【医師監修】妊娠16週の妊婦・胎児の状態は？安定期に突入！症状や注意点！

妊娠16週から妊娠5ヶ月となり、いよいよ妊娠中期に入ります。体のトラブルや不安なことの多かった妊娠初期を乗り越え、ホッとしている妊婦さんも多いのではないでしょうか？体調も落ち着き、妊娠初期まで控えていた外出や活動を再開する人もいるかもしれません。

たしかに妊娠中期に入ると妊婦さんの体は安定してきて楽になったと感じるかもしれませんが、妊娠中は妊婦さんと赤ちゃんにいつ、何が起こってもおかしくありません。無理をし過ぎるとおなかの張りや流産が起こる可能性もあるので、体調が落ち着いたからこそ妊娠16週は赤ちゃんとの時間をゆっくり楽しむようにしましょう。

胎盤は妊娠初期から作られ始め、妊娠16週までには完成します。つわりはhCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）というホルモンの関係で起きるとされています。このホルモンは胎盤を形成する過程で分泌されるため胎盤が完成するとつわりはほとんどおさまると言われています。

調査によるとつわりのあった妊婦さんのうち7割が妊娠16週までにつわりが落ち着いたと回答し、残り3割の妊婦さんは妊娠16週以降もつわりが続き、なかには出産するまでつわりが続いたという人も。つわりの症状が非常に重くなると重症妊娠悪阻と診断されることもあり、重症妊娠悪阻になれば入院し、点滴で治療しなければなりません。

妊娠16週に入るとホルモンバランスの変化によりおりものが増えることがあります。おりものには、妊娠中の膣内環境を酸性にし、細菌感染を防いでくれる効果があります。およそ6割の妊婦さんが妊娠中期からおりものが増えたと回答しており、おりものの量には個人差がありなかには気にならない妊婦さんもいるようです。

この時期のおりものは透明、白、クリームがかった色などであれば正常と考えられます。しかし、必ずしも正常と言い切るのは危険ですので、少しでも心配な場合は医師に相談しておくと安心です。茶色っぽい、血が混じっているようなおりものがあった場合には赤ちゃんからのサインの可能性があるので医師に相談しましょう。

また、おりものが出過ぎたりニオイのきついおりものやぽろぽろとしたチーズのようなおりものがあった場合はカンジダ膣炎などの感染症の可能性があります。妊娠中は免疫力が低下するため、感染症にかかりやすくなっています。おりものが普段と違うと感じたらすぐに病院を受診しましょう。（※2）

妊娠16週頃から出産までにかけて胸が張ってくることがあります。また、張りだけでなく胸の奥がチクチクと痛むような感覚が現れることもあります。これは乳腺が発達し始め乳房の中で母乳を作る準備が行われていることによって現れる症状です。乳首をつまむと透明な液体が滲む妊婦さんもいるかもしれません。

胸の張りは正常な妊娠による体の変化なので心配いりませんが、胸を触ってしこりがあったり、乳首に血が滲むなどの症状があれば病気の可能性があるので産婦人科に相談しましょう。

(妊娠中の胸の張りについては以下の記事も参考にしてみてください。)