妊娠初期はレントゲンNG?気づかずX線撮影したけど胎児に影響は?

【医師監修】妊娠初期に、妊娠していることに気づかずレントゲン撮影をしてしまった経験がある方いませんか?妊娠中のレントゲン撮影に不安を持つ方が多くいます。妊娠初期のレントゲンが胎児と母体に及ぼす影響について具体的にご説明します。ぜひご覧ください。

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専門家監修
増田 陽子
内科医 、救急医。平成22年St. Methew School of Medicine大学医学部卒業 、Larkin Hospital、J.N.F Hospitalにて勤務。日本医師資格に加え、・・・
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Contents
目次
  1. 妊娠初期のレントゲン撮影がなぜNGと言われているのか
  2. 妊娠中に胎児がレントゲンによって受ける被爆の影響は?
  3. 妊娠初期に気づかずにレントゲンを撮ってしまったら
  4. 妊娠初期にレントゲン撮影されるかもしれない部位は?
  5. 妊娠初期のレントゲン撮影方法
  6. 妊娠初期に歯医者さんで撮るレントゲンも胎児に影響があるか?
  7. レントゲン以外の検査による胎児への影響は?
  8. 妊娠初期の医療検査以外の被ばくはあるのか
  9. 妊娠初期の健康診断
  10. 妊娠初期のレントゲンは必要に応じて

妊娠初期のレントゲン撮影がなぜNGと言われているのか

妊娠初期のレントゲン撮影はなぜNGと言われているのでしょうか。一般的なレントゲン撮影は、X線を照射する装置と画像を焼きつけるフィルムの間に立って放射線を浴びる検査です。妊娠期の母親が放射線を浴びると、体内の赤ちゃんも放射線を浴びることになり不安ですね。

放射線を浴びると、人体を形成する細胞内のDNAが破壊されることもあり、正しい遺伝情報が胎児に伝わらなくなるのではと心配になります。妊娠初期のレントゲン撮影には、どれほどのリスクがあるのでしょうか?

妊娠中に胎児がレントゲンによって受ける被爆の影響は?

妊娠4~16週以内で、妊娠中のレントゲン撮影によって胎児が被ばくすると「発達障害などの危険性が出てくるのでは?」と言われています。しかし国際放射線防護委員会(ICRP)が定めた基準によると「100mGy未満の胎児被ばくで妊娠中絶を選択してはならない」となっています。理由は、100mGy未満の被ばく量では胎児への影響はないからです。(※1)

公益社団法人日本放射線学会では「通常のX線診断検査において、この100mGyという胎児線量を超えることは極めてまれ」としていて、通常のレントゲン検査では胎児の被ばくはないと考えられます(※1)。(mGy:ミリグレイ:物に吸収される線量単位)

(妊娠中の被ばくについては以下の記事も参考にしてみてください。)

妊娠初期に飛行機は大丈夫?放射線の影響がある?海外旅行は要注意!

妊娠初期に気づかずにレントゲンを撮ってしまったら

妊娠初期に気づかずレントゲンを撮ってしまった場合は、どうしたらいいのでしょうか。その場合は、まず病院へ行きましょう。そして、妊娠何週目あたりにレントゲン撮影をしたかを話して、専門家の判断を仰ぐのがいいですね。

5人目のお子さんのときは気づかず、妊娠中期にレントゲン撮影を受けてしまったようですね。しかし、健康体のお子さんが生まれて一安心した体験談です。

(妊娠の初期症状については下記の記事も参考にしてみてください。)

妊娠超初期症状の17の特徴!妊娠の兆候はいつから現れる?

妊娠初期にレントゲン撮影されるかもしれない部位は?

妊娠初期にレントゲン撮影されることになった場合、撮影される箇所が腹部や腰部のときは胎児への影響を考えてしまうことでしょう。レントゲン撮影で胎児が被ばくする可能性の線量はどのくらいなのか知りたいですね。以下でレントゲン撮影する身体の部位によって胎児への被ばく線量がどう変わるのかご紹介します。(※2)

〇頭部 0.01mGy   〇腹部 1.4mGy    
〇胸部 0.01mGy   〇腰部 1.7mGy
〇骨盤 1.1mGy 

妊娠後期では帝王切開の可能性などの必要に応じて、レントゲン撮影をすることもあります。レントゲン撮影が胎児に及ぼす線量を、ICRPの提示している基準値と比べるととても少ない感じがします。妊娠中期から後期でのレントゲン撮影ならさらに胎児に及ぼす影響は少ないでしょう。

妊娠初期のレントゲン撮影方法