妊婦は湿布を貼って大丈夫?成分に注意?妊娠中に安全・NGな湿布は?

【医師監修】妊婦さんは妊娠によって起こる体の変化により「足」「肩」「背中」「腰」など様々な所に痛みが出てきやすいです。妊娠前は手軽に貼っていた湿布は、妊婦さんでも使用して大丈夫なのでしょうか?湿布は妊婦さんでも安全に使用できるのか、NGな湿布はあるのかご説明いたします。

( 4ページ目 )
Commentator
|
専門家監修
カズヤ先生
現在11年目の産婦人科医です。国立大学医学部卒業。現在は関西の総合病院の産婦人科にて勤務しています。本職の都合上、顔出しできませんが、少しでも多くの方に正しい知識を啓蒙していきたいと考えています・・・
> プロフィール詳細
Contents
目次
  1. 妊婦さんでも貼れるの?湿布薬とは
  2. 湿布薬の種類
  3. 湿布の主な成分と妊婦さんに及ぼす影響
  4. 妊婦さんは湿布を貼っても大丈夫?
  5. 妊婦さんが安全に使用できる湿布は?
  6. 妊婦さんが使用してはいけない湿布は?
  7. 妊婦さんは湿布の副作用にも注意
  8. 医薬品の分類別にみる湿布薬
  9. 妊婦さんは使える?湿布以外の外皮用薬
  10. 迷ったときは医師に相談を

「要指導医薬品」とは薬局、ドラッグストアなどでの購入が可能となったばかりの薬です。医療用に準じた医薬品で、安全性を確認中の薬のことです。購入の際は薬剤師による対面での指導・説明と文書での情報提供が義務付けられていて簡単に購入することはできません。

湿布薬では「ロキソニンテープ」が市販薬として購入できるようになったことが近年話題になりました。「ロキソニンテープ」は「要指導医薬品」に分類されており、安全性を確認中で、使用して大丈夫だと言い切れる薬ではありません。妊婦さんはおなかの赤ちゃんへの影響を考慮して「ロキソニンテープ」を使用する事は避けたほうが良いでしょう。

妊婦さんでも貼れる?【第1類医薬品の湿布】

「第1類医薬品」とは「要指導医薬品」と同様、購入の際に薬剤師による「指導」「説明」「情報提供」が義務付けられている薬です。副作用や安全性など最も注意が必要で、通常、購入者の手の届かないレジの後ろなどに置かれているのは知っていますか?

湿布の中では「ボルタレンACテープ」「フェイタスZシップ」などが第1類医薬品に分類されています。薬剤師の説明なしには購入できないので、誤って購入してしまうことはないでしょう。購入の際は妊娠中であることを伝え、使用して悪影響はないのか、使用して大丈夫かどうか確認して下さい。

カズヤ先生

産婦人科医

現在、比較的安全性の高いシップとしてMS冷湿布というシップがお勧めです。 腰痛などでシップ希望であれば、かかりつけ産婦人科医に相談してしみましょう。

妊婦さんでも貼れる?【第2類医薬品の湿布】

「第2類医薬品」は副作用や安全性などから注意が必要とされている薬です。薬剤師の説明が必要ではなく、簡単に購入することができます。主な湿布は「フェイタスシップ」「サロンパスEX」などがあり、第1類医薬品よりは副作用などの危険性は低いですが気を付けましょう。

成分によっては注意が必要なものもあります。妊娠中に使用して大丈夫か、おなかの赤ちゃんへの影響はないのか、注意書きをしっかりと確認して薬剤師に相談してから購入して下さい。

妊婦さんでも貼れる?【第3類医薬品の湿布】

「第3類医薬品」とは副作用などが表れにくく安全性が高いとされている薬です。主な湿布は強い消炎鎮痛成分が入っていない「サロンパス」「パテックス」などがあります。おなかの赤ちゃんへの影響が無く、妊婦さんが使用して大丈夫ですが、慎重に使用して下さい。

体調や症状によって「かぶれ」などの悪影響が出てしまう場合もあります。購入の際は成分や注意書きをしっかりと確認しましょう。

妊婦さんは使える?湿布以外の外皮用薬

「足」「肩」「背中」の痛み「腰痛」などを和らげる薬は「湿布薬」の他に「錠剤」や「塗り薬(ゲル、クリーム、液状など)」があります。患部に長時間貼ることがないため、肌が敏感になっている場合や、かゆみなどがある場合には使い分けるのも一つの方法ではないでしょうか。

湿布以外の「外皮用薬」も湿布薬と同様「要指導医薬品」「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」と分類されています。「要指導医薬品」となっている「ロキソニンテープ」のゲルタイプもあります。注意書きをよく読み、おなかの赤ちゃんへの影響を考えて、安全性の高いものを選ぶようにしましょう。

迷ったときは医師に相談を

妊娠中の「足」「肩」「背中」の痛みや「腰痛」は非常につらいものです。市販の湿布薬「サロンパス」「ロキソニンテープ」などは手軽に貼れることから安易に使用してしまうかもしれません。しかし痛みを抑えるはずの湿布薬が妊婦さんやおなかの赤ちゃんに悪影響となる恐れもあります。

妊娠中に「足」「肩」「背中」の痛み「腰痛」などの症状が出た場合は、痛みの原因を知ることも大切です。湿布は使っても大丈夫だと、自己判断で使用するのはやめましょう。まずはかかりつけの産婦人科の先生や薬剤師に相談し、安全を確認したうえで湿布を使用するようにしましょう。

カズヤ先生

産婦人科医

シップ薬は外用なので気軽に貼りがちになってしまうのですが、ここに示されているような妊娠中には非常に危険なものもあります。 必要な時は、必ず、かかりつけ産婦人科医に相談しましょう。