ノンストレステスト(NST)の目的とは?方法・グラフの見方・費用など詳しく解説

【医師監修】妊婦検診の「ノンストレステスト」とはどんな検査なのでしょうか。あまり聞きなれませんが、ノンストレステストの目的、方法、受ける時期、検査結果のグラフの見方、費用などについて、先輩ママの体験談やドクターの助言を交えて解説します。ぜひ参考にしてください。

Contents
目次
  1. ノンストレステストって何?
  2. ノンストレステストを受ける目的
  3. ノンストレステストを受ける時期
  4. ノンストレステストの方法・かかる時間は?
  5. ノンストレステストの結果のグラフの見方
  6. ノンストレステストでかかる費用
  7. ノンストレステストはみんな受けた?~先輩ママの体験談~
  8. 安産のためにノンストレステストを受けてみよう!

ノンストレステストって何?

妊娠すると数週に1度、妊婦健診を行います。この妊婦健診とは、お母さんと赤ちゃんの健康状態や赤ちゃんの発育状態をみて安心・安全に出産を乗り切るための検査です。健診内容は、通常の健康診断のような血液・尿・体重・血糖値などの検査と、妊婦特有の検査があります。

この記事では、その妊婦特有の検査の中でもノンストレステスト(NST)と呼ばれる検査について、目的や検査時期・方法やかかる費用などについて詳しく紹介していきます。

ノンストレステストとは

ノンストレステストとは、静かな部屋に横になって行われる検査です。完全に仰向けになると赤ちゃんが入った子宮の重さで母体の下の大静脈を圧迫してしまい、低血圧を起こし具合が悪くなってしまうことがあります。

上体を少し起こしてもたれかかるような体位か、お腹に負担がかからないように横になって無理のない体勢をとりましょう。そしてお腹に分娩監視装置を付け、リラックスした状態で胎児の様子をモニタリングします。

この検査は子宮の張りが無いリラックスした状態で行われることから「Nonstress test(ノンストレステスト)」と呼ばれています。またリラックスした状態で赤ちゃんの心拍数を調べることから、胎児心拍数モニタリングとも呼ばれているのです。

治療方針を決定

ノンストレステストは胎児が小さくても元気に生まれてこられるよう、治療方針を決定するために行っています。

ノンストレステストを受けた結果、陣痛のストレスに胎児が耐えられないと判断した場合には帝王切開となることもあります。特に、妊娠中毒症などのハイリスク妊婦の場合は、予定日までお腹に赤ちゃんがいることが母体や胎児にとって良くない場合があるのです。

(妊娠中毒症については以下の記事も参考にしてください)

妊娠中毒症とは?原因・症状は?食事などでむくみを予防する方法や胎児への影響など解説

ノンストレステストを受ける目的

陣痛が始まり出産となると、つらいのはお母さんだけではありません。出産は長時間にわたるため、狭い産道を通らなければならない赤ちゃんにとっても大きなストレスとなります。赤ちゃんが出産という大きな試練に耐えられるだけの体力や健康状態であるかどうかをノンストレステストで検査すること、確認することが目的です(※1)。

ノンストレステストではリアルタイムで胎児の心拍をモニタリングでき、赤ちゃんの健康状態を知ることができます。お腹の中の赤ちゃんの状態によって分娩の時期や方法を事前に検討します。安全かつ安心してお産に臨めるように準備するためです。

また、ノンストレステストを受けることでお腹の張りがどのくらいの間隔で来ているのかが分かるため、前駆陣痛が来始めているかどうかも確認することができます。

ノンストレステストを受ける時期

妊娠9カ月頃(35週前後)の妊婦健診からノンストレステストを行うのが一般的です。しかし、妊娠高血圧症や切迫早産、胎児の発育不全といったような異常が見られる場合は、妊娠35週を待たずに検査となることもあります。

また、普段から強いお腹の張りを頻繁に感じているようであれば妊婦健診の時に相談したり、不安であれば妊婦健診を待たずに病院へ電話したりしてみましょう。初めての妊娠ならばなおさら、不安になってしまうのは当たり前のことです。病院は身体的な医療措置以外に精神的サポートも行っています。1人で思い悩まずに相談してください。

カズヤ先生

産婦人科医

特に、妊娠高血圧、胎盤早期剥離疑いなど、胎児仮死が疑われる状況では妊娠34週前後から測定されることもあります。 このモニターの結果いかんでは、緊急に帝王切開が選択されることもあります。

ノンストレステストの方法・かかる時間は?

ノンストレステストはどのように行われるのでしょうか?「検査に伴う痛みなどはあるのか」「長い時間かかってしまうのでは?」と不安に感じている人もいるでしょう。ノンストレステストの方法や検査にかかる時間などを紹介していきます。

ノンストレステストの検査方法

ノンストレステストの検査方法は、前述したように静かな部屋でベッドやリクライニングチェアのようなものに仰向けになるか、もたれかかるような体位で行います。そして妊婦さんのお腹に分娩監視装置と呼ばれる機械を取り付けて計測します。

この分娩監視装置には心音プローブと収縮計があり、心音プローブでは赤ちゃんの心音を確認し、収縮計はお母さんのお腹の張りを確認することができるのです。

検査に伴う痛みはほとんどありません。ゴムベルトをお腹に固定させる程度の圧がかかるくらいです。妊婦さんのお腹に分娩監視装置から伸びる2本の心音プローブと収縮計のついたゴムベルトをズレないよう少し強めに巻くだけです。安心してください。