妊娠中の性行為はいいの?胎児への影響は?初期〜後期、時期別の注意点!

【医師監修】妊娠中でも性行為をしたいという夫婦は多いでしょう。ただ、妊娠前と同じようにしてもいいのものか、心配にもなります。妊娠中の性行為の是非、胎児への影響、妊娠初期、中期、後期別の注意点などについて、先輩ママの体験談や産婦人科医の指摘を交えて紹介します。

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専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
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Contents
目次
  1. 妊娠中の性の悩み
  2. 妊娠中の性行為はみんなしている?
  3. 妊娠中の性行為はいいの?
  4. 妊娠中の性行為はどのくらいの頻度でしていいの?
  5. 妊娠中の性行為で胎児への影響はある?
  6. 妊娠中の性行為で気をつけたいことは?
  7. 妊娠中の性行為を控えたほうがいいときは?
  8. 妊娠初期の性行為で流産のリスクはある?
  9. 妊娠初期の性行為の注意点は?
  10. 妊娠中期の性行為の注意点は?
  11. 妊娠後期の性行為の注意点は?
  12. 妊娠中の性行為はいつまでしていいの?
  13. 妊娠中の性行為で危険なサインは?
  14. 妊娠中の性行為で不安なことは医師に相談しよう
  15. 妊娠中の性行為はお互いの気持ちを尊重しよう
  16. 妊娠中の性行為は夫婦の大切なコミュニケーション

先輩ママ

30代前半

妊娠中は週に1回ほど性行為をしてた。妊娠経過はずっと順調だったのに、32週の妊婦健診のときに子宮頸管を測るとかなり短くなっていると診断されてしまった。入院は免れたが、絶対安静を指示が出て性行為も控えるように言われたけど、生産期に入ったら再開してもいいとのことだったので38週の妊婦健診時に先生に確認してOKをもらって性行為も再開にしました!

カズヤ先生

産婦人科医

子宮頸管長は、妊娠週数にもよります。 腹部緊満感などの症状や、そのほかの要素もあり、長さだけで一概には言えませんが、 一般的には30mm以上あれば問題ありません。 25mmを切るようであれば、入院を勧められる場合もあります。

妊娠中の性行為を控えたほうがいいとき【前置胎盤】

妊娠中の性行為を控えたほうがいいときに前置胎盤があります。

前置胎盤は通常より低い位置に胎盤があり、そのために子宮口をふさいでしまっている状態のことをいいます。前置胎盤になる妊婦さんは0.5%ほどと多くはありません。しかし、これにはまだはっきりとした原因は分かっていないことから予防も難しいのです。

妊娠後期の前置胎盤は入院し、そのまま帝王切開となることが多くなります。妊娠初期の場合は、子宮が大きくなっていくことにより胎盤の位置が少しずつずれ、出産までには問題のない位置になる可能性があるでしょう。出産までの経過を見ながら過ごしていく必要があるため、「性行為は控えるように」と医師からの指示が出る場合が多いです。

妊娠中の性行為を控えたほうがいいとき【医師からの安静指示】

上記以外で妊娠中の性行為を控えたほうがいいときに医師からの安静指示があります。

妊婦さんにはさまざまな妊娠トラブルの可能性があり、担当の医師から安静にするようにという指示があった場合は性行為は控えるようにしましょう。守らずに無理をしてしまうと、妊婦さんの体も胎児の命も危険に陥ってしまう場合があります。旦那さんから求められた場合も「安静指示が出ているのでしたくない」と話して理解してもらいましょう。

妊娠初期の性行為で流産のリスクはある?

妊娠初期は最も流産しやすい時期といわれており、流産する妊婦さんのおよそ9割が妊娠初期の段階で流産しているそうです。妊娠初期は胎児も妊婦さんも不安定な時期のため、妊娠初期に性行為をすると胎児に影響して流産につながってしまうのでと、不安になります。

妊娠初期の12週未満の流産は、ほとんどの場合胎児の染色体異常が原因といわれています。妊娠初期でも病院を受診して胎児の心拍が確認でき、医師に経過が順調と言われた場合には性行為をしても影響はないとされています。ただし行為で痛いと感じたり、気分が乗らずしたくない場合には旦那さんと話をして控えるようにしましょう。

(流産については以下の記事も参考にしてください)

【助産師監修】妊娠初期は流産しやすい?兆候や確率は?出血は危険?
妊娠初期の流産の症状と原因は?出血量や基礎体温に兆候がみられる?

妊娠初期の性行為の注意点は?

妊娠初期はおなかの胎児だけでなく、妊婦さんの体も不安定な時期です。妊娠初期の性行為は赤ちゃんへの影響だけでなく妊婦さんへの体の負担も考えなければなりません。人によってどんな妊娠トラブルがおこるかはそれぞれです。下記のようなトラブルがある場合は、妊婦さんの体への影響を考えて性行為は控えたほうがいいでしょう。

妊娠初期の性行為の注意点【つわり】

妊娠初期の性行為の注意点につわりがあります。

つわりを経験する妊婦さんは全体の80%ともいわれ、程度は人により異なります。なかには日常生活を送ることも難しく、入院するほど重症の妊婦さんもいます。

つわりの症状が落ち着いているときに旦那さんに性行為を求められることがあるかもしれません。性行為によって体に負担がかかり「つわりがひどくなる」「痛みを感じる」「行為中に吐いてしまう」などを経験する妊婦さんもいます。少しでもつわりの症状のある場合は、旦那さんにしたくない理由をきちんと話し、性行為は控えてもらいましょう。

(つわりについては以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠2ヶ月目!流産リスクは?症状・つわり、気をつけること!
妊娠後期につわり?胸焼けや胃もたれの症状も?原因と解消法は?

妊娠初期の性行為の注意点【腰痛】

妊娠初期の性行為の注意点に腰痛があります。

妊娠すると妊娠初期の段階から腰痛を訴える妊婦さんがいます。妊娠すると分泌されるホルモンにより骨盤や関節がゆるみ、腰に負担がかかりやすくなったからだといわれています。痛みの程度は人によって異なりますが、ひどくなると入院する妊婦さんもいます。妊娠中に腰痛があるときに性行為をすると、腰に負担をかけ悪化につながる可能性があります。