妊婦の静脈瘤とは?原因・対策は?妊娠中は足・おしり・陰部にできやすい?

【医師監修】妊婦さんが発症しやすい静脈瘤とは、どんな病気でしょうか?足やおしり、陰部にできやすいのでしょうか?発症しやすい原因、症状、予防法などについて先輩ママの体験談やドクターの助言を交えて説明します。産後の見た目にも関係します。予防法を知り実践しましょう。

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Contents
目次
  1. 妊婦さんがなる静脈瘤は危険?
  2. 『下肢静脈瘤』『陰部静脈瘤』とは?
  3. 妊婦さんが妊娠中に静脈瘤になりやすい原因は?
  4. 妊娠中の静脈瘤の症状
  5. 妊婦さんの静脈瘤の治療法
  6. 妊婦さんの静脈瘤は予防できる?
  7. 妊娠中に『下肢静脈瘤』『陰部静脈瘤』になった人の体験談
  8. 妊娠中は過ごし方が大切

妊婦さんの10~20%が静脈瘤を発症するといわれています。どのような症状でしょうか。症状を知っておくことで早期発見にも繋がります。悪化する前に対処することもできるでしょう。

初期症状は足や陰部などの違和感

妊婦さんの下肢静脈瘤、陰部静脈瘤の初期症状では、足や陰部などの違和感があります。かゆみやむくみ、だるさなどの症状です。下半身に血液が滞るので、夕方にかけて症状が強くなっていく特徴もあります。

リエ先生

産婦人科医

妊娠中に静脈瘤ができてしまう人がいます。なかでも下肢静脈瘤は立ち仕事をしている人に多くみられます。足を温める他にも、日中は着圧ソックスを履くことが予防にも繋がります。着圧ソックスは締め付け過ぎないものを選びましょう。

(妊娠中のだるさについては以下の記事も参考にしてください)

臨月に体がだるい原因は?眠い・熱っぽい・吐き気など症状別の対処法も!

血管がボコボコと浮き出る

下肢静脈瘤や陰部静脈瘤では、股や足の裏側に血管がコブのようにボコボコと浮き出る症状が出ます。下肢静脈瘤は部位や見た目の太さにより、くもの巣状静脈瘤、網目状静脈瘤、分枝型静脈瘤、伏在型静脈瘤の4タイプに分けられます。(※2)

患部に痛みや熱がある

妊婦さんがなりやすい静脈瘤の症状では、足や股の違和感や血管のコブの他に、痛みや熱がある場合もあります。悪化すると湿疹ができたり皮膚に潰瘍(かいよう)ができてしまったりすることもまれにあり、注意が必要です。

妊婦さんの静脈瘤の治療法

静脈瘤の治療法には硬化剤という薬剤を注入して行う「硬化療法」や血管を引き抜く「ストリッピング手術」などがあります。その他にも血管をしばる「高位結紮(けっさつ)術」やレーザーを照射する「レーザー治療」、伸縮性の強い弾性ストッキングを履いて、下半身に血液が滞ることを防ぐ「圧迫療法」などがあります。(※2)

妊娠中は手術ができないため、主に圧迫療法が行われるでしょう。圧迫療法は静脈瘤を治す治療法ではありません。静脈瘤の進行をおさえ、悪化させないための対処法です。足や股に違和感があったり、血管がコブのようにボコボコしているのを発見したりしたら、早めに弾性ストッキングを着用して、悪化するのを防ぐようにしましょう。

静脈瘤をそのままにしておいても、健康に害が及ぶことはありません。見た目が気になる方や、むくみや痛みなどの症状がつらい方は、産後、育児が少し落ち着いてから積極的な治療法を医師と相談してください。

(弾性ストッキングについては以下の記事も参考にしてください)

マタニティストッキングの時期・用途別の選び方は?おすすめ11選も!

妊婦さんの静脈瘤は予防できる?

妊婦さんがなりやすいに静脈瘤は妊娠中は積極的な治療が行えないため、なるべくなら静脈瘤にならないまま出産を迎えたいですものです。妊婦さんの静脈瘤はどのようにしたら予防できるのか、説明します。

長時間立つことや座ることを避ける

長時間立つことや座ることを避けましょう。妊婦さんの静脈瘤は長時間の立ち仕事をしている人やパソコン業務などで座りっぱなしの人などが発症しやすい傾向にあります。仕事を続けている妊婦さんで、立ち仕事や座りっぱなしの仕事をしている人は、できるだけ立っている時間を減らしたり、歩いたり、弾性ストッキングを履いたりするなどの対処法を試しましょう。

軽いウォーキング