胎児性アルコール症候群とは?妊娠超初期の飲酒も影響する!?

【医師監修】胎児性アルコール症候群は妊娠中のママさんがアルコールを飲酒することによって赤ちゃんにおこる先天性疾患です。妊娠に気付かなく飲酒してしまって慌てるママさんもいらっしゃると思います。ここでは胎児性アルコール症候群とは何か妊娠超初期の飲酒の影響についてご紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 胎児性アルコール症候群の原因は?
  2. 胎児性アルコール症候群の治療法?
  3. 胎児性アルコール症候群による影響
  4. 妊娠超初期に飲酒をした場合
  5. 胎児性アルコール症候群といつわかるのか?
  6. 妊娠中はどのくらいなら飲酒できるか
  7. 産まれてくる赤ちゃんが胎児性アルコール症候群にならないためにはお酒を飲まない!

胎児性アルコール症候群による影響【顔への影響】

個人差はありますが、胎児性アルコール症候群である赤ちゃんの顔立ちには、このような特徴がみられるとされています。

●顔がのっぺりと平たい
●頭が平均より小さい(小頭症)
●鼻が小さい
●上唇が目立つくらい薄い
●顎が顔のバランスに比べると小さい(そのため、噛み合わせが悪い)
●目が小さい(黒目だけしか開かない)
●鼻の下の縦溝が平均より浅い
●耳の位置が平均より低く、反り返りが目立つ


妊娠超初期に飲酒をした場合

妊娠超初期とは妊娠1ヶ月(0~4週)のことです。この時期には妊娠に気付かずアルコールを摂取してしまうママさんも多いですよね。妊娠に気付いた時点でアルコールを止め、飲んでしまったものは元に戻せませんので過剰に心配するのは止めるようにましょう。ストレスはママさんにも胎児にも良くないです。

妊娠超初期では胎児への胎児性アルコール症候群への確率は少ないとされていますが、飲まないに越したことはありません。妊娠がわかった時点でアルコールは絶対にやめましょう。また、妊娠を望んでいる方や心当たりがある方は、いつわかるかわからない状況なので日頃から控えることをオススメします。(※2)

妊娠超初期に飲酒をした場合【妊娠初期 胎児性アルコール症候群の影響】

妊娠初期とは妊娠2~4ヶ月(4~15週)のことで、妊娠超初期から比べて妊娠初期の胎児は中枢神経や脳、心臓などの身体の中で最も重要ともいえる器官が作られる時期です。特に4~9週には特に注意すべきで、最も大事な器官が作られている時期にあたるでしょう。この時期にアルコールを摂取してしまうと、脳に影響を及ぼしてしまう可能性があります。

この時期は特に胎児性アルコール症候群への影響が大きく、特に容姿への影響を引き起こすリスクが高いとされています。

カズヤ先生

産婦人科医

妊娠初期、2ヶ月目ぐらいに頃は器官形成期といって、赤ちゃんにとって非常に重要な器官です。 しかしながらこの時期は、妊娠に気づかないまま、普段通りにアルコールを摂取してしまうリスクが高いです。 ですので、妊娠を考えた時期からアルコール摂取を控えるのがもっとも安全と言えます。

妊娠超初期に飲酒をした場合【妊娠中期 胎児性アルコール症候群の影響】

妊娠中期とは妊娠5~7ヶ月(16~27週)のことです。妊娠中期になると胎動を感じるとともにお腹の中に赤ちゃんがいるということを実感できるようになるでしょう。

この時期にアルコールを摂取してしまうと成長の妨げになり、検診でのエコー検査で「小さい」と診断されるかもしれません。また、中枢神経に影響するともいわれているため、何らかの障害の原因になることもあります。

妊娠超初期に飲酒をした場合【妊娠後期 胎児性アルコール症候群の影響】

妊娠後期とは妊娠後期は全ての器官が完成される、妊娠8~10ヶ月(28~39週)のことです。出産も間近になり、赤ちゃんの体重が増えていくでしょう。この時期にアルコールを摂取してしまうと中期と同じく成長の妨げになり、中枢神経に影響する可能性があります。身体が小さいまま産まれてくると感染症にも気を付けないといけません。

また、産まれるギリギリまでアルコールの影響を受けてしまう器官に「脳、目、歯」などがあげられますので体調が安定する時期ですが気を抜かないことです。

(妊娠中の食べ物については以下の記事も参考にしてみてください。)

妊娠中の食事バランスガイド!摂取制限や食べてはいけない物は?
【妊婦と葉酸】摂取はいつからいつまで?妊活中・妊婦の食べ物のおすすめは?

胎児性アルコール症候群といつわかるのか?

胎児性アルコール症候群は、いつわかるのでしょうか?早くても生後18ヶ月~2歳くらいだとされていますが、この期間でもはっきりと診断するのは難しく、2~9歳くらいから子供の行動などで胎児性アルコール症候群と診断されることが多いとされていでしょう。胎児がお腹の中にいる期間に胎児性アルコール症候群なのか検査する方法はないのが現状です。

胎児性アルコール症候群は個人差がありますので、いつわかるかはっきりとわからないのです。ママさんが「胎児性アルコールかもしれない」「いつわかるのかな」と、心配をしなくても良いようにアルコールの摂取はやめましょう。