妊婦は抹茶に要注意?アイスもダメ?妊娠中に及ぶ影響やカフェイン含有量について解説!

【医師監修】妊婦さんが抹茶を飲むとどうなるのでしょうか?この記事では抹茶に含まれる栄養素や、抹茶自体のカフェイン含有量、摂取し過ぎた場合に妊婦さんに及ぶ影響や、アイスなどのスイーツ・フラペチーノなど抹茶関連の飲み物についても紹介していきます。

Contents
目次
  1. 抹茶にはどんな栄養素が入ってる?
  2. 抹茶自体のカフェイン含有量は?
  3. 妊婦さんが抹茶を摂取し過ぎた場合どんな影響がある?
  4. 妊婦さんは抹茶のアイスなどスイーツなら大丈夫?
  5. 妊婦さんはフラペチーノなど抹茶の飲み物でも影響がある?
  6. 妊婦さんにとって抹茶はメリットもある?
  7. 妊娠中に抹茶を摂取していた人の体験談
  8. 妊娠中でも正確な知識があれば抹茶を飲んで大丈夫!

抹茶にはどんな栄養素が入ってる?

妊娠中は健康的な生活が送れるように、栄養バランスのとれた食事を勧められますよね。抹茶にはたんぱく質や食物繊維、ビタミンなどの栄養素がふんだんに含まれています。また、妊婦さんに必要な葉酸や鉄分も含まれているため、身体に良いことづくめなのです。

しかし、過剰摂取が望ましくないカフェインが含まれているので、抹茶を飲む際には注意すべき点がたくさんあります。この記事では、抹茶に入っている成分の中でもカフェインについて、その含有量や妊婦さんに影響を及ぼす可能性、メリットなどを紹介していきます。

抹茶自体のカフェイン含有量は?

妊娠中や産後の授乳中は、カフェインの過剰摂取を控えるようにと医師から言われることがあります。そのため、普段から抹茶を好んで飲んでいる妊婦さんにとっては、抹茶にカフェインがどのくらい含まれているかが気になるところですよね。ここでは、抹茶のカフェイン含有量やその効果、カフェインを摂取した場合の影響について紹介していきます。

抹茶のカフェイン含有量はどのくらい?

抹茶粉末100g中のカフェイン含有量は3.2gです(※1)。茶葉そのものを粉末状にして作られる抹茶は、お湯で抽出するほかのお茶よりもカフェインが多く含まれているのです(玉露を除く)。

地域や流派、好みにもよりますが、抹茶1杯には抹茶粉末が約1.5~2g、濃茶だと約3~4g入っています。ここからカフェインの含有量を算出すると約48~64mg、濃茶には約96~128mg含まれていることになります。この量を目安として頭に入れておきましょう。

(カフェインについては以下の記事も参考にしてみてください)

妊婦はカフェインに注意!可能な摂取量は?妊娠初期から胎児に影響が?

カフェインにはどんな効果や影響があるの?

カフェインには眠気を抑制する作用と利尿の作用、集中力向上などの効果があります。また、カフェインの興奮作用が自律神経に刺激を与えたり、身体の老廃物を排出したりする作用があると言われているのです。

眠気は脳内にあるアデノシンという物質によって起こります。カフェインにはアデノシンの力を抑制する働きや脳を覚醒させる作用があり、眠気を抑えたり集中力の向上が期待されるのです(※3)。また、尿の量を増加させて老廃物の排出を促す効果もあり、体内の余分な水分を減少させることで血圧低下の効果が期待できます。

しかし、カフェインの効果はあくまで興奮や覚醒作用であり「回復効果」ではありません。摂取すればするほど自律神経が正常に働かなくなり、反対に頭痛や下痢などの身体の不調につながりかねないのです。薬や栄養素の過剰摂取が注意喚起されているように、カフェインも摂り過ぎることによって身体に害を及ぼす可能性があります。

妊婦さんが抹茶を摂取し過ぎた場合どんな影響がある?

妊婦さんのカフェイン摂取量の制限については世界保健機関(WHO)で注意喚起されており、欧州食品安全機関(EFSA)では「1日のカフェイン摂取量が200mg以下であれば安全性に問題は生じない」とされています(※2)。上記をふまえて考えると、抹茶粉末1.5gで抹茶をいれた場合には4杯、128mgの場合には1杯までが上限ということになります。

普段から抹茶を飲んでいた場合、カフェインが入っているからといって妊娠中に飲むのを中断するのは難しいですよね。もし、妊婦さんが抹茶を摂取し過ぎた場合にはどのような影響が出ると考えられるのでしょうか。

リエ先生

産婦人科医

コーヒーや紅茶だけでなく抹茶や緑茶などのお茶にもカフェインは含まれています。カフェインは依存性があるため、日頃からカフェインを摂取している人は、急に止めるには苦労するかもしれません。1日1杯なら気にし過ぎる必要はありませんが、それ以上は控える様に心がけましょう。

抹茶の摂取し過ぎは妊婦さんにどんな影響が?

妊娠中に抹茶を摂取し過ぎてしまうと、カフェインの影響で不眠になったり腹痛や下痢などの症状があらわれる可能性があります。また、抹茶に含まれるビタミンAの中のレチノールの過剰摂取は、めまいや吐き気、食欲不振や肝機能の低下など重度の症状を引き起こす原因になってしまうこともあるのです。

そのほかにも、抹茶には妊娠中や授乳中におすすめな葉酸やカテキンなどの必要成分も抹茶には含まれています。抹茶の摂取し過ぎによってそれらの成分も過剰摂取することとなってしまうのです。一定量であれば妊婦さんには嬉しい成分ですが、多く摂りすぎると妊婦さんの身体に悪影響を与えてしまう可能性もあります。

リエ先生

産婦人科医

カフェインの過剰摂取により、低出生体重児が増えることが明らかになっています。自分が日頃飲んでいるものにカフェインがどの程度含まれているか考えることから始めてみましょう。妊娠中は出来るだけカフェインの入っていないお茶やコーヒーを飲む様に心がけましょう。

妊婦さんだけでなく胎児にも影響が?

抹茶の摂取し過ぎで身体に影響が出るのは妊婦さんだけではありません。お腹の中にいる大切な胎児にまで、影響を及ぼす可能性があるのです。

カフェインの血管を収縮させる作用によって胎児への酸素や栄養素が滞ってしまい、胎児の成長が遅延したり低体重児になったりする確率が上がると言われています。また、ママの肝機能が低下するとカフェインの分解や排出が難しくなります。そのため、摂取し過ぎたカフェインがそのまま胎児に届けられてしまい、早産や流産のリスクが高まってしまうのです。

ママとお腹の中にいる胎児の安全のためにも、抹茶は摂取量をコントロールする必要があるでしょう。