妊娠後期の体重増加の目安は?増えすぎるリスク・対処法や管理のコツを解説!

【医師監修】妊娠後期になると、食欲が増して体重が増えてきます。ただ、増え過ぎも増えなさすぎもリスクがあります。改めて妊娠後期の体重増加の目安、リスク、対処法 体重管理のコツなどについて先輩ママの体験談のやドクターの助言を交えて解説します。参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 妊娠後期はどうして体重が増えやすいの?
  2. 妊娠後期の「体重増加」の目安は?
  3. 妊娠後期に体重が増えすぎることのリスクとは?
  4. 妊娠後期は痩せすぎにも注意が必要!どんなリスクが?
  5. 妊娠後期の体重管理のコツ【食事】
  6. 妊娠後期の体重管理のコツ【運動】
  7. 妊娠後期の体重管理のコツ【習慣】
  8. 妊娠後期の体重の変化はどうだった?〜みんなの体験談〜
  9. 妊娠後期の体重増加には気を付けて!

ママへの負担④出産時間の長期化

体重が増えすぎると産道に余分な脂肪がついてしまい、赤ちゃんがうまく下りてこられず、出産時間の長期化が懸念されます。出産の長期化は産後の体力が回復しづらくなり、母体への負担も大きくなります。

リエ先生

産婦人科医

妊娠後期の中でも臨月の体重増加は赤ちゃんの成長というより、お母さんの脂肪が増えるだけといわれています。体重が増えすぎると難産になりやすいので、適切な体重管理を行いましょう。

赤ちゃんへの負担①妊娠高血圧症候群

体重が増えすぎて妊娠高血圧症候群になると、赤ちゃんにうまく栄養が行き渡らず、未熟児や早産(22週目〜36週目以内)で産まれてしまう可能性があります。その場合、身体機能、心肺機能の未発達により、呼吸器系の病気や感染症にかかるリスクが高まります。(※3)

赤ちゃんへの負担②子宮内胎児死亡

妊娠高血圧症候群の影響で最悪の場合、お腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまう、子宮内胎児死亡という事態も起こり得ます。未然に防ぐために帝王切開での分娩になることもあります。

赤ちゃんへの負担③妊娠糖尿病

体重の増えすぎが原因で妊娠糖尿病になると、巨大児(赤ちゃんの体重が4.000g越え)で産まれる可能性が高まります。また、新生児低血糖症、先天奇形、胎児の発育遅延、胎児仮死で新生児専門医の治療が必要になるなどさまざまな合併症の原因にもなるのです。(※4)

妊娠後期は痩せすぎにも注意が必要!どんなリスクが?

体重が増えすぎてしまうことで起こるリスクを心配して、無理な食事制限をしたりダイエットをしようと考える人もいるかもしれません。しかし、体重が必要量増えないことにも危険が潜んでいます。

低体重児の出産確率高まる

妊婦が痩せすぎの場合は、低体重児を出産する確率が高まります。低体重児とは、出生体重が2.500g未満の赤ちゃんのことをいいます。母体からの栄養や酸素量の供給が少なく、胎盤や臍帯(さいたい)の働きが不十分になり、栄養の蓄えがない状態で産まれてくるのです(※6)。このため、将来的に生活習慣病にかかるリスクが増加するともいわれています。

適正体重まで増えない状態で過ごしていると、出産時の体力不足、産後の回復スピードの低下、母乳が出ないなど母体にも大きな負担となります。また、ストレスを感じやすくなるのです。

「太りたくない!」と妊娠中にダイエットをする人もいるかもしれません。しかし、妊娠中はバランスの良い食事と運動を心がけることが大切です。普通に生活をしていても体質的に体重が増えない人もいます。もし、体重が増えないと心配な場合は、医師や助産師に相談しましょう。

妊娠後期の体重管理のコツ【食事】

妊娠後期はつわりも落ち着いてくる時期でしょう。食欲も増して、食べれる物が増えくると食事が楽しくなる人も多くいます。体重管理を行う際は、摂取カロリーや必要な栄養素に注意して、日々の食事管理を行うことが大切です。妊娠中に必要な栄養とは一体どのようなものがあるのでしょうか?

積極的に取りたい栄養素の種類と目安量

積極的に取りたい栄養素の種類と目安量は次のようなものです。

葉酸は妊活中にとるイメージが強いですが、実は妊娠中もしっかりと補うことで先天性異常のリスクを軽減できるといわれています(※7)。葉酸は、納豆1パックあたり50μg(マイクログラム)、小松菜100gあたり110μg、ブロッコリー50gあたり105μgが含まれています。

次に必要な栄養素はカルシウムです。カルシウムは赤ちゃんの歯や骨の成形のために必要な栄養素です。妊娠中の血圧を下げたり骨粗しょう症の予防にもなります。カルシウムは牛乳200mlあたり227mg、木綿豆腐150gあたり129mg含まれています。

妊娠後期になると、赤ちゃんにもより多くの血液が必要となるため、知らないうちに鉄欠乏貧血になっていることがあります。赤ちゃんの成長のためにも鉄分を補いましょう。鉄分は牛モモ赤身100gあたり2.7mg含まれています。

緑黄色野菜や魚・肉などを意識して取り入れましょう