妊娠後期に胃もたれ、胸焼けが起こる原因は?眠れない症状などの対策、解消法も!
【医師監修】多くの妊娠さんが妊娠後期に悩まされるのが胃もたれや胸やけです。通常、胎児の成長に伴って起きる症状ですが、病気の場合もあります。胃もたれや胸やけが起きる原因、眠れないなど症状の対策、解消法についてドクターの助言を交えて説明します。参考にしてください。
妊娠後期の胃もたれや胸やけには、消化に良いものを食べましょう。妊婦さんは胃の機能が低下しやすく、食事の消化に時間がかかります。消化に悪いものばかり食べると、胃に負担がかかり、吐き気を感じやすくなります。
胃の粘膜を作り、修復する食べ物はキャベツ、ブロッコリー、アスパラガス、白身魚、卵、豆腐、赤身肉です。消化を助ける食べ物は大根、山芋、カブが挙げられます。白湯(さゆ)は内臓の動きを活性化します。胃痛を和らげる食べ物はホットミルク、ヨーグルトです。これらの食材を油を使わずに煮る、茹(ゆ)でる、蒸すなどの方法で調理すると、胃もたれや胸やけにより効果的です。
脂分の多い食べ物や糖分の多いものは、消化不良になりやすいです。また、酸味の強いものや香辛料のきいたもの、刺激物は弱った胃を刺激してしまうためできる限り控えるようにしましょう。
(つわりに効く・悪化させる食べ物については以下の記事も参考にしてください)
一回の食事量を減らし、回数を増やす
一回の食事量を減らして、食事回数を増やすことで胃もたれや胸やけが解消できることもあります。
胎児の栄養のためにもきちんと食事は摂りたいと意識している妊婦さんは多いでしょう。しかし、妊娠後期は大きくなった子宮で胃が圧迫されています。1度にたくさんの量を食べると胃もたれや胸やけが起こることもあります。胃もたれや胸やけの対策として、食事は何度かに分けて少ない量を取りましょう。
食事量を減らすだけではお腹も空き、栄養面も偏ってしまいます。また空腹時は胃酸の量が増えるので、注意しましょう。1日の食事量を減らさず、空腹を感じない対策が必要です。
カズヤ先生
産婦人科医
分割食は非常に有効です。 胃もたれや嘔気を抑制する効果もあります。妊娠中は血糖を細胞内に取り込む作用を持つインスリンというホルモンの抵抗性が強くなり血糖値が高くなりすぎる傾向にあるため、分割食にすることで、これも防ぐこともできます。
胃もたれや胃の不調に効くツボを押す
妊娠後期に胃もたれや胸やけを感じたときは、胃もたれや胃の不調に効くツボを押すという解消法もあります。妊娠の時だけに限らず、胃の不調や吐き気に効果的なツボがあります。内閣と呼ばれていて腕の内側に位置します。内閣の位置を探すときは、手首の付け根に指三本を揃えましょう。手首に置いた指の真下に位置します。
カズヤ先生
産婦人科医
医学ではツボを押すことによる科学的根拠(エビデンス)はありません。
(つわりに効果的なツボについては以下の記事も参考にしてください)
姿勢を意識する
姿勢を意識し、背筋を伸ばしましょう。猫背やしゃがむ体勢は、お腹を圧迫してしまうため吐き気を誘発しやすくなります。お腹を圧迫する姿勢をとらないでいいように、必要なものはなるべく上に方に置いておくなどの対策をしましょう。どうしてもしゃがまなくてはならない場合は、膝を地面につくとお腹を圧迫しづらいです。
また、骨盤ベルトは間違ったつけ方で着用するとお腹を圧迫してしまいます。骨盤ベルトを締めると吐き気を感じる場合は、産婦人科の看護師や助産師に正しいつけ方を教えてもらいましょう。それでも体調がすぐれない、解消されない場合は、使用を控えることをおすすめします。
寝るときの体勢を変えてみる
寝るときの体勢を変えてみましょう、寝るときは、枕を高いものに変えるかタオルを挟むなど工夫して上体を少し高めに保つようにしましょう。立っている時よりも横になっている時の方が胃酸が逆流しやすく、注意が必要です。横になったときの上体を高めに保つことで、胃酸が逆流するのを減らすことができます。
妊娠後期の妊婦さんはお腹が大きく、仰向けになることがつらくなってきます。妊娠後期は横向きで寝ることで、お腹への圧迫が減り、眠れないと感じることは減るでしょう。
妊娠期間中は疲れを感じやすいです。ただ、食事の後すぐに横になるのは避けてください。食べ物をきちんと消化して、逆流を防ぐためには少なくとも30分程度は横になるのを我慢しましょう。
(妊婦の寝方については以下の記事も参考にしてください)
妊娠後期の胃もたれ、胸やけがひどい時に薬は飲んでいいの?
できることなら胃もたれや胸焼け、吐き気は感じたくないですよね。薬を飲んで何とか対策を打ち、眠れない日々を解消したいと思う妊婦さんもいるでしょう。妊娠中、胃もたれや胸やけを感じたときは、薬を飲んでもいいのでしょうか。
妊娠後期だけに限らずかかりつけ医の許可を仰ぐのが大前提
基本的に妊娠中は、薬の服用にはかかりつけの産婦人科医の許可が必要です。服用した薬が血中に溶け出して、胎児に影響を与えてしまう可能性があるからです。
妊娠中に服用できる市販薬は存在します。しかし、自己判断で飲んだ薬が胎児に悪影響を与える可能性は否定できません。また自己判断で服用することで胎児に影響がないか不安になり、妊婦さんに多大なストレスを与えかねないのです。胃もたれ、胸焼けで薬の服用を考えるときは必ず医師に相談して許可をもらいましょう。
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