帝王切開の手術時間はどれくらい?手術前検査〜術後までの流れ、回復時間などを解説

【医師監修】現在では、妊婦の4~5人が帝王切開で待望の赤ちゃんと対面すると言われています。帝王切開の手術前検査の内容や、前日から当日までの流れ、手術時間などを解説していきます。また、麻酔の効果が続く時間や、手術後の痛み・かゆみなどの回復時間についても紹介します。

( 2ページ目 )
Contents
目次
  1. 帝王切開と自然分娩は分娩時間に違いはある?
  2. 帝王切開が決まる時期や手術前検査の内容は?
  3. 帝王切開の手術の前日から当日の事前準備はある?
  4. 帝王切開の手術の流れや所要時間は?
  5. 帝王切開で使う麻酔の持続時間は?
  6. 帝王切開の手術後の流れは?
  7. 帝王切開の手術後の痛み・かゆみなど、回復までの時間は?
  8. 帝王切開について理解しよう!
予定帝王切開日はいつ決まる?手術の流れ・入院準備は?体験談を交えながら解説

帝王切開の手術前検査の内容

帝王切開が決まったら、手術前検査が必ず必要です。手術前検査の時期は病院によって異なりますが、手術当日の2~3週間前に行う病院が多いでしょう。検査の内容は血液採取、検尿、血圧・体重測定、心電図、肺機能検査、胸部レントゲン撮影を行います。

帝王切開の手術前検査では、母体の貧血や炎症の有無、内臓の機能、出血の止まりにくさなどを見て、当日の麻酔の方法を考えます。また、横になってお腹にベルトをまくNST検査や超音波検査では子宮の収縮具合や赤ちゃんの状態も見るので、時間に余裕を持って行くべきでしょう。

帝王切開の手術の前日から当日の事前準備はある?

帝王切開は手術日の前日に入院するケースが多く、翌日の出産を前に高揚感がいっぱいになるママも多いでしょう。いつ来るのかわからない自然分娩にくらべ、帝王切開は心の準備ができますね。手術前日と当日は実際にどのように過ごすのでしょうか。

手術前日からの行動制限

入院当日は手術などの説明を聞いたり同意書の提出のほか、メスを入れる部分の体毛を剃ったり、腸内をきれいにするために下剤や浣腸をする病院もあります。また胃の中を空にするため食事制限が必要となり、前日夜9時以降は飲食禁止となる場合がほとんどでしょう。帝王切開手術の麻酔の影響で嘔吐した場合に気管支がつまるのを避けるためです。

手術当日の事前準備

帝王切開手術当日は絶食が続き、トイレのタイミングについても制限がかけられます。母体の尿道に管を通して、膀胱がたまった尿で膨らまないように処置されます。帝王切開手術中に、膨らんだ膀胱が邪魔して赤ちゃんをスムーズに取り出せなくなったり、膀胱自体を傷つけないようにするためです。

術後歩いてトイレに行けるようになるまでは、管を通したままの状態となります。また、水分補給の点滴が始まり、膣内洗浄を行ったり、弾性ストッキングをはいて足の静脈の血栓予防をする病院もあります。

カズヤ先生

産婦人科医

弾性ストッキングやエアーマッサージャーは血栓症、急性肺塞栓の予防のためです。 これらに加えて早期離床などの予防策を行うことで、確率は約1/5000までに減少しています。

帝王切開の手術の流れや所要時間は?

いよいよ帝王切開手術の時間が来たら、手術室に向かいます。赤ちゃんを出産するまでの帝王切開手術の流れや手術にかかる時間はどれくらいなのでしょうか。医師からも手術の流れは説明を受けるはずですが、事前に知っておくと安心でしょう。

帝王切開開始から終了までの手術の流れ

帝王切開手術には、産科医・麻酔科医・看護師・小児科医・助産師が立ち会い、まずは麻酔をかけます。麻酔の種類は母体の状況によって違いますが、麻酔が効いたことを確認してから手術開始です。お腹の切開方法は、赤ちゃんを早く取り出す必要がある緊急帝王切開では「縦切り」予定帝王切開では「横切り」が一般的な方法となります(※3)。

赤ちゃん誕生後は胎盤を取り出し子宮内をきれいにしてから縫合となります。子宮の縫合には溶ける糸を、皮膚の縫合には医療用ホチキスのような器具を使って縫い合わせるのです。切開から縫合まで麻酔が効いているので、痛みを感じることはほとんどありません。

帝王切開手術の所要時間