羊水とは?色や匂いは?どんな役割なの?少ないと胎児が発達不良に?
【医師監修】妊婦さんのお腹の中で胎児を包んでいる羊水。名前は知っているけど役割まではわからないという方も多いでしょう。ここでは外からは見えない羊水の色や匂い、その役割について詳しく解説します。羊水の量が少ないことで胎児に与える影響とは何なのでしょうか?
羊水とはどんなもの?
妊娠中の胎児は羊膜に包まれて育ちます。この羊膜に蓄えられているのが羊水で、妊娠初期の羊水は羊膜の分泌物でできています。その後、妊娠周期が進むにつれて母体から供給される水分や胎児の尿、胎児の分泌液などで作られるようになります。
また羊水は99%が水分でできた弱アルカリ性の液体です。ほかに「電解質」「アミノ酸」「脂質」などを含みますが、この成分内容は妊娠時期によって変わります。
羊水の色や匂いは?
胎児が順調に成長するために欠かせない羊水ですが、妊娠中は色や匂いを外から確認することはできません。羊水の色や匂いはどうなっているのでしょうか。
羊水の色
羊水の色は妊娠時期によって少しずつ変わります。
●妊娠初期・・・ほぼ透明(胎児の分泌物が混ざることによって薄い黄色になることも)
●妊娠中期・・・乳白色(胎児が羊水を飲み込み尿として排出するようになるため)
●妊娠後期・・・灰色っぽい白色あるいは黄色を帯びた色
妊娠初期はほとんど透明ですが、胎児の分泌物が混ざることで薄い黄色になることもあります。また妊娠中期に乳白色になるのは胎児が羊水を飲み込み尿として排出するようになるためです。
カズヤ先生
産婦人科医
羊水は弱アルカリ性で、その99%は水分です。妊娠初期には透明ですが、次第に主に胎児の皮膚からの剥離物(うぶ毛、表皮、皮脂など)が混在し、妊娠末期には白濁します。
羊水の匂い
妊娠中は羊水の匂いを嗅ぐことができませんよね。羊水は約99%が水分でできているため匂いはないと言われています。匂いを嗅ぐ機会は破水をして羊水が体の外に出たとだけで、匂いの感じ方は人それぞれ違うようです。「匂いを感じない」という妊婦さんもいれば「生臭い匂いがする」という妊婦さんもいます。
羊水はどんな役割をしているの?
妊娠中のママや胎児にとって羊水はとても大切な役割を持っています。では、羊水の持つ役割とは何なのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
羊水の役割【胎児を守る】
羊水の最も重要な役割は胎児を守ることです。例えばママがお腹をぶつけてしまった時、水分の多い羊水がクッションになり胎児を衝撃から守ります。また羊水には保湿効果のあるヒアルロン酸が含まれているため、胎児を乾燥からも守ってくれるのです。
さらに羊水には保温効果もあるため、外気に左右されることなく胎児の体温を一定に保持します。この保温効果はママの体温にも関係があります。
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