妊娠初期はレントゲンNG?気づかずX線撮影したけど胎児に影響は?
【医師監修】妊娠初期に、妊娠していることに気づかずレントゲン撮影をしてしまった経験がある方いませんか?妊娠中のレントゲン撮影に不安を持つ方が多くいます。妊娠初期のレントゲンが胎児と母体に及ぼす影響について具体的にご説明します。ぜひご覧ください。
マンモグラフィーは、最近の健康診断にも取り入れられる「乳房のみをX線撮影する検査機器」です。マンモグラフィーによる撮影は乳がん発見のためで、乳房以外への被ばく量はほぼないと言われています。X線を照射する部位から50cm離れると被ばく量は1/20に減少しますので、妊娠初期から中期・後期であっても胎児への影響はないでしょう。
レントゲン以外の検査による胎児への影響【バリウム検査】
バリウム検査(上部消化管造影検査)は、造影剤のバリウムを飲んで食道や胃・十二指腸などを外から撮影をする検査のことです。バリウムはX線を透過せず、バリウムが流れる様子を見て検査します。バリウム検査1回のX線被ばく量は3.3mSvですから、レントゲンに比べるとかなり高い数値といえます。(mSv:ミリシーベルト:人体に影響する線量単位)
バリウム検査での被ばく線量の高さを考えると、妊娠初期のみならず妊娠中期・後期でも受けないほうが良いでしょう。内臓疾患の検査が必要なときは専門医に相談して、バリウム検査以外の内視鏡検査などに変えてもらうほうが安心ですね。
レントゲン以外の検査による胎児への影響【エコー検査】
お腹に超音波を当てて胎児の様子を調べるのがエコー検査ですが、この検査に放射線は一切使われていません。妊娠初期から中期・後期も関係なく、赤ちゃんへの影響を心配する必要はないですね。安心して検査を受けましょう。
(エコー検査については以下の記事も参考にしてみてください。)
妊娠初期の医療検査以外の被ばくはあるのか

医療検査で使われている放射線が、妊娠中のママや胎児に与える影響についてお伝えしました。放射線は自然界にも存在し、私たちの日常生活の中で放射線の影響を受ける機会が全くないわけではありません。安心して出産に臨めるように、私たちが普段気づかずにいた放射線の影響についてご紹介します。
それは飛行機です。飛行機は宇宙に存在している放射線を浴びながら飛びます。東京とニューヨークを往復した場合で0.2mSvの被ばく量です。レントゲンと比べるとかなり高い数値です。妊娠中期から妊娠後期に搭乗する場合は各航空会社ごとの規定がありますので、専門家に相談しましょう。
(妊娠中の移動手段については以下の記事も参考にしてみてください。)
妊娠初期の健康診断

妊娠初期に職場で健康診断を受ける場合は、問診のときに妊娠していることを伝えましょう。健康診断を受けないという選択肢もありますが、母体の健康状態を確認するためにも受けるメリットはあります。妊娠はしていなくてもその可能性がある場合は、レントゲン撮影を回避するか担当のお医者さんに相談するといいですね。
妊娠初期のレントゲンは必要に応じて

初めての妊娠の場合は特に、些細な体調の変化やつわりなど気がかりになります。幸いなことに、レントゲン撮影のリスクはとても低いことが分かりましたが、妊娠初期の人やレントゲン撮影に不安を感じるという人は受けないほうが良いでしょう。いろいろ心配せず、ゆったりした気持ちで赤ちゃんに会える日を楽しみにしてくださいね。
増田 陽子
内科医
妊娠中はレントゲンの被爆も重要ですが、如何にストレスを貯めないかという生活の仕方も大切です。またレントゲン撮影をしなくてはいけない場合はあまり心配せずに、受けましょう。
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