妊娠後期に胃もたれ、胸焼けが起こる原因は？眠れない症状などの対策、解消法も！

妊娠初期に起こるつわりの症状と同じく、妊娠後期に起こる胃もたれや胸焼けの症状も人それぞれ異なります。一般的に妊娠後期の妊婦さんが感じることが多い、胃もたれや胸焼けの症状を紹介します。

妊娠後期の妊婦さんは空腹を感じた時や食後に、胃もたれや胸やけを感じることが多いようです。症状がひどい場合は、不快感で眠れないことが増えたり、吐き気や吐き戻しが起こることもあるのです。これらの症状を、後期つわりと呼びます。

妊娠初期のつわりが終わり、中期も無事に乗り越え、あとは臨月まであと少しです。赤ちゃんが元気に育ってくれるのを待つのみだと思った矢先に、胃もたれや胸やけの症状に悩まされるのは辛（つら）いです。

（胃もたれやムカつきの原因については以下の記事も参考にしてください）

妊娠後期に起こる胃もたれや胸焼け、それにともなう吐き気や眠れないなどの症状は何なのでしょうか。妊娠後期に起こる胃もたれや胸焼けの原因を紹介します。

妊娠に必要不可欠なホルモンの作用による胃もたれ、胸焼けがあります。妊娠が始まった時から妊婦さんの体内では、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が活発になります（※1）。このホルモンは元気な胎児をお腹の中で育てていくために欠かせないものです。

一方で胃などの消化器官の機能を低下させてしまう働きもあります。そのため、機能低下によって消化器官全体の筋肉が緩まり、胃液などの体液が逆流しやすくなるのです。

また、胃の機能が低下すると食べ物の消化が遅れるだけでなく、胃酸の増加にもつながります。胃酸が増え、胃液が食道に逆流すると胸焼けが起こります。妊娠初期に起こるつわりの原因にもなるプロゲステロンは、妊娠8～9カ月が分泌のピークです。このホルモンが後期の胃もたれ、胸焼けの原因なのです。

赤ちゃんが成長していることによる胃もたれ、胸焼けもあります。胎児が大きくなるにつれて子宮も大きくなり、羊水の量も増えます。そのため、妊娠後期は妊婦さんの胃や腸、膀胱などのさまざまな器官が圧迫されてしまうのです。

圧迫された胃が上に持ち上げられることで、以前より多くの食べ物を食べられなくなります。今までと変わらない量の食事をすると、満腹を通り越して吐き気の原因になってしまうかもしれません。

さらに前述したホルモンによって胃と食道をつなげる筋肉がゆるんでいるため、胃に入っているものが逆流しやすくなっています。吐き気や吐き戻しが起こる可能性もありますので気を付けましょう。

ストレスといった精神的な理由も、妊娠後期に起こる胃もたれや胸焼けの原因になる可能性があります。

初産の人は初めての妊娠、出産に不安を感じることは少なくありません。経産婦の人は上の子のお世話をしながらの妊娠で、初産のときとは違った悩みやつらさを感じることもあるでしょう。

しかし、ストレスの溜（た）め込み過ぎは自律神経の乱れにつながり、胃酸を過剰分泌してしまう可能性があります。さらに、胃を守る粘液が減ってしまうこともあるため、胃が荒れやすくなるのです。

できることなら薬に頼らず、胃もたれ、胸やけを解消したいと思う妊婦さんは少なくないでしょう。日頃のちょっとした工夫や意識の変化で、妊娠後期に起こる胃もたれや胸やけを対策することができます。妊娠後期に起きた胃もたれ・胸焼けを解消する方法を5つ紹介します。