妊娠超初期の飲酒はダメ?アルコールが胎児に影響するのはいつから?

【医師監修】妊娠中の飲酒は流産や死産、胎児性アルコール症候群などを引き起こすリスクが高いとされています。妊娠超初期にアルコールを摂取した場合、胎児にどんな影響があるか、今回は妊娠超初期からの飲酒が胎児に及ぼす影響について、体験談も踏まえてご紹介します。

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専門家監修
増田陽子
平成22年「St. Methew School of Medicine」大学医学部を卒業し、日本・米国・カリブ海の医師資格を持っています。・・・
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目次
  1. 妊娠中お酒を飲んでも大丈夫?
  2. 妊娠中お酒を飲んではダメと言われるのはなぜ?
  3. 妊娠超初期(0週~4週)の飲酒は大丈夫?
  4. 妊娠超初期(0週~4週)の飲酒による胎児への影響
  5. 妊娠初期(4週~15週)の飲酒は大丈夫?
  6. 妊娠中期(16週~)以降の飲酒は大丈夫?
  7. 胎児性アルコール症候群とは?
  8. アルコールは飲料以外にも
  9. ノンアルコール飲料なら大丈夫?
  10. 赤ちゃんの健康のためしばらくお酒は我慢しましょう

妊娠超初期から胎児の健康に影響を及ぼすアルコール

妊娠中に飲酒していた母親から産まれた赤ちゃんには、成育不全が見られたり、産まれた後の発育に遅れが出たりする場合があります。それらは「胎児性アルコール症候群」といい、大きく3つの症状があります。

妊娠中のアルコール飲酒による 【赤ちゃんへの障害について】

妊娠中の飲酒がお腹の赤ちゃんにとって悪い影響を及ぼすことは明確です。アメリカの小児科学会は「妊娠12週までに母親が飲酒した場合、赤ちゃんに胎児性アルコール症候群の影響による障害がある確率は、飲酒しなかった場合に比べて12倍、妊娠18週まででは61倍、妊娠36週までを通じて飲酒した場合は65倍まで上がる」と発表しました。

妊娠中のアルコール飲酒による 【胎児の発育不全や遅れ】

母親が1日にビール1.5リットル相当以上のアルコールを妊娠初期に飲んでた場合、生まれてきた赤ちゃんの「体重や頭位が明らかに小さい」という統計が厚生労働省から出されています。(※1)

妊娠中のアルコール飲酒による 【中枢神経障害】

母親が妊娠中に飲酒していた場合、生まれてきた赤ちゃんにはADHD(注意欠陥・多動性障害)や精神発達の遅れなど中枢神経障害が出る可能性があるといわれています。(※2)

これらは子供の成長と共に、徐々に症状が現れてきます。うつ病などの精神疾患が見られることもあり、学習能力の低下や感情の制御、対人関係などがスムーズに築けないなども指摘されています。

妊婦のアルコール飲酒による 【赤ちゃんの容姿への影響】

母親が妊娠中お酒を飲んでた場合、出産した赤ちゃんが特徴的な顔つきをしている場合があります。下記が産まれてきた赤ちゃんの特徴です。(※2)

●平べったい顔つき
●鼻や耳が小さい
●上唇が薄い
●鼻と上唇の間が短く、人中が浅い
●小頭症
●顎の骨格が小さい
●目が小さい

増田陽子

内科医

また、子どもによっては体の痙攣、ナルコレプシーなど脳にも異常が出ると言われています。

(妊娠中の飲酒については以下の記事も参考にしてみてください)

人工授精後の過ごし方!飲酒や性行為はダメ?仕事や入浴時は注意!

アルコールは飲料以外にも

アルコール摂取はお酒からだけではありません。料理やお菓子にも多く使われています。

お菓子にアルコールが含まれている場合も