妊婦は風疹に要注意!胎児に影響が?妊娠中に抗体がないと?予防法は?実体験も

【医師監修】世の中の病気の中には、妊婦がかかると胎児に影響を与える怖い病気もあります。その中の一つが「風疹」です。風疹にかかると胎児にどんな影響が?障害が残るって本当?妊婦は風疹のワクチンを打てるの?この記事では妊婦と風疹の関係について説明いたします。

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専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
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Contents
目次
  1. 妊婦は風疹に注意!
  2. 風疹ってどんな病気?
  3. 妊婦が風疹にかかると胎児にどんな影響があるの?障害が残るって本当なの?
  4. 妊婦が風疹の抗体がないとわかったら?
  5. もし妊娠に気づかず妊婦が予防接種をしてしまったら?
  6. 風疹の予防方法は?
  7. 健康な妊婦ライフを送りましょう

風疹の主な症状は「発熱」「発疹」「リンパ節の腫れ」です。合併症としては2000~5000人に一人の割合で「脳炎」「血小板減少性紫斑病」などを発症するといわれています。風疹そのものの症状はそこまで酷くはないのですが、妊婦がかかると胎児に影響を及ぼす可能性があるので問題視されているのです。

妊婦が風疹にかかると胎児にどんな影響があるの?障害が残るって本当なの?

ここまでで、風疹という病気そのものの説明をしました。では、妊娠中の女性が風疹にかかると具体的にどのようなことが起こるのでしょう。「お腹の赤ちゃんへの影響は?」「赤ちゃんに出る障害とは?」気になるところですね。お腹の赤ちゃんへの風疹の影響の確率は、どのくらいあるのかなども併せて説明していきます。

妊婦が風疹になった時の胎児への影響は?

妊婦が風疹にかかるとお腹の赤ちゃんが「先天性風疹症候群(CRS)」と呼ばれる病気にかかる可能性があります。全ての風疹にかかった妊婦の赤ちゃんに起こる病気ではありませんが「先天性風疹症候群(CRS)」にかかる確率は極めて高いといえるでしょう。

ある調査によると、風疹にかかった妊婦さんの赤ちゃんの約90%以上が「先天性風疹症候群(CRS)」にかかると言われています。(※2)。これは、非常に高い確率と言えますね。では「先天性風疹症候群」とはどんな症状なのでしょうか。

先天性風疹症候群(CRS)とは?

妊娠初期の風疹の抗体がない妊婦さんが風疹にかかると、お腹の赤ちゃんも風疹ウイルスにかかることがあります。また、風疹の抗体がない妊婦さんに風疹の症状が出ていなくても、赤ちゃんには感染している可能性もあるのです。風疹ウイルスに感染した赤ちゃんは「難聴」「心疾患」「白内障」「その他の心身の発達障害」を持って産まれてくる可能性があります。

これらの障害は単独で発症するとは限らず、複数の障害を持って産まれてくることもあるのです。赤ちゃんがお腹の中で風疹ウイルスに感染して、障害を持って産まれてくることを「先天性風疹症候群」という総称で読んでいます。

妊婦が風疹の抗体がないとわかったら?

風疹の予防接種や風疹にかかった経験があり、確実に抗体を持っていると診断されている人は心配する必要はありません。問題なのは、風疹の抗体がないまま妊娠してしまった場合なのです。

妊娠すると初期の段階で血液検査が行われます。この中に風疹の抗体検査が含まれているのが通常です。この血液検査の結果、風疹の抗体が無かった妊婦さんは風疹にかからないようにしなくてはならなくなります。

妊婦の予防接種はできない

妊娠してからの妊婦さんへの予防接種は、風疹のワクチンが生ワクチンであるがために接種することは出来ません。予防接種が出来ない場合、とにかく風疹にかからないように努力するしかないのです。家族の中に風疹の抗体がない人がいたら、早急に風疹の生ワクチンを接種してもらいましょう。また、人混みは避けた方が賢明です。

特に妊娠12週未満の妊婦さんは、人が多く集まるような場所への外出は厳禁です。それ以降の妊婦さんでも妊娠24週目までは気を付けた方が良いといえますね。

出産後いち早く予防接種を

妊娠する可能性のある女性は、風疹の予防接種を受けておくべきでしょう。出産しても二人目、三人目の赤ちゃんを妊娠する可能性があるようなら、予防接種はお産したらすぐに受けておくのが良いですね。男性は自分が妊娠するわけではありませんが、奥さんや身近な女性に感染させないために風疹の予防接種をすることを推奨します。

予防接種で抗体が出来ない場合もある