妊婦の静脈瘤とは?原因・対策は?妊娠中は足・おしり・陰部にできやすい?

【医師監修】妊婦さんが発症しやすい静脈瘤とは、どんな病気でしょうか?足やおしり、陰部にできやすいのでしょうか?発症しやすい原因、症状、予防法などについて先輩ママの体験談やドクターの助言を交えて説明します。産後の見た目にも関係します。予防法を知り実践しましょう。

Contents
目次
  1. 妊婦さんがなる静脈瘤は危険?
  2. 『下肢静脈瘤』『陰部静脈瘤』とは?
  3. 妊婦さんが妊娠中に静脈瘤になりやすい原因は?
  4. 妊娠中の静脈瘤の症状
  5. 妊婦さんの静脈瘤の治療法
  6. 妊婦さんの静脈瘤は予防できる?
  7. 妊娠中に『下肢静脈瘤』『陰部静脈瘤』になった人の体験談
  8. 妊娠中は過ごし方が大切

妊婦さんがなる静脈瘤は危険?

妊娠中に足や股などにボコボコとした「こぶ」のようなものを見つけたことはありませんか?それはボコボコと血管が浮き出る静脈瘤(りゅう)かもしれません。静脈瘤は男性よりも女性がなりやすく、妊婦さんにも見られる症状と言われています(※1)。

妊婦さんが静脈瘤になると危険なのでしょうか。妊婦さんがなりやすい下肢静脈瘤や陰部静脈瘤とはどのようなものなのか、妊婦さんが静脈瘤になりやすい原因、症状、治療法、予防法などについて説明していきます。静脈瘤になった先輩ママの体験談も紹介します。チェックしてください。

『下肢静脈瘤』『陰部静脈瘤』とは?

静脈瘤とは血液の逆流を防ぐ静脈の弁が壊れたり、働くなってしまったりすることで血液の逆流が起こり、どこかにたまってコブができる病気のことをいいます。下肢静脈瘤という言葉は、聞いたことのある人も多いかもしれません。妊婦さんがなりやすい下肢静脈瘤や陰部静脈瘤はどのような病気なのでしょうか。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は多くの場合、足に向かう静脈の根元で逆流が起こり、足の静脈にコブのようなボコボコとしたふくらみがでます。良性の血管の病気なので、そのまま放置しても健康を害することはありません。自然治癒(ちゆ)はしないため、見た目の問題やむくみなどの症状で日々悩む人も少なくありません。

陰部静脈瘤

陰部静脈瘤は下肢静脈瘤と違って、陰部へ向かう静脈が骨盤内で逆流する病気です。妊娠がきっかけとなり発症することが多く、陰部や股、足の付け根、おしり、太もも裏、膝の裏などの血管がボコボコふくれる状態になります。お腹の中の赤ちゃんには影響はありませんが、悪化すると妊婦さんへの負担が大きくなってしまうので、対処すること必要があります。

妊婦さんが妊娠中に静脈瘤になりやすい原因は?

妊婦さんの10~20%にみられる足や股などの静脈瘤ですが、なぜ妊婦さんは静脈瘤を発症しやすいのでしょうか。その原因について説明します。

女性ホルモンの影響

女性ホルモンの影響が妊婦さんの静脈瘤の一因です。妊娠中はお腹の中の赤ちゃんに必要な栄養や酸素を送り込むため、血液量が増えて血管が広がります。ただ、妊娠で増える女性ホルモンのエストロゲンには血管を拡張させる働きがあるため、この影響で静脈の弁の働きが弱くなり、逆流が起こると考えられています。

(エストロゲンの作用については以下の記事も参考にしてください)

エストロゲンとは?どんな作用がある?減ると更年期障害が始まる?

子宮が大きくなったため

妊婦さんが静脈瘤になりやすい原因の2つ目は、子宮が大きくなったことです。妊娠の経過とともに、子宮はどんどん大きくなっていきます。大きくなった子宮によって周りの臓器が圧迫され、同時に静脈も圧迫されます。

静脈が圧迫されると下半身の血流が悪くなり、静脈内の圧が上がって弁が壊れたり、働きが悪くなったりすることで静脈瘤が発生しやすくなるのです。このため妊婦さんが静脈瘤になりやすい時期は、お腹が大きくなる妊娠中期以降がほとんどです。

妊娠中の静脈瘤の症状