妊娠初期のめまい・立ちくらみの原因は?貧血・動悸などの対処法も!

【医師監修】妊娠初期、多くの妊婦さんがめまいや立ちくらみに悩まされます。転倒の危険もあります。原因は何でしょうか。貧血や動悸(どうき)なども含めて、その対処法を先輩ママの体験談やドクターの助言を交えて説明します。妊娠初期の症状緩和のためにも参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 妊娠初期のめまい、立ちくらみがひどい…!
  2. 妊娠初期のめまい、立ちくらみの原因
  3. 妊娠初期のめまい、立ちくらみの対処法
  4. 妊娠初期はめまい・立ちくらみがひどかった?〜先輩ママの体験談〜
  5. 妊娠初期は過ごし方に要注意!

妊娠初期のめまいや立ちくらみについて、対処法や注意点について説明します。対処法は生活全般に及びます。順次、取り組んでいきましょう。

食生活を見直す

食生活を見直しましょう。めまいや立ちくらみを引き起こす鉄欠乏症貧血を予防するため、妊娠中は鉄分を意識した食生活を心がけましょう。

鉄欠乏性貧血はきちんと対処法をとれば、動悸や息切れといった症状を減らす効果もあります。もともと女性は貧血になりやすいため、貧血の症状に慣れている人も多いかもしれません。しかし、貧血によって起こるめまいや立ちくらみで倒れてしまうと危険です。健診で貧血を指摘されたら、たかが貧血と軽く考えるべきではありません。

カフェインレスに切り替え

妊娠は、カフェインレスの飲み物に切り替えるきっかけにもなります。妊娠中はカフェインの摂取は控えた方がよいという指導もあり、カフェインレス飲み物を飲用する人は増えています。

カフェインの摂取は胎児に影響がないという研究者も中にはいます。しかし、カフェイン摂取による死産や胎内死亡との関連性は否定できません。

最近のカフェインレスの飲み物はコーヒーや紅茶以外の飲料もあり、味や香りも大きな違いはありません。体にやさしく、おいしいカフェインレスの飲み物が豊富にあるので、気軽に試してみるのも楽しいかもしれません。

禁煙

禁煙しましょう。

喫煙は流産や早産、低体重児の出産などの原因になりかねません。喫煙することにより血管が収縮し、体内の酸素が不足するからです。酸素不足は、めまいや立ちくらみを高める原因にもなります。喫煙者は非喫煙者より1.4~2倍ほど胎児に危険な影響を与える可能性を高めるという結果も出ています。

禁煙は出産後、赤ちゃんをタバコの煙から守ってもくれます。禁煙は未来の家族を守ることにもなるのです。

禁酒

少なくとも妊娠中は禁酒しましょう。

妊娠中の飲は、胎盤を通して赤ちゃんがアルコール摂取をしていることになるのです。近年の研究成果でアルコール分解時に作られる物質が、赤ちゃんの正常な成長を阻害しているとの報告があります(※5)。

妊娠中の飲酒は「胎児性アルコール症候群(FAS)」の原因になります(※5)。この病気になると、出産後に赤ちゃんに知能や発達の障害が出る恐れがあります。また妊娠中の飲酒により、赤ちゃんの目が小さく唇が薄いといった特徴が現れるという指摘もあります。

そのほかに臓器の異常や行動の異常といった危険もあります。禁酒は赤ちゃんを守るために大切な対処法なのです。

早食いをしない

早食いを控えることも妊娠中のめまいや立ちくらみの対処法です。早食いをすると体の中は栄養を運ぶために、フル回転した状態となります。心臓に負担をかけ、動悸を起こす原因となるのです。早食いをやめ、よくかんでゆっくり食べれば、心臓への負担も減らし動悸を抑えるでしょう。

忙しいとつい早食いになりがちですが、ゆったりとした食事はゆとりと健康をもたらします。早食いはどの世代でも改善すべき食習慣です。早食いの改善は出産後の健康への対処法ともなります。また動悸を抑えることにもつながります。

リラックスする

リラックスすることがめまいや立ちくらみの対処法になります。ホルモンバランスが崩れる妊娠中は、自律神経も乱れやすくなります。自律神経が乱れるとストレスや不眠、めまい、立ちくらみの原因となるのです。つわりで気持ち悪いこともそういった症状をよりつらく感じさせます。

妊娠中はホルモンバランスの変化による体調不良がよく起こります。動悸を感じるなどつらいときは無理せず、一休みして気分転換をするなどリラックスしましょう。リラックスは妊娠中の不快な症状をやわらげる大切な対処法です。

規則正しい生活を送る

規則正しい生活を送ることもおすすめの対処法です。気持ち悪い状態が続く妊娠初期は、規則正しい生活を送ることは難しいかもしれません。しかし、リラックスすることを意識した生活は血液のめぐりを良くし、心臓への負担を減らし動悸を軽減することにもつながります。

規則正しい生活は、気持ち悪い、動悸を強く感じるなど不快な症状が治まってから無理なく始めましょう。体調によっては起床や就寝の時間がズレることもあるでしょう。無理なくリラックスしながら行う、くらいの感覚で過ごせば大丈夫です。

低血圧や低血糖を改善

妊婦さんが低血圧や低血糖なら、それらを改善することでめまいや立ちくらみを予防することができます。急に立ち上がらない、余裕を持って動く、こまめな間食で空腹を抑える、しっかり食事をするといったことに心がけましょう。

増田陽子

内科医

この時期は気持ち的にも不安定になりやすい時期です。そのような場合にはパートナーに話を聞いてもらったり、友達と話したりとできるだけリラックスできる事を行いましょう。

適度な運動を心がける