羊水検査とは?費用や時期は?リスクはある?陽性だったら?体験談あり

【医師監修】羊水検査では胎児の染色体異常や遺伝子異常がわかります。どういった検査なのか、検査費用と、検査を受ける時期について詳しくご説明します。また羊水検査を検討する際に多くの人が悩む検査のリスクについて、あるいは陽性だった場合についても、体験談を交えてご紹介します。

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専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
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Contents
目次
  1. 羊水検査とは?
  2. 羊水検査をすると染色体異常がわかるの?
  3. 羊水検査を受けるためには条件が必要?
  4. 費用はどれくらい掛かる?
  5. 羊水検査を受ける時期って決まってる?
  6. 検査を受けることにリスクはある?
  7. 羊水検査を受けて陽性だったら?
  8. 羊水検査を受けた人の体験談
  9. 検査の前に家族とよく相談して

ただしここで注意してほしいのが、羊水検査でわかる異常はごく一部だということです。あくまで胎児の遺伝子異常と染色体異常だけに特化した検査であって、すべての病気を検査できるわけではありません。妊娠中期に遺伝子・染色体異常だけに限定して調べられる検査であることを理解して、羊水検査を受けるかどうか考えることが大切です。

羊水検査を受けるためには条件が必要?

羊水検査にはリスクを伴うため検査を受けるためには一定の条件を満たしていなければなりません。以下のいずれかの条件を満たした場合に検査を受けることができ、専門医からの説明を受けて十分に理解することが必要です。

●夫婦の片方ないし両方が染色体異常を持っている
●染色体異常児を産んだことがある
●高齢妊娠である
●超音波検査や母体血清マーカーで染色体異常の可能性がある

費用はどれくらい掛かる?

羊水検査は保険の適用外になるため全額が自己負担になります。その費用は病院によって異なりますが、相場は10万円から20万円程度です。ただし検査の前に血液検査をすることも多く、その場合母体血清マーカーテストは1~2万円、新型出生前診断は20万円程の費用が掛かります。事前の検査が加わる場合、全体で30~40万円程度の検査費用が必要です。

(出生前診断については以下の記事も参考にしてみてください)

胎児ドック(胎児スクリーニング)とは?検査内容や費用について

羊水検査を受ける時期って決まってる?

高齢妊娠や身内に染色体異常のある人がいる場合などの条件を満たしていれば、羊水検査はいつでも受けられるのでしょうか。実は羊水検査を受けられるのは妊娠中期からと決まっています。

リエ先生

産婦人科医

羊水検査には検査を受けられる時期が決まっています。その週数を超えて、検査を受けることはできません。羊水検査を受けることができる病院は限られています。また、病院によっては、羊水検査を受ける前にカウンセリングが必須となっている施設もあるため、羊水検査を考えている人は、余裕をもって検査の計画を立て、病院側に相談しましょう。

一般的に妊娠中期16週以降に行う

基本的に羊水検査は妊娠中期になった妊娠16週から18週の間に行います。これは胎児の皮膚の一部がはがれ落ちて羊水中に含まれるようになるのが妊娠中期頃であるためです。

妊娠10週以降からの「NIPT(新型出生前診断)」や15週以降からの「母体血清マーカーテスト」などの検査で染色体異常や遺伝子異常の可能性を測ることがあります。「16週以降に母体血清マーカーテスト」と羊水検査を同時に行うこともあります。

羊水検査の結果がでるまで約2週間

結果が出るのは5日から2週間と幅があります。羊水から採取した細胞を分析する方法はFISH法、G-band法の2種類です。同時並行が一般的ですが、結果が出るまでの所要時間が異なります。

FISH法は5日程度で結果が出ます。染色体の数を絞って異常を検査するもので、それ以外の染色体異常は判断できません。G-band法は結果が出るのに2週間程度掛かります。1〜22番とX・Y染色体など染色体異常があるかを詳しく検査するからです。

検査を受けることにリスクはある?