【妊婦と葉酸】摂取はいつからいつまで?妊活中・妊婦の食べ物のおすすめは?

【医師監修】妊活中や妊娠初期の妊婦にとても大切な葉酸の摂取。でもいつからいつまで摂取すればいいのかよくわからないですよね。そこで今回は、葉酸が多く含まれる妊活中・妊娠中におすすめしたい妊婦の食べ物と、葉酸をいつからいつまで摂取するとよいかをご紹介します。

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専門家監修
増田陽子
平成22年「St. Methew School of Medicine」大学医学部を卒業し、日本・米国・カリブ海の医師資格を持っています。・・・
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目次
  1. 葉酸について知っておきたいこと
  2. 葉酸って何?妊婦と関係が深いの?
  3. 葉酸はいつからいつまでとるべき?妊娠前や妊娠中の妊婦への葉酸の効果
  4. 妊婦だけじゃない!妊娠前の妊活にも効果的な葉酸
  5. 葉酸サプリメントについて
  6. 妊活や妊娠中の妊婦におすすめ!【葉酸の多い食べ物】
  7. 妊活中や妊娠中の妊婦はバランスよく葉酸を摂取しよう

葉酸について知っておきたいこと

葉酸は「妊娠を希望」している女性や、特に「妊娠初期」の女性は摂取することが望ましいとされています。しかし、葉酸の「摂取の仕方」を間違えたり「摂取量」を誤ると逆効果になる可能性もあります。今回は「葉酸の効果」と「正しい摂取方法」また「妊活中・妊婦におすすめの食べ物」をご紹介します。

葉酸って何?妊婦と関係が深いの?

1941年に「ホウレン草の葉」から発見された葉酸は比較的新しい栄養素で、細胞分裂やDNAの合成など、細胞の生産に関わる重要な栄養です。さらに水溶性ビタミンB群の一種で妊娠と関わりが深く、胎児の成長にも影響を及ぼします。そのため妊婦健診や妊活をして初めて聞いたという人が多いかもしれません。


葉酸は「胎児の神経系の発達」に必要ですが、体内では合成されません。そのため、食事で摂取するか足りない分はサプリメントから摂る工夫も必要です。また体内の蓄積性が低いため、妊娠前から妊娠初期にかけてはとくに摂取したい栄養素になります。(※1)

増田陽子

内科医

ビタミンB群は水溶性ビタミンですので、体に吸収されない分は、尿として体の外に出てしまいます。

葉酸はいつからいつまでとるべき?妊娠前や妊娠中の妊婦への葉酸の効果

葉酸は特に「妊娠前から妊娠初期」にかけて摂取すると効果があると言われています。妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んであるため、葉酸を十分に摂取することが望ましいのです。

葉酸を摂取することは、身体の形成時におこる障害「神経管閉鎖障害」とよばれる「先天異常(二分脊椎・無脳症など)」の発生予防に繋がります。また妊娠前と妊娠中に十分な量の葉酸を摂取すると「神経管欠損のリスクを50%下げる」とも言われています。(※1)

出典:https://www.pakutaso.com/20180208047post-15239.html

「神経管閉鎖障害」とは、神経管(脳や脊髄のもとになる部分)が妊娠初期に、正しく形成されないことで起こってしまう障害です。「葉酸不足」や遺伝などを含めた「多くの要因」が複合して発症します。日本における神経管閉鎖障害は、脊椎に癒合不全が生じて運動機能や知覚が麻痺する「二分脊椎」が大部分を占めています。(※1)

また葉酸は妊娠中期や後期に良く起こる、鉄分不足が原因の「貧血」にも効果的です。さらに母乳の出を良くしてくれるため、妊娠中だけでなく出産後の授乳期間中に摂取するのも効果的なのです。

増田陽子

内科医

神経管閉鎖障害とは、医学先進国である日本の場合において、かなり稀です。定期的な妊娠中の検診が当たり前になっている日本の医療では起こることが珍しいからです。ですので妊娠中にあまり過敏にならなくても大丈夫ですが、知識だけは持っておきましょう。

葉酸の欠乏による妊娠中の妊婦と赤ちゃんへの影響

妊娠初期で葉酸が欠乏すると、胎児の「二分脊椎」や「無脳症」などの神経管閉鎖障害の発症率が上がることが研究発表されました。また「胎盤早期剥離」や「流産」などが起こるリスクも高まります。(※3)

そこで厚生労働省では2000年から、妊娠を望んでいる方や妊娠初期の方に1日480μg(マイクログラム)(=0.48mg(ミリグラム)以下同表記)の葉酸摂取を推奨しており、各市町村の母子手帳にも記載されています。(※1)

出典:https://www.pakutaso.com/20140437114post-4097.html

しかしながら、それ以降も「神経管閉鎖障害」の発症率は出産1万人当たり5、6人で推移しており年間換算では500~600人が発症しています。葉酸は非妊娠時でも0.24mgの摂取が目安とされているので、妊娠中は通常の2倍の葉酸が必要とされます。ゆえに、意識的に摂取しないと「葉酸欠乏症」になるリスクが高まるのです。(※2)

また妊娠中でなくても、低栄養やアルコール依存症の場合には葉酸の摂取量には注意が必要です。なぜなら大量の飲酒は、葉酸の吸収と代謝を妨げ、吸収不良症候群も葉酸の吸収を阻害します。葉酸欠乏症を発症すると「舌炎」「下痢」「錯乱」「抑うつ」を引き起こすともいわれます。

(新生児の障害については以下の記事も参考にしてみてください)

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