初産の平均年齢の推移はどれくらい?高齢出産のリスクや出産の限界年齢は?

【医師監修】初産の平均年齢が上がっています。初産の平均年齢はどう推移し、その原因な何でしょうか。高齢出産のリスクやメリット、出産の限界年齢などについて、ドクターの助言や先輩ママの体験談を交えて説明します。妊活中の方や30歳台の妊婦さんはぜひ参考にしてください。

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Contents
目次
  1. 初産の平均年齢の推移は?毎年上がっている?
  2. 初産の平均年齢が高齢化してる原因を7つ紹介!
  3. 出産の限界年齢や最適年齢は?年齢別の妊娠の確率も!
  4. 初産が高齢出産であるリスクは?
  5. 初産が高齢出産であるメリット5選!
  6. 高齢出産した人たちの体験談!
  7. 初産の年齢が上がるリスクを知って子供を授かろう!

カズヤ先生

産婦人科医

医療技術が進歩し、高度不妊治療による体外受精での出産が増えてきました。 高齢でも妊娠出産可能なレベルまで医療が発展したのは喜ばしいことではありますが、依然として高齢妊娠・出産には多くの場合、ハイリスクな合併症が伴います。 できれば20代後半から30代前半までに妊娠・出産するのが理想です。

7. 恋愛離れ

若者の恋愛離れも初産が高齢化する原因のひとつです。女性の社会進出と現代社会の発展が恋愛離れの原因に関係しています。娯楽の少なかった時代は、恋愛は貴重な娯楽の一部であり、誰もが憧れるものでした。

しかし、現代は違います。人それぞれに趣味や没頭するものをもち、恋愛に自分の時間を割かない人の割合が増えています。妊娠はおろか、結婚や恋愛への興味が薄れ、結果として若いうちに出産する人が減っているのでしょう。

(妊娠5週の妊婦については以下の記事も参考にしてください)

【医師監修】妊娠5週の妊婦・胎児の状態は?胎嚢は見える?つわりは?

出産の限界年齢や最適年齢は?年齢別の妊娠の確率も!

高齢出産の割合が増えてきているとはいえ、出産には限界年齢があります。また、出産の限界時期を境に出産しにくくなってしまいます。妊娠できる年齢のボーダーラインはおよそ35歳です。35歳を超えると、若いころよりも妊娠する確率が大幅に減少するといわれます(※3)。

さらに高齢での出産、特に初産は妊娠後にトラブルが起こる可能性が高いのです。高齢で妊娠した場合、胎児に染色体異常が起こる確率が高まります。また妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症が起こる確率も高まり、難産になりやすいというリスクもあります(※4) 。年齢別の妊娠の確率については以下の通りです。

20代ごろ 約8割程度
30代ごろ 約6割程度
40代前半 約4割程度
40代後半以降 約1~2割程度

(妊娠初期については以下の記事も参考にしてみてください)

【医師監修】妊娠初期になんとなく気持ち悪い…!つわり?原因や対策、体験談も!

初産が高齢出産であるリスクは?

紹介したさまざまな原因から高齢出産になる人の割合が増えています。歳を重ねるごとに妊娠する確率が下がり、難産になる確率が高くなります。そのほかにも高齢出産で起こるリスクは多々あります。

1. 母体への大きな負担

高齢出産は母体へ大きな負担がかかるというリスクがあります。特にそのリスクとして妊娠高血圧症候群があげられます(※4)。妊娠高血圧症候群には、むくみや蛋白尿、高血圧の症状があります。これらの症状は高齢になるほど現れる割合が高くなり、その割合は20代の1.5倍にもなるといわれているのです。また、高齢出産は帝王切開の割合が高くなります。

2. 不妊

高齢出産のリスクには不妊も含まれます。一般的には妊娠できる限界年齢は33歳ごろといわれています。35歳以上になると妊娠することが難しくなってくるのです。子供をつくりたい、妊娠したいと考えている場合は、妊娠できる限界年齢を意識して、夫婦で計画を立てることが重要です。

カズヤ先生

産婦人科医

いわゆるART(高度不妊治療)により、30代後半から場合によっては40代前半までの女性も妊娠する確率が上がりました。 しかし、妊娠するだけではなく、その後の順調な妊娠経過や安全な出産ということを踏まえると、やはり30代前半までには初産を迎えるのが望ましいと考えられます。

3. 子供への影響

限界年齢を過ぎた妊娠では、ダウン症の胎児が生まれる可能性が高まります。胎児のダウン症は、20代の発生率が0.1%未満なのに対し、35歳以降は0.3%、40歳以上になると1%にまで高まるのです(※5)。

限界年齢を過ぎたことで、卵子が老朽化してしまうことが胎児のダウン症の発生率が高まる原因です。年齢を重ねるにつれて劣化する卵子が、ダウン症という先天的な遺伝子異常を起こしてしまいます。

4. 流産

高齢出産のリスクには、流産の確率が高まることも挙げられます。ある調査によれば、すべての妊娠の自然流産率が10~15%なのに対し、35歳以上では約20%にも高まります。

これをすれば流産を間違いなく防げるという解決法は今のところ見つかっていません。