になります。早産にはさまざまなリスクが伴い、早産になりかかっている状態の切迫早産の状態では行動が制限されたり入院が必要になったりするので、なんとか避けたいですね。早産・切迫早産をできるだけ予防する方法や、早産・切迫早産の兆候について知っておきましょう。

早産・切迫早産とは?

妊娠37~41週を正期産と呼び、この時期には赤ちゃんの体は外の環境に適応できるように成長しているとされています。それより前の、妊娠22~36週の間にある出産は、早産と呼ばれます。すべての妊娠の5%が早産であるというデータがあります。早産になりそうな状態を切迫早産と呼びます。切迫早産が具体的にどのような状態かというと、お腹の張りが頻繁にあったり、子宮の出口である子宮口が開いていたりします。破水が起きてしまった場合も切迫早産として入院になるのが通常です。

早産で生まれた赤ちゃんは、入院して新生児集中治療室(NICU)で治療を受けながら育てられます。死亡してしまう例もありますが、その割合は医療の進歩とともに低下しており、妊娠34週目で生まれてきた赤ちゃんの死亡率はかなり低いですが、後で呼吸障害などの障害が現れるケースがあります。


切迫早産の場合は、できるだけ妊娠を継続させるように、お腹の張りを抑えて子宮収縮が起きにくくする薬を使ったり、なるべく横になるなど安静に過ごしたり、切迫早産の原因になっている感染症などがあるならばその治療をしたりします。切迫早産の程度によって、医師の指示に従って自宅で安静にしながら通院で様子を見る場合と、入院して安静にしたり治療を受けたりする場合があります。

早産は予防できる?

妊娠34週目となり、今生まれても赤ちゃんの状態も分娩の様子もほぼ正期産と近いとはいえ、やはりリスクがあることから早産や切迫早産にならないようにしたいですね。そこで、早産を予防する方法について解説します。

まず早産の原因は、体質によるものや膣や子宮頚管などの細菌による感染が多いことが知られています。また、胎盤が低い位置につくられている前置胎盤や羊水過多症・羊水過小症、妊娠高血圧症候群などによって胎児が子宮内にいられない状態になって早産でも分娩せざるを得ない状況になることもあります。

しかし、これらの症状がなぜ起きるのかは、はっきりとはわかっていません。そのため、早産や切迫早産の予防には、健診を決められた時期に定期的に受け、異常の早期発見に努め、医師の指導に従うことがとても大切といえるでしょう。また、疲れやストレスなど無理をしすぎると早産や切迫早産のリスクが高まるおそれがありますので、お腹が張ったら休むなど、無理のない生活を心がけたいですね。

気をつけたい早産の兆候

早産になりそうなときや切迫早産のときには、素早く病院を受診して早産を回避するための対応をすることが求められます。次のような兆候があるときには、早産の兆候であることがありますので、すぐに産院に相談してください。

●お腹の張りが強い
●お腹の張りがおさまらない
●お腹の張りが規則的に続いている(例:10分間隔など)
●お腹に激しい痛みがある
●膣からの出血がある
●破水がある
●おりものの量や色、においが普段と違う

(妊娠後期に注意したい兆候については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠後期の出血は危険!?少量の鮮血、茶色いなどの症状と原因について
妊娠後期の腹痛!痛みの種類と原因・対処法は?チクチクするのは注意!

妊娠34週から知っておきたい前期破水

妊娠34週目から知っておきたい「前期破水」について紹介します。前期破水とは、子宮の中で赤ちゃんを包んでいる羊水が陣痛が起きるよりも前に流れ出してくることです。すべての妊娠の3~18%で前期破水が起こるというデータがあります。

破水があるということは、何らかの原因により卵膜が破れたということであり、赤ちゃんが出てこようとして頭で卵膜を破ったのであれば、出産につながる可能性があります。また、破水が起こると感染症が起こり胎児も妊婦も危険となるおそれがあるため、病院でその予防や対策が必要となります。

陣痛が来ていないということは、前期破水が起こるときには自宅や外出先など病院以外の場所にいると考えられます。破水かもしれないと思ったら、すぐに産院に連絡しましょう。

破水の疑いがあるときは