胎児の心拍数モニタリングでの正常値は?早い遅いの判断基準について

【医師監修】胎児が成長しているかどうか確認する方法の一つに心拍数モニタリングがあります。しかし胎児の心拍数はどのくらいが正常値なのかなど詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?今回は胎児の心拍数モニタリングの正常値と心拍数の早い遅いの判断基準について説明していきます。

Commentator
|
専門家監修
リエ先生
産婦人科専門医.。国立大学医学科卒業後、初期研修、後期研修を経て、現在大学病院で勤務しています。患者様の不安を少しでも取り除き、正しい知識を啓蒙できればとと思います。
> プロフィール詳細
Contents
目次
  1. 胎児の心拍数モニタリングってなに?
  2. 胎児の心拍数はいつから確認できる?
  3. 胎児の心拍数モニタリングでの正常値は?
  4. 胎児の心拍数の早い、遅いの判断基準は?
  5. 胎児の心拍数モニタリングでわかる6つの結果
  6. 胎児の心拍数に異常が見られた場合は?
  7. 自宅で胎児の心拍数を確認する方法
  8. 胎児の心拍数で心配がある時は健診時に相談を

胎児の心拍数モニタリングってなに?

「胎児の心拍数モニタリングってなに?」と思う方もいるのではないでしょうか。胎児の心拍数モニタリングとは、産婦人科などでは「NST検査(ノン・ストレス・テスト)」とも呼ばれているもので、お腹の張りがない状態(ノンストレス)で胎児の心拍数を確認することによって胎児の心拍数は正常値なのか、基準値以内に収まっているかなど調べる検査のことです。

胎児の心拍数モニタリングでは、胎児の異常や変化を、胎児と妊婦に負担をかけることなくチェックできるため、出産間近の妊婦さんはほとんどの方が経験します。

胎児の心拍数モニタリングは2種類あり「NST検査(ノンストレステスト)」と「CST検査(コントラクション・ストレス・テスト)」の2つです。これらはどのように違ってくるのか説明していきます。

リエ先生

産婦人科医

胎児心拍モニタリングは胎児が元気かどうかを評価する代表的な検査の1つです。判読には知識と経験が必要です。検査結果によっては突然、入院の予定が決まることがあるかもしれません。

NST検査(ノンストレステスト)

NST検査(ノンストレステスト)は出産予定日が近づいた妊婦さんに行われ、基本的には34週を過ぎたあたりから始まります。NST検査では、胎児の心拍数が早いのか遅いのか、胎児が出産に耐えられるのかなども検査できますよ。

NST検査の時は、機械を胎児の心拍数がよく確認できる場所と妊婦さんのお腹の張りがよく確認できる場所にとりつけます。妊婦さんが横になっている状態か、椅子の背を少し倒した状態で行われ、30〜60分ほどの時間をかけて胎児の心拍数を測定していくものです。

こちらは妊娠37週の妊婦さんがNST検査を行っている時の動画です。装置をつけている位置や波形がどのように出てるかもよく確認できますね。NST検査中は胎児の心音が装置から聞こえてくるので、とても心地良く検査を受けることができます(※1)。

CST検査(コントラクション・ストレス・テスト)

CST検査(コントラクション・ストレス・テスト)はNST検査で十分な胎児の状況が確認できなかった場合に行われることがある検査です。このCST検査はママのお腹に人工的に振動や刺激を与え、陣痛時のようなお腹の張りを起こし、心拍数がどう変化するのか検査していきます。

10分の間に40秒以上のお腹の張りが3回起こるまで検査をするため、妊婦さんによって測定時間が変わってくるのですが、とても長時間になる場合も。こちらもNST検査と同じで妊婦さんがリラックスしている状態で検査が行われます。

胎児の心拍数はいつから確認できる?

胎児の心拍数は、だいたい妊娠初期から確認できます。妊婦健診に行くと妊娠6週くらいにエコー検査が始まり、そのエコー検査で胎児の心拍数や心音を確認することができるのです。(※2)

しかし、生理があった日にちから数えた週数で妊娠6週目とされていても、排卵日がずれていた場合は実際の週数が変わってきます。その場合、心音が確認できないこともあるということを覚えておきましょう。

(妊娠中のエコーについては下記のリンクも参考にしてみてください)

胎児の性別の判断はいつからつく?間違いもある?エコー写真で見分け

胎児の心拍数モニタリングでの正常値は?