妊婦健診の血液検査で何がわかる?検査項目・費用は?回数・頻度も紹介!

【医師監修】妊婦健診の血液検査はどんな検査で何がわかるのでしょうか。検査結果次第では治療も必要となるので気がかりです。血液検査の項目、費用、回数、頻度などについて妊娠初期、中期、後期別にドクターの助言を交えて紹介します。初めて妊婦さんは特に参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 妊婦健診の血液検査で何がわかるの?
  2. 妊婦健診の血液検査の回数・頻度は?
  3. 《妊娠初期》の血液検査の項目
  4. 《妊娠中期・後期》の血液検査の項目
  5. 妊婦健診の血液検査にかかる費用は?
  6. 妊婦健診での血液検査の結果はいつわかる?
  7. 妊婦健診の血液検査について理解しよう!

C型肝炎のウイルスの抗体の有無を調べるHCV抗体検査もあります。B型感染ウイルスと同じように、妊婦さんに抗体があるかを調べる項目です。C型感染ウイルスは妊娠中に妊婦さんから胎児まで感染してしまう恐れがあります。母子感染してしまう確率は5パーセントほどと低いですが、妊婦健診で発見して、早めに対処ができることが1番大切ですね(※2)。

風疹抗体検査

風疹は、発疹や発熱、リンパの腫(は)れなどを引き起こすウイルス性の病気です。妊婦さんに風疹の抗体がなく妊娠初期に風疹を発症してしまった場合は、胎児に発達の遅れなどの障害が残る恐れが高くなります(※3)。妊娠初期の妊婦さんにとって非常に大切な検査です。必ず受けましょう。

また、妊娠前に「風疹の抗体がない」と分かっている場合は、早めに予防接種を受けることが大切です。

(妊婦の風疹については以下の記事も参考にしてください)

妊婦は風疹に要注意!胎児に影響が?妊娠中に抗体がないと?予防法は?実体験も

不規則抗体検査

妊婦健診の血液検査の項目の1つに「不規則抗体検査」というものがあります。不規則抗体というのは、他人の血液が自分の体に入ってきた時に「これは自分の血液ではないから排除しよう」とはたらく抗体のことです。(※4)

胎児の血液型が妊婦さんと違う場合、不規則抗体を持っていると、妊婦さんの血液に赤ちゃんの赤血球が壊されてしまいます。赤血球を破壊された赤ちゃんは新生児溶血性貧血を起こしてしまう危険性がありますので、不規則抗体検査の結果も、妊娠初期の妊婦さんにとって大切でしょう。

血糖検査

妊婦さんの血糖値が高いと、妊娠中に糖尿病になることが考えられます。

妊婦健診を受ける前に甘いものを飲んだり食べたりすると血糖値が急激に上がることが考えられますので、血液検査の前に甘いものを食べることは避けた方が良いでしょう。できるだけ血糖値を正常な状態にして検査を受けてくださいね。

トキソプラズマ抗体検査

トキソプラズマというのは寄生虫の1種です。トキソプラズマに感染すると流産をしてしまう可能性もあるので、抗体があるか調べることはとても大切です(※5)。

トキソプラズマ抗体検査は任意の検査ですが、妊婦健診の血液検査の必須項目にしている病院も多いですよ。

HIV抗体検査

エイズ(後天性免疫不全症候群)にかかっているかどうかを調べるHIV抗体検査もあります。HIVに感染をすると、その名前の通り免疫力が低くなってしまうので、妊婦さんや胎児がいろいろな病気にかかりやすくなり、とても危険です。

HIVの抗体検査をして「陽性」という結果が出てしまった場合は、一体どうなるのでしょうか?

妊婦さんがHIVに感染していても「抗HIV剤の投与・帝王切開」などの対処をすることで胎児に感染する確率をかなり抑えることができます。しっかり血液検査をしたうえで、妊娠・出産に関して医師と前向きに相談をすることが大切です。(※6)

HTLV-I検査

白血病を引き起こす原因の1つといわれているウイルスの有無を調べるHTLV-I検査もあります。出産や授乳の時に赤ちゃんに感染しないように、妊娠初期の段階で血液検査をします。HTLV-Iに感染していた場合は、赤ちゃんが成人T細胞白血病やHTLV-l関連骨髄症などに感染してしまう可能性が高いといわれているからです(※7)。

特に、お母さんが母乳をあげる時に感染しやすいといわれています。HTLV-Iについて妊娠初期の段階で医師と相談することはとても大切です。

リエ先生

産婦人科医

妊娠中、時期に応じて血液検査があります。貧血チェック以外に様々な感染症、糖尿病のチェックが主です。感染症とは、赤ちゃんに感染した場合、重篤になるものをチェックしています。

《妊娠中期・後期》の血液検査の項目

妊娠中期・妊娠後期の妊婦さんの血液検査の内容を紹介していきます。妊娠初期よりも検査の項目が少なくなりますが、どちらもとても大切な検査なのでしっかりと受診をしましょう。

貧血検査

出産が近くなるとますます貧血が酷(ひど)くなってしまう場合もあるので、貧血検査は妊娠初期だけでなく妊娠中期・妊娠後期にも検査をします。貧血の状態が続くと出産の時に妊婦さんや胎児への負担が大きくなってしまいますし、輸血が必要になるケースもあります。妊娠中期・後期まで貧血が続く場合は、鉄分をしっかり取るようにしてください。