妊娠中の性行為はいいの?胎児への影響は?初期〜後期、時期別の注意点!

【医師監修】妊娠中でも性行為をしたいという夫婦は多いでしょう。ただ、妊娠前と同じようにしてもいいのものか、心配にもなります。妊娠中の性行為の是非、胎児への影響、妊娠初期、中期、後期別の注意点などについて、先輩ママの体験談や産婦人科医の指摘を交えて紹介します。

( 2ページ目 )
Commentator
|
専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
> プロフィール詳細
Contents
目次
  1. 妊娠中の性の悩み
  2. 妊娠中の性行為はみんなしている?
  3. 妊娠中の性行為はいいの?
  4. 妊娠中の性行為はどのくらいの頻度でしていいの?
  5. 妊娠中の性行為で胎児への影響はある?
  6. 妊娠中の性行為で気をつけたいことは?
  7. 妊娠中の性行為を控えたほうがいいときは?
  8. 妊娠初期の性行為で流産のリスクはある?
  9. 妊娠初期の性行為の注意点は?
  10. 妊娠中期の性行為の注意点は?
  11. 妊娠後期の性行為の注意点は?
  12. 妊娠中の性行為はいつまでしていいの?
  13. 妊娠中の性行為で危険なサインは?
  14. 妊娠中の性行為で不安なことは医師に相談しよう
  15. 妊娠中の性行為はお互いの気持ちを尊重しよう
  16. 妊娠中の性行為は夫婦の大切なコミュニケーション

妊娠中の性行為が原因で流産してしまったり、胎児に何らかの影響を及ぼしてしまうことはほとんどないといわれています。中には「精子は子宮を収縮させる影響があり早産や陣痛を招いてしまう」と聞き、したくないと思っていた人もいるかもしれません。しかし、こうした話に医学的根拠はありません。

妊娠中の性行為で気をつけたいことは?

妊娠中に性行為をするときには妊娠経過が順調であり、妊婦さんの体が健康であることが前提です。その上で「どのくらいの頻度でするのか」「いつまでするのか」など旦那さんとしっかり話し合って決めましょう。性行為をするときには下記のことに注意しましょう。

妊娠中の性行為で気をつけたいこと【避妊具の使用】

妊娠中の性行為で気をつけたいことは避妊具の使用です。妊娠中は膣内が充血し柔らかく、妊娠前よりも傷つきやすくなっています。性行為をすると、膣内が傷つき妊婦さんが痛い思いをする場合もあるでしょう。他にも、そこから細菌に感染してしまうことや、感染症をひきおこして流産や早産の可能性もでできます。

胎児にも影響を及ぼすことがあります。感染を防ぐためにも避妊具は必ず着用することが大切です。旦那さんが避妊具の着用を渋っても、細菌に感染することのリスクをしっかりと理解してもらい、着用しなかったら性行為はしたくないとハッキリ伝えることも必要です。

カズヤ先生

産婦人科医

妊娠中の性行為を行う際には、コンドームの着用は必須です。 出来るだけ清潔な状態で、感染症を予防することが重要です。 切迫早産は子宮頸管(けいかん)の感染症と一連の関係が有りますので、そこは徹底しましょう。

妊娠中の性行為で気をつけたいこと【身体に負担がかからない工夫】

妊娠中の性行為で気をつけたいことは身体に負担がかからない工夫です。

妊娠中の性行為が問題ないとはいえ、妊婦さんの体に負担がかかるような行為はNGです。妊娠時期によっておなかの大きさが変化していきますが、「おなかが苦しくないよう体位」や「姿勢」などを工夫して、なるべくゆっくりとするようにしましょう。少しでも妊婦さんが「苦しい」「痛い」と感じた場合にはすぐに中断してください。

また、あまりにも長時間に及ぶと妊婦さんの身体に負担がかかります。いつまでも楽しみたい気持ちはあると思いますが、おなかの胎児への影響を第一に考えて、なるべく短時間に留めるようにしておきましょう。

妊娠中の性行為を控えたほうがいいときは?

妊娠経過が順調と言われていても、妊婦さんの体は妊娠前よりも免疫力が下がり体調も変化しやすくなっています。妊娠中に体のことで不安なことがあり、性行為をしてもいいのか迷った時には担当の医師に相談しましょう。気恥ずかしいかもしれませんが、胎児のために不安な要素は取り除きたいですね。

妊娠中に下記のようなトラブルがある妊婦さんは性行為は避けたほうがいいでしょう。

妊娠中の性行為を控えたほうがいいとき【カンジダ膣炎】

妊娠中の性行為を控えたほうがいいときにカンジダ膣炎があります。

妊娠中は免疫力が低下し、妊娠前よりも風邪をひいたり感染症にかかったりしやすくなります。その1つ『カンジダ膣炎』は膣内に常在しているカンジダ菌が繁殖をして炎症を起こすという妊婦さんがかかることが多い病気です。

カンジダは性行為時に痛みを感じる場合があります。また、性行為をすることでパートナーにうつることもあるので、カンジダ膣炎と診断されたら旦那さんに話をして性行為は控えましょう。治療が終わってからも担当の医師にいつまで性行為を控えたらいいのか確認し、感染の心配がなくなってから再開することをお勧めします。(※1)

妊娠中の性行為を控えたほうがいいとき【切迫流産・切迫早産】

妊娠中の性行為を控えたほうがいいときに切迫流産・切迫早産があります。

切迫流産と切迫早産は妊婦さんなら誰にでも起こる可能性のあるトラブルです。切迫流産は22週までに流産が起こりそうになってしまう状態で、切迫早産は22~37週までの間に赤ちゃんの体の機能が整う前に産まれてしまいそうになる状態のことです。

切迫流産と切迫早産と診断された妊婦さんは絶対安静にしていなければならないので、性行為は控えなければなりません。症状が改善した場合も自己判断で性行為をしたりせず、担当の医師にいつまで安静にするのかを確認して、OKが出てから再開するようにしましょう。

妊娠中の性行為を控えたほうがいいとき【子宮頸管が短い】

妊娠中の性行為を控えたほうがいいときに子宮頸管が短い場合があります。

子宮頸管は子宮の下部にあり、膣とつながっている部分で、通常子宮頸管は長さが4.0cmあれば安心といわれています。妊娠中の性行為はこの子宮頸管の長さが短くなる原因とも言われ、早産につながってしまいます。

子宮頸管は安静にすることで長さが戻ることもあります。子宮頸管の長さが戻ったら、医師に性行為はいつまで控えればいいか確認し、問題ない状態になってから再開するようにしましょう。