妊婦は胃薬を飲んでもいい?妊娠中の胃痛に市販薬は?処方薬が安全?

【医師監修】妊娠中のさまざまな不快症状に悩まされる妊婦は多いと思います。その中でも特に、お腹が大きくなる妊娠後期は日々胃痛に悩むことも。なぜ胃薬が必要なほど胃が痛むのか、妊娠中は胃薬を飲んでもよいのか、妊婦が飲む薬について胎児への影響などを解説します。

Commentator
|
専門家監修
増田陽子
平成22年「St. Methew School of Medicine」大学医学部を卒業し、日本・米国・カリブ海の医師資格を持っています。・・・
> プロフィール詳細
Contents
目次
  1. 妊婦が胃痛で悩むのはどうして?
  2. 妊婦は胃薬を飲んでもいい?
  3. 妊娠中の胃痛に市販薬は?胃薬って飲めるの?
  4. 妊娠中の胃痛に処方薬が安全?
  5. 妊婦は胃薬を飲まずに胃痛をやわらげられる?
  6. 妊娠中胃痛でつらいときは胃薬を飲む前に医師へ相談

妊婦が胃痛で悩むのはどうして?

妊娠中に起こるマイナートラブル。その中でも多くの妊婦さんが胃の痛みを経験します。妊娠すると胃が痛くなるのはどうしてでしょうか。妊娠期間によって原因が変わることもあります。妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期と期間別に胃の痛みの原因をみてみましょう。

(妊娠超初期の胃痛については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠超初期の胃痛について!原因と対策!妊娠の兆候?体験談も!

妊娠初期の胃痛

妊娠初期はつわりによる吐き気、食欲の減退などにより胃痛に悩まされることがあります。逆流性食道炎にも注意が必要です。

(妊娠初期の胃痛については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠初期の胃痛!原因と対処法は?薬は大丈夫?流産の可能性は?

妊娠中期~妊娠後期の胃痛

妊娠中期以降になると日に日に子宮が大きくなり、妊娠後期に入ると子宮はみぞおちの位置まであがってきます。そこまで子宮が大きくなると胃腸が圧迫されて、胃が痛くなることが増えるでしょう。特に食後は胃が圧迫されて痛みが増すようです。

その他の原因として、子癇(しかん)という急激に高血圧になることが原因のけいれん発作があります。その前兆となる症状のひとつが胃の痛みでもあるのです。子癇(しかん)の場合は急にみぞおちあたりが痛くなったり、強い頭痛、目がチカチカして見えにくくなるという症状がでてくるかもしれません。そのような症状がでてきたらすぐ病院へ行きましょう。

(妊娠中期以降の胃痛については以下の記事も参考にしてみてください)

妊娠中期の腹痛の原因は?注意すべき下腹部痛・胃痛はどんな痛み?
臨月の胃痛がひどい…!原因と解消法は?陣痛・出産の兆候?

妊娠中のホルモンバランスによる胃痛

妊娠中はホルモンバランスが変化して胃腸の消化吸収力が弱まりがちです(※1)。胃腸の消化吸収力が弱まっているときに消化の悪いものを食べたり、1度にたくさん食事を取ったりすると胃が痛むことがあります。つわりの時期以外の妊娠中は食欲が増幅していくので、食事量のコントロールも難しくなるでしょう(※2)。

妊婦はストレスを感じやすい

妊娠中は日々、体の変化を感じます。妊娠後期にはお腹の大きさや重み、腰痛などで思うように動けずイライラしたり、出産を目前にして不安も増すでしょう。夜に眠れなくなることもあるほど、様々なストレスを感じやすい環境です。こうしたストレスによって自律神経が乱れ胃痛がひどくなり、我慢できないほどつらい状況になる場合があります。

増田陽子

内科医/救急医 

ストレスにより自律神経が乱れてくると、胃酸が多く分泌されるようになり、胃酸過多による胃痛の原因になる事が多いです。

妊婦は胃薬を飲んでもいい?