妊娠後期の下痢って問題ない…?流産する?原因を知って正しい対処をしよう!

【医師監修】妊娠後期の下痢って問題ないのでしょうか。下痢で流産することってあるのでしょうか。妊娠後期の下痢や便秘についてドクターの助言を交えて説明します。下痢や便秘には要注意な点もあります。原因を知って正しい対処をしましょう。妊婦さんはぜひ参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 妊娠後期の下痢は注意?!流産や早産するって本当?
  2. 妊娠後期に起こりやすい下痢や便秘の【原因】とは?
  3. 妊娠後期に要注意な下痢や便秘の【症状】とは?
  4. 妊娠後期に起こりやすい下痢の【注意点・対処法】
  5. 妊娠後期に起こりやすい便秘の【注意点・対処法】
  6. 妊娠後期の下痢は出産が近づいているサインかも?
  7. 妊娠後期の下痢は症状がひどくなる前に医師に相談しよう!

妊娠後期に起こりやすい下痢の原因⑦鉄剤の副作用

鉄剤の副作用も妊娠後期に起こりやすい下痢の原因に挙げられます。妊娠中は鉄分不足になりやすく、鉄剤を処方されている人は多いでしょう。しかし、処方される鉄剤には胃腸障害を起こす副作用があり、下痢や便秘、吐き気に悩まされる妊婦さんは多くいます(※2)。症状がとても酷(ひど)い場合は、医師に相談しましょう。

必要な鉄分をすべて食事などで補うのは簡単ではないかもしれませんが、普段から鉄分を食事やサプリメントなどで取っていきましょう。

カズヤ先生

産婦人科医

妊娠中は、分娩時の出血に備えて、血球が増産体制に入ることで、赤血球に必要な鉄分が不足します。 また同時に、胎児への鉄分供給も必要で、より鉄不足に陥るのです。

その際に、かかりつけ産婦人科医で鉄剤のお薬を処方されると思うのですが、この薬剤は副作用として下痢症状を起こしてしまうのです。 あまりに症状が酷い場合は、注射の鉄剤に変更した方が良いでしょう。

(妊娠後期の胃痛については以下の記事も参考にしてください)

妊娠後期の胃痛の原因は?病気の可能性も?激痛を和らげる適切な対処法も紹介!

妊娠後期に起こりやすい便秘の原因①女性ホルモン

一方、妊娠後期に起こりやすい便秘の原因には女性ホルモンが挙げられます。

妊娠している間は、黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンの一種が分泌されます。これにより腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下して排せつの機能も弱まってしまうので、便秘を引き起こしてしまいます。プロゲステロンは妊娠週数が経過していくと増えていくことから、一段と便秘になる可能性があるのです(※3)。

また、腸があまり運動しなくなってしまい食べた物が長時間かけて腸を通っていくので、水分が吸収されて便が硬くなることも要因となります。

カズヤ先生

産婦人科医

妊娠中は体内のホルモン動体が一気に変化することにより、消化管の運動にも影響を及ぼします。 多くの場合は、消化管の蠕動運動が抑制されるので、妊娠中は主に便秘になりがちです。 しかし、同時に下痢をきたすこともあります。

妊娠後期に起こりやすい便秘の原因②子宮に圧迫される

妊娠後期に起こりやすい便秘の原因に腸が子宮に圧迫されてことも挙げられます。子宮が出産に向けて徐々に大きくなっていくと、内臓が圧迫されるようになっていきます。妊娠の後期では臨月となり、腸が圧迫されて便が溜(た)まってしまうのです。

妊娠後期に要注意な下痢や便秘の【症状】とは?

妊娠後期はお腹の張りが感じられるようになり、下痢や便秘の症状にも注意が必要です。妊娠後期の要注意な下痢や便秘の症状とはどのようなものなのでしょうか。

妊娠後期の要注意な下痢・便秘の症状①血便

血便が出るような場合には、注意が必要です。肛門近くにある痔(ぢ)によっても出血は生じますが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍もしくは潰瘍性大腸炎、大腸がんといった病気の可能性も考えられるでしょう。

妊娠中であっても、必要であれば胃カメラや大腸カメラで検査をする場合もあります。

(つわりについては以下の記事も参考にしてください)

つわりには波がある?時間帯・妊娠時期による変化を先輩ママの体験談をもとに解説

妊娠後期の要注意な下痢・便秘の症状②発熱や強い腹痛がある

発熱や強い腹痛がある場合は、食中毒の可能性もあるでしょう。特に生ものを食べた時や家族も同じものを食べて同様の症状が出た場合は食中毒が疑われます。食中毒は細菌性とウイルス性では異なった対応の仕方をします。

また、腹痛もあるなら虫垂炎も考えられ、妊娠中であっても手術が必要になるケースがあることを理解しておきましょう。

妊娠後期の要注意な下痢・便秘の症状③下痢に加えて別の症状がある場合

妊娠後期の下痢で要注意なのは、下痢に加えて別の症状がある場合です。吐き気もあるなど下痢以外の症状もあるなら、急性胃腸炎などといった感染症にかかっていることが考えられます。一度病院を受診するようにしましょう。

妊娠後期は抵抗力が弱まっているため、いつもなら感染しないような状況であってもウイルスなどに感染し悪化する場合もあるのです。

(臨月の症状については以下の記事も参考にしてください)