妊娠後期に胃もたれ、胸焼けが起こる原因は?眠れない症状などの対策、解消法も!

【医師監修】多くの妊娠さんが妊娠後期に悩まされるのが胃もたれや胸やけです。通常、胎児の成長に伴って起きる症状ですが、病気の場合もあります。胃もたれや胸やけが起きる原因、眠れないなど症状の対策、解消法についてドクターの助言を交えて説明します。参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 妊娠後期の胃もたれ、胸やけの症状は?
  2. 妊娠後期の胃もたれ、胸やけの原因は?
  3. 妊娠後期の胃もたれ、胸やけに効果的な解消法5つ
  4. 妊娠後期の胃もたれ、胸やけがひどい時に薬は飲んでいいの?
  5. 妊娠後期の胃もたれ、胸やけは病気の可能性も?
  6. 妊娠後期の胃もたれ、胸やけには要注意!

妊娠後期の胃もたれ、胸やけは病気の可能性も?

胃もたれや胸やけは正常な妊娠の過程で起こり、多くの妊婦さんが感じる症状です。しかし、中には病気の症状として胃もたれや胸やけの症状が現われることもあります。胃もたれや胸やけのほかにも当てはまる症状があれば、次の検診を待たずに病院へかかることを検討しましょう。

HELLP症候群

HELLP症候群とは、赤血球が破壊されることで起こる溶血、肝機能障害や血小板の減少の3つの症状が合併して起こう病気のことです(※2)。妊娠高血圧症候群の人や多胎児妊娠をしている際に起こりやすいといわれています。最悪の場合、胎児とお母さんのどちらの命にもかかわる危険な病気です。

症状としては胃もたれや胸やけに加えて、腹痛や疲労感、右上腹部やみぞおちの痛みなどが現われます。

カズヤ先生

産婦人科医

HELLP症候群は妊娠高血圧に合併する非常に危険な合併症で、生命のリスクがあります。 3大症状としては、頭痛、心窩部(しんかぶ)痛(みぞおちの下くらい)、閃輝(せんき)暗点(目がチカチカする症状)があります。 また、HELLP症候群は出産後にも起こり得るので産後も注意が必要です。

妊娠高血圧症候群

妊娠をきっかけに高血圧になることで起きる病気を妊娠高血圧症候群といいます(※3)。妊娠高血圧症候群の場合は、検診の尿検査の際に尿蛋白反応が出ることがあるでしょう。

HELLP症候群を含め、さまざまな病気を合併症として引き起こしやすくなります。生まれた赤ちゃんの発育に影響が出てしまうことがあるほか、重症化すると母子ともに危険な状態になる可能性もある危険な病気です。

症状には、むくみや頭痛、めまいや倦怠(けんたい)感などが挙げられます。HELLP症候群を併発していると吐き気や嘔吐が加わる場合もあります。

胃腸炎

胃もたれや胸やけのほかに、激しい下痢や嘔吐をともな場合は胃腸炎である可能性があります。この病気は直接胎児に影響を与えることはありません。しかし、妊婦さんが脱水症状になる可能性があります。

脱水症状

胃もたれや胸やけの症状がひどく、食事や水分をまともに摂取できなくなってしまうと脱水症状になってしまう恐れがあります。脱水は妊婦さんだけでなく、胎児にも栄養が行き渡らなくなってしまう危険な症状です。

妊娠後期の胃もたれ、胸やけには要注意!

妊娠後期に起こる胃もたれや胸焼けの症状、原因や対策などを紹介しました。妊娠後期の胃もたれや胸焼けは、赤ちゃんが成長することで起こる症状であることがほとんどです。日頃の生活の中で、できる限りの対策をしながら症状が改善されるのを待ちましょう。辛い時は、赤ちゃんが順調に育ってくれているんだと考えると気持ちが少し楽になりますよ。

ひどい胃もたれや胸焼けで水分も取れない、まったく眠れないなどの症状がある場合は、我慢せずにかかりつけの医師に相談しましょう。少しでも不安な症状があるときは、検診の時に相談することで異常の早期発見や、病気の予防につながります。

さまざまな症状や妊娠、出産への不安で眠れない、休めないと感じることもあるかもしれません。気にしすぎや溜め込みすぎはストレスになり、妊婦さんや赤ちゃんに悪影響です。おなかの赤ちゃんのためにも、疲れを感じたら無理せず休むことを意識しましょう。そうすることで気持ちがリラックスして、胃もたれや胸やけが解消されることもあります。