産休中や後に退職するデメリットは?手当や制度が対象外に?体験談も

産休中・後に仕事を辞めようと考えている方はいませんか?この記事では産休中や後に退職する場合の手当・制度や、デメリットについてご紹介します。ぜひこの記事を参考に、産休中・後に退職する際の手当てや制度、会社での手続きなどに関する理解を深めておきましょう。

Contents
目次
  1. 産休中や後に退職するのはあり?
  2. 産休中に退職した場合の手当・制度は?
  3. 産休後に退職した場合の手当・制度は?
  4. 退職するなら産休中と後どっちがいい?
  5. 産休中や後の退職について理解しておこう

産休中や後に退職するのはあり?

産休とは、出産予定日の6週間前から出産当日にあたる産前休業と、出産の次の日から8週間までの産後休業を合わせたものを言います。(※1)

産休中や、産休の後に育休へ入らないまま仕事を辞めることは、法律や会社との契約において問題があるわけではありません。ただ、上司や同僚に負担をかけたまま仕事を辞めることになるので、良い印象を残して会社を去るのは難しいと言えるでしょう。

産休中や産休後に復帰することなく仕事を辞めることについては「法律・契約上はありだが、マナーやモラルの面から考えるとなし」だと捉えておいてくださいね。では、産休中や後に退職した場合、会社の上司・同僚はどう感じるものなのでしょう?ここで「産休中や産休後に退職をした社員がいる」という方たちの体験談をご紹介します。

OL

20代後半

この間、会社の同期が産休の終わりかけになって退職した。その理由は「娘と離れるのがつらくなった」だって。その子が産休でいない間、結構わたしも先輩も仕事で大変な思いしてたのに。それに、もうちょっとまともな理由じゃなきゃ、社会人としてどうなの?って思っちゃう。

会社役員

40代後半

産休中や、育休に入らず突然仕事を辞められると本当に困る。早急に代わりの人を見つけなきゃいけないしね。せめて産休に入る前に「仕事と育児を両立できるのか」「子どもの預け先はあるのか」といったことをよく考えて、退職の可能性があることを伝えておいてほしい。

同僚や部下が産休中や後に退職した方の体験談からも、産休中・後に仕事復帰せず退職するのはあまり良いことではないと言えるでしょう。産休中や産休後に退職の可能性があるのであれば、早いうちに会社に伝えておくことをおすすめします。

(妊娠中の退職については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠中に退職するタイミングは?保険の手当など、もらえるお金の手続きについても!

産休中に退職した場合の手当・制度は?

ここからは、産休中に退職した場合の手当や制度についてご説明します。産休中に仕事を辞めると、先ほど触れたようなマナーの面だけでなく、手当や制度の面においてもデメリットが生じることをご存知ですか?「産休中の退職を検討している」という方は、ぜひこちらに目を通して手当・制度に関するデメリットについても知っておくと良いでしょう。

出産手当金

産休中に退職すると、基本的には出産手当金を受け取ることができなくなります。出産手当金の制度は「出産予定日の42日前から産後56日(双子以上の妊娠では98日)まで、手当金を受け取ることができる」というものです。また、出産手当金を受け取るには会社の健康保険組合に加入している必要があります。(※2)

ただ、産休中に退職した場合でも、ある条件をすべて満たしていれば出産手当金を受け取ることが可能です。その条件は以下の通りになります。

●退職日までに、会社の健康保険組合に継続して1年以上加入している
●出産手当の支給期間内に退職する
●退職日当日も会社へ出勤していない

(出産手当金の支給や手続きについては以下の記事も参考にしてみてください)

出産手当金の支給日はいつ?条件や申請の手続き、金額はいくらか計算する方法も

出産育児一時金

出産育児一時金も一定の条件を満たしていない限り、産休中に退職すると支給されなくなってしまいます。出産育児一時金も会社の健康保険組合から受け取ることができるお金で、その金額は子どもひとりにつき最大で42万円です。また、退職後に夫の扶養に入れば、夫の会社の健康保険組合から出産育児一時金が支給されます。(※3)

そして、産休中に退職しても出産育児一時金が支給されるケースもあり、その条件は以下のようになっています。すべての条件を満たす必要があるので、注意しておいてくださいね。

●退職日までに、会社の健康保険組合に継続して1年以上加入している
●退職日から6ヶ月以内に出産する

育児休業給付金

産休中に退職することで一切受け取れなくなってしまうのが、育児休業給付金です。育児休業給付金は育休を取った場合に会社の健康保険組合から支給されるもので、給料のおよそ7割(半年以降は5割)を受け取れます。産休中に退職すると育休を取ることは不可能なので、もちろん育児休業給付金も支給されません。(※4)

失業保険

失業保険による手当も、産休中に退職してしまうと受け取ることができない可能性が高いでしょう。失業保険の手当てを受給できるのは、次の仕事をいつでも始められる状態である場合のみです。妊娠や出産、育児を控えていると、産休中の退職後すぐに再就職の手続きをすることはできませんよね。

「子どもを預けるところがあれば、産後すぐにでも仕事ができるのでは?」と疑問に感じた方もいるでしょう。しかし、法律においても「産後8週間以内は仕事をしてはいけない」と定められているため、失業保険による手当を得ることは難しいと言えます。